月刊バスケットボール9月号

女子日本代表、3P封じられ手痛い黒星。開催国ドイツの圧力に沈黙。【女子W杯2026】

ドイツの圧力に苦しんだ立ち上がり


「FIBA女子ワールドカップ2026」初戦、チームとして大会新記録となる20本の3Pシュートを沈め、マリ(FIBAランク18位)を102-97で下した女子日本代表(同10位)。9月6日、休息日なしの連戦となるグループA第2戦、マックス・シュメリング・ハレでの開催国ドイツ(同11位)戦に臨んだ。

マリ戦では、最大10点のビハインドを背負う苦しい時間帯もあったが、見事に逆転勝利。コーリー・ゲインズHCは本日の試合に向けて「すべてにおいてより良くしなければならない」としつつも、「連戦の場合、私たちは2日目の方が速く動ける。準備はできている」と口にしていた。

日本のスタメンは初戦と同じ#26 田中こころ、#27 林咲希、#75 東藤なな子、#52 宮澤夕貴、#10 渡嘉敷来夢。ファーストオフェンスで林がジャンパーを決めたが、昨日スペインに53-83で敗れて後がないドイツは、#9 エマ・アイマメイヤーの連続得点に続いてペイントアタックから加点し、開始早々に2ポゼッション差を付けられた。

それでも開始3分半、#2 今野紀花、#3 馬瓜ステファニー、#8 髙田真希、#23 山本麻衣を一気に投入すると、直後に髙田がコーナースリーを成功。髙田はさらに2本のジャンパーを射抜いたが、ドイツはインサイドにアタックしスコアを伸ばす。残り2分を切った所から3Pシュート3本を決められ、0-11というランを作られて11-28で1Qを終えた。



試合後、ゲインズHCが「試合の入りで、ふさわしいフィジカルの強さで臨むことができなかった」と1Qを振り返っている。また、馬瓜も「出だしで相手を気持ちよくプレーさせすぎてしまった。私たちの継続的な課題」と振り返る立ち上がりとなった。

巻き返したい日本は2Q、開始直後に田中がレイアップを成功。ディフェンス強度を高めてドイツのシュート成功率を下げる。日本はフィールドゴールこそなかったが、フリースローで確実につなぐ。開始4分半でペナルティーシチュエーションとなると、馬瓜のフリースロー、今野のジャンパー、スティールからのレイアップで得点し、残り4分40秒で23-32と1桁差に迫った。
しぶとく食らいつく日本はその後、山本のレイアップ、渡嘉敷のフリースローで加点すると、田中がブザービーターを成功。このクォーターは18-6とし、29-34でハーフタイムを迎えた。
前半、日本は1/13(7.7%)と3Pシュートを封じられたものの、フリースローは8/8と100%を記録。リバウンドは7本少ない17本、ターンオーバーは3本少ない4本だった。



自分たちのスタイルを破壊された後半


日本は3Q開始35秒、田中がドリブルでペイントエリアに入ると左手でバンクシュートを成功。3点差としたが、ドイツは再びインサイドでオフェンスを展開し、3Pシュートも決めて開始4分で10点差へと突き放す。ゲインズHCが「相手に自分たちのポジションから押し出され、打ちたいシュートすら打てなかった」と嘆いたように、日本のオフェンスが停滞した。

それでも日本は今野のレイアップに続いて馬瓜がドライブから得点したものの、1桁差が遠い。馬瓜も「相手が強度を上げたところについていけなかった」と振り返った通り、ドイツの勢いに押されて後半5分間で4-12のランを許し、39-58で3Qを終えた。



4Q開始直後、田中のシュートでクォーター初得点したものの、日本はドイツのプレッシャーもあってテンポを上げられず、苦しい体勢でのシュートが続き開始1分半で22点差までリードを広げられた。
残り6分を切ったところ、田中はフローターで得点すると直後にスティールから速攻で加点。流れを掴むきっかけにしたかったものの、続くシュートが決まらない。

残り1分38秒、さらにその30秒後に山本が3Pシュートを連続して成功。さらに渡嘉敷のフリースロー、#14 朝比奈あずさのフェイドアウェイショット、今野のプルアップジャンパーで加点したものの、58-74で敗れた。

日本は田中がチームトップの15得点をマークしたものの、2桁得点は1人のみ。2Pシュートこそ46.3%(19/41)と高確率だったが、3Pシュート成功は3本のみ(試投数27で11.1%)に終わった。リバウンドは16本少ない35本、ターンオーバーは14本少ない7本だった。

「彼らは私たちのスクリーンを破壊し、選手たちを押し退けていた。私たちは十分に速く動いておらず、行くチャンスを本当に得られなかった」とゲインズHC。相手のフィジカルなディフェンスに苦しみ、持ち味である3Pシュートの試投数自体を削られたことが敗因となった。



