月刊バスケットボール9月号

【アジア競技大会】32年ぶりの自国開催でメダルへ! 男子日本代表の鍵を握る”3人のガード”

32年ぶりの自国開催で高みを目指す


9月10日より、『第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)』が開幕する。日本での開催は実に32年ぶりだ。男子日本代表チームは、8月上旬に佐賀で行われた日本生命カップでモンゴル代表との対戦などを経て、いよいよ本番に向けた直前合宿をスタートさせた。

チームを指揮するのは、ワールドカップ2027予選を戦う男子日本代表のアシスタントコーチである吉本泰輔ヘッドコーチ(NBAフィラデルフィア・76ersアシスタントコーチ兼ヘッドビデオコーディネーター)。「高いところは目標としていますし、メダルを取れるように頑張っていきたい」と、吉本HCは今大会の目標を明確に見据えている。



その目標に到達するための大前提となるのが、隙を与えないプレーの徹底だ。指揮官は「40分間ハードにプレーし切るところと、諦めないところ。オフェンス、ディフェンスにおいてとにかく一生懸命プレーする。それがあってのスキルでありスキームだと僕は思っています」と力を込め、技術以前のハードワークの重要性を強調した。



“ハードにプレーし切る” ——その前提の上でチームの生命線となるのが、バックコート陣の活躍だ。中でもメインハンドラーを担うことになるPG3人、小川敦也(宇都宮ブレックス)、黒川虎徹(アルティーリ千葉)、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(東京サンロッカーズ)は攻防で鍵を握る存在になりそうだ。
彼らには明確な個性の違いがある。黒川が「あの2人(小川、ハーパージュニア)はスピードがある。自分はどちらかというとコントロールをする役割と、アウトサイドからのシュートが得意」と自己分析すれば、小川は「自分はオールコートで早く展開できたり、高さの部分でミスマッチを生まないところが武器」と自らの強みを語る。さらにハーパーも「自分の役割がディフェンスだというのは分かっている。どれだけチームにエナジーを与えられるかが大事」と強い決意を口にし、「敦也だったらスピードでアタックする、鉄(黒川)だったらゲームメイクやシュート。自分はディフェンスの強度を上げる役割」と明かす。それぞれの強みを発揮する状況となれば、攻防でリズムがよくなるはずだ。



佐賀でのモンゴル戦でも見られたように、2ガード、あるいは3ガードのラインナップは今大会でも流れを変えるうえでの策となるはず。黒川は「ピック&ロールを使える人が2人になって、ボールを運ぶのも2人になる。どちらが来るか分からない状況を作れるのは、相手にとって守りにくいはず」と、2ガードのメリットを説明している。



相手に的を絞らせない多彩なガード陣の起点から、いかにペースを上げ、ディフェンスの強度を高められるか。吉本HCは「32年ぶりの日本での開催なので、ファンの皆さんに、日本代表としての戦いぶりや、40分間ハードに戦い切る姿勢を見ていただきたい」と語る。自国開催のアジアの祭典で、笛が鳴る最後の瞬間までハードワークを貫く日本の姿に期待したい。





■2026年度バスケットボール男子日本代表チーム
『第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)』直前合宿および大会招集メンバー

【スタッフ】
チームダイレクター: 松岡 亮太(東京サンロッカーズ)
チームダイレクター: 伊藤 大司(アルバルク東京)
ヘッドコーチ: 吉本 泰輔(フィラデルフィア・76ers)
アシスタントコーチ: 浜中 謙(東京サンロッカーズ)
アシスタントコーチ: ケビン・アンゼンバーガー(長崎ヴェルカ)
アシスタントコーチ: 冨山 晋司(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングスタッフ: 保田 延彦(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 佐藤 晃一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 緒方 博紀(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 一柳 武男(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 古澤 美香(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 西村 拓也(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントチームマネージャー: 大木 瀬音(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チーム広報: 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)
サポートスタッフ: 井河原 尚人(びわこ成蹊スポーツ大学)

【選手】12名
アレックス・カーク (C / 211cm / 34歳 / 川崎ブレイブサンダース)
シェーファー アヴィ 幸樹 (PF / 206cm / 28歳 / 仙台89ERS)
津屋 一球 (SG / 191cm / 28歳 / 三遠ネオフェニックス)
高島 紳司 (SG/ 191cm / 25歳 / 宇都宮ブレックス)
黒川 虎徹 (PG/ 175cm / 25歳 / アルティーリ千葉)
狩野 富成 (C/ 210cm / 24歳 / 東京サンロッカーズ)
小川 敦也 (PG/ 190cm / 24歳 / 宇都宮ブレックス)
山内 ジャヘル 琉人 (SG / 190cm / 23歳 / 川崎ブレイブサンダース)
ジャン・ローレンス・ハーパージュニア (PG/ 181cm / 23歳 / 東京サンロッカーズ)
金近 廉 (SF/ 197cm / 23歳 / 千葉ジェッツ)
山﨑 一渉 (SF / 200cm / 23歳 / 東京サンロッカーズ)
川島 悠翔 (PF / 200cm / 21歳 / シアトル大学)

【強化育成選手】※9月2日~9月6日までの参加
マクミラン アレックス(PF / 198cm / 18歳 / 沖縄県立沖縄水産高等学校)
恒岡 ケイマン(PF / 196cm / 17歳 / 開志国際高等学校)
本田 蕗以(SF / 189cm / 18歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)

※平均(Average):195.2cm、25.1歳
※年齢・所属は2026年9月2日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター

■第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)
期間:2026年9月19日(土)~10月4日(日)
開催地:愛知県名古屋市
大会公式サイト:https://www.aichi-nagoya2026.org/
チケット情報:https://lp-ag.tickets-aichi-nagoya2026.org/

【バスケットボール(5人制)男子】
日程:9月10日(木)〜20日(日)
会場:愛知国際アリーナ
出場国・組み合わせ:
グループA:日本、韓国、サウジアラビア、インドネシア
グループB:イラン、ヨルダン、チャイニーズ・タイペイ、カタール
グループC:中国、フィリピン、バーレーン、カザフスタン

日本戦スケジュール:
9月10日 19:00 日本 vs インドネシア
9月11日 19:00 日本 vs サウジアラビア
9月13日 19:00 日本 vs 韓国
9月16日 準々決勝
9月18日 準決勝
9月20日 決勝・3位決定戦





文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

PICK UP

RELATED