“最強のメンバー”が躍動! 男子日本代表が全員得点でカタールを123-70で圧倒、グループF1位に

開始直後からの猛攻と全員得点の圧倒的オフェンス
「最強のメンバーで最高の一体感」は、日本バスケットボール協会(JBA)の伊藤拓摩強化委員長がトップを務める強化委員会が、ロス五輪に向けて掲げたスローガンである。その言葉を体現する試合となった。 8月31日、TOYOTA ARENA TOKYOで「FIBAワールドカップ2027 アジア地区予選 Window4」グループFが開催され、男子日本代表が男子カタール代表に123-70で大勝。サウジアラビア戦に続く2試合連続の100点ゲームで連勝を飾り、グループFの暫定1位に浮上した。
日本のスターターは、サウジアラビア戦と同じく#5 河村勇輝、#19 西田優大、#18 馬場雄大、#8 八村塁、#24 ジョシュ・ホーキンソンの5人。この日は前試合を欠場していた#12 渡邊雄太も復帰し、八村、河村を含めてロスターにNBA経験者が3人そろう“最強のメンバー”での戦いとなった。
試合は開始早々から日本が主導権を掌握。開始18秒、河村がドリブルで左エルボー付近まで進むと、左コーナーに待っていた馬場にパス。3Pシュートで先制すると、八村も連続して3Pシュートを沈め、西田がバスケットカウント。開始わずか3分半で11-0のランを見せるという好スタートを切った。その後も、堅守速攻からの展開で得点を重ね、1Qを29-11とリードして終える。

続く2Qは相手のシュート成功率が上がり、24-23と拮抗したものの、終盤にはホーキンソンの3点プレーや八村のブロック、そして復帰した渡邊のダンクが飛び出し、会場を大いに沸かせた。後半に入ると日本の勢いはさらに加速し、相手の司令塔の退場など荒れ模様の展開の中でも冷静にペースを保つ。3Qを40-11と圧倒し、4Q開始早々に100得点に到達。最終スコア123-70で出場全選手が得点を記録する快勝を収めた。
個人スタッツでは、八村が3Pシュート8本中6本成功を含む両チーム最多の30得点に加え、6リバウンド、4アシスト、3スティール、4ブロックと攻防で勝利に貢献。#30 富永啓生が3Pシュート4/5で23得点、ホーキンソンが16得点8リバウンド、渡邊が12得点、西田が11得点と5人が2桁得点を記録した。また、司令塔の河村は自らの得点を5点に抑えつつも、両チーム最多の10アシストでオフェンスをけん引した。

チームとしては2Pシュート成功率が66.7%(22/33)、3Pシュート成功率が52.6%(20/38)と高いシュート成功率を残し、リバウンドで36-29、ターンオーバーは9-21と相手を上回った。また、セカンドチャンスでの得点こそ15-13と拮抗していたが、速攻で29得点(相手は7点)、相手ターンオーバーから33得点(同13点)、ペイントエリアでの得点が42点(同26点)、ベンチスタート選手の得点が56点(同49点)となっている。
既存のケミストリーと新戦力の融合
記者会見で桶谷大HCは「それぞれが自分の役割を果たしてこういう結果になった。(八村)塁だったり(河村)勇輝が引力になって周りが点を取りやすくなっている部分はあるが、それぞれが役割を果たしたからこそのバスケット」と選手たちをたたえた。

また八村や河村の合流による既存チームへの影響についても、「今まで作り上げてきたケミストリーを崩してしまうのではと懸念していたが、彼ら自身がすごく歩み寄り、既存のケミストリーに自分たちをうまくフィットさせようと努力してくれた。思っていた以上にアジャストして、チームをさらに良くしてくれた」と手応えを口にした。
また、今試合で復帰を果たした渡邊は「塁と勇輝が入ってくれたのはすごいインパクトだったが、それ以外の選手も自分の役割を全うし、チームとしてすごく一体感がある2試合だった」と振り返る。自身も久々の代表戦のコートに立ち、「このチームでやれる機会はなかなかないので、僕自身もすごく楽しめた」と笑顔を見せた。
目指すのは「オリンピックでの勝利」
続く舞台となる11月下旬(11/26 vs.レバノン、11/29 vs.カタール)に向けて、桶谷HCは「相手のターンオーバーから33点、ファストブレイクで29点。これが日本のやりたいバスケット。厳しいディフェンスから早い展開に持っていくスタイルが、2試合連続の3桁得点につながった」と自信をのぞかせた。「自分たちが目指しているのはオリンピックで勝つこと。このメンバーがそろっている以上、アジアでは負けられない。自分たちの強さを証明できるいい機会になった」と力強く語る。

渡邊もまた「短い期間でこれだけチームを仕上げられたのはすごい自信になった。今まで自分たちが良かったこと、悪かったことを考えながら歴史がつながっている。これからの行動がまた未来につながっていく」と前を向く。「まだまだ良くなる部分はたくさんある。次に集まった時にさらにステップアップした状態で集まれるように、一人一人がそれぞれの場所でしっかり成長したい」と、さらなる高みを見据えた。
最強のロスターで圧倒的な力を見せつけた日本代表。2027年のワールドカップ本戦出場、そしてその先のオリンピックでの勝利へ向けて、確かな一歩を踏み出した。
日本 123(29-11,24-23,40-11,30-25)70 カタール
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)