本日の試合でマリはスペインに勝利しているため、グループAは全チームが1勝1敗という状況になった。日本のグループフェーズ最終戦は9月7日、日本時間24:50より、スペイン(同6位)と対戦する。仮にスペインに勝利した場合、マリがドイツに勝利すれば日本はグループ1位で決勝トーナメントに進出となる。もし日本が勝利し、ドイツがマリに勝てば同2位に、次戦に敗れてもドイツがマリに勝利すれば3位で準々決勝進出決定戦へ回ることになる。大混戦となったグループAを抜け出すためにも、次戦の勝利は必須条件だ。

スペインリーグでのプレー経験を持つ馬瓜は「スカウティングなど助けられるところは助けたいが、最終的にこういう舞台で出るのは気持ちの部分。みんなを信じているし、しっかり勝ちにつなげて予選突破を目指す」と必勝を誓う。またゲインズHCも「彼女たちは常に戦うし、私たちは以前にもこのような状況を経験している。修正できるはずだ」と前を向く。崖っぷちの一戦で、チーム・ジャパンとしての底力が試される。

ドイツ 74
|28| 6|24|16|
|11|18|10|19|
日本 58





■2026年度バスケットボール女子日本代表チーム
「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」大会参加メンバー


【スタッフ】
チームダイレクター: 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ: コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ: 伊藤 恭子(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングスタッフ: 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
プレーヤーディベロップメントコーチ: ブライアン・フィンリー(東京サンロッカーズ)♦︎
コーチ: ジャレン・スキート(ENEOSサンフラワーズ)
通訳: 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 栗若 伸一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(ー)
アスレティックトレーナー: 宮口 佳子(S-Life はりきゅう院)
アスレティックトレーナー: 千葉 奈々(横浜市スポーツ医科学センター)
チームマネージャー: 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
チームドクター: 山口 玲(北水会記念病院/茨城ロボッツ)
チーム広報: 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントチーム広報: 荒井 愛海(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【選手】12名
#2 今野 紀花(SG / 179cm / 26歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#3 馬瓜 ステファニー(PF / 182cm / 27歳 / Meins Avenida)
#6 後藤 音羽(SF / 178cm / 19歳 / 東京医療保健大学2年)
#8 髙田 真希(C / 185cm / 36歳 / デンソー アイリス)
#10 渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 35歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
#13 町田 瑠唯(PG / 162cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#14 朝比奈 あずさ(C / 185cm / 22歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
#23 山本 麻衣(PG / 163cm / 26歳 / Las Vegas Aces)★
#26 田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#27 林 咲希(SG / 173cm / 31歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#52 宮澤 夕貴(PF / 183cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#75 東藤 なな子(SG / 175cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)

【リザーブ選手】
薮 未奈海(SF / 178cm / 21歳 / デンソー アイリス)

※平均(Average):177.6cm、27.8歳(リザーブ選手除く)
※♦︎:第5次強化合宿(国内)のみ参加
※★:『FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026』大会から合流
※年齢・所属は2026年8月20日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
 
■FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026 大会概要
【大会名】FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026
【英語表記】FIBA Women’s Basketball World Cup 2026
【大会期間】2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】ドイツ・ベルリン
【試合会場】ベルリンアリーナ、マックス・シュメリング・ハレ
【大会方式】
 ・4チーム×4グループによる予選グループフェーズを行い、上位1位が準々決勝進出。
 ・グループAとグループB、グループCとグループDの隣り合うグループの2位vs3位で争う準々決勝進出決定戦の勝者がファイナルフェーズ(決勝トーナメント)へ進出。
【大会公式サイト】https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-womens-basketball-world-cup-2026
【組み合わせ】 (16か国) ※FIBAランキング:2026年4月1日時点
グループ A:日本(10位)、スペイン(6位)、ドイツ(11位)、マリ(18位)
グループ B:ハンガリー(19位)、韓国(15位)、ナイジェリア(8位)、フランス(2位)
グループ C:ベルギー(5位)、オーストラリア(3位)、プエルトリコ(13位)、トルコ(16位)
グループ D:アメリカ(1位)、チェコ共和国(17位)、イタリア(14位)、中国(4位)

【試合スケジュール】 ※予選の日本戦のみ
2026年9月4日(金) ◯102-97 マリ
2026年9月5日(土) ●74-58 ドイツ
2026年9月7日(月) 24:50 vs スペイン (会場:マックス・シュメリング・ハレ)

【放送・配信】
地上波フジテレビ、CS放送フジテレビ ONE/TWO/NEXT 、FOD で日本戦を放送。
<9月7日(月) vs スペイン>
地上波:フジテレビ 24:45~
CS:フジテレビ NEXT 24:35~
FOD 24:35~
DAZN LIVE 配信

※決勝ラウンド以降の放送・配信スケジュールにつきましては、決まり次第順次公表いたします。
※放送日時や内容は変更となる場合がございます。

▼日本の過去成績(2010年から5大会連続出場・通算15回出場)
・前回大会(2022年)9位
・過去最高位(1975年)準優勝
※翌1979年大会の6位以降、決勝トーナメント(ベスト8)進出なし



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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