宇都宮・小川敦也&京都・川嶋勇人が語る子どもたちへの想い~B.Hope X YELLを通じて届けるエールと希望~

「すべての子どもたちに、応援という力を。」
B.LEAGUE Hope(B.Hope)は公益財団法人日本財団の助成の下、重い病気と闘う子どもたちへの支援プロジェクト「B.Hope X YELL(クロスエール)」を全国のクラブとともに推進しています。「すべての子どもたちに、応援という力を。」を合言葉に選手やチア、マスコットが病院や施設を訪問するほか、ホームゲームへの招待やパブリックビューイングの開催などを展開予定です。
今回は、実際に小児病棟を訪問し、子どもたちと交流を行った小川敦也選手(宇都宮ブレックス)と川嶋勇人選手(京都ハンナリーズ)に、活動を通じて得た気づきや思いを聞きました。
■宇都宮ブレックス 小川敦也選手
「一瞬だけでも、前を向くきっかけに」 子どもたちと同じ目線で交わした笑顔と約束
——今回、小児病棟を訪問され、直接交流されました。終わってみて率直なお気持ちをお聞かせください。
小川)僕とブレッキーで病棟を回らせてもらったのですが、ブレックスを応援してくださっている方もたくさんいらっしゃいましたし、僕のことを知らない方もいました。どちらの方も僕たちと会って喜んでくれて、少しでも元気や勇気を与えられたかなと思いますし、良い時間を過ごせたかなと思います。

——病気と闘う子どもたちにとって、縦横無尽に走り回るバスケットボール選手は憧れの存在だと思います。訪問前、どんなメッセージを伝えたいと考えていましたか?
小川)動きたくても動けなかったり、当たり前の日常を送れていない子どもたちがいる中で、幸いにも僕は元気に過ごせています。支えるご家族も含めて、頑張っている子どもたちが、少しでも前を向く時間を作れたらいいなと思っていました。

——実際に活動をされる前と後で、想像していたこととの違いや、印象が変わった部分はありましたか?
小川)小さい子や保護者の方など、僕のことを知らない人もたくさんいると思ったので、最初はどんな感じになるのかなと思っていました。でも、僕のことを知らない方でも、同じ空間で少し会話をするだけで笑顔になってくれたり、体を動かして反応してくれたので、やっぱりこうして対面で、人と人が直接会うことはすごく大切だなと感じました。
——子どもたちとはどんな触れ合いがありましたか?
小川)ブレックスのうちわやステッカーをプレゼントしたのですが、直接お渡しする時に、すごく喜んでくれて、それが嬉しかったですね。また、保護者の方とも話をしたのですが、「新シーズンの試合に応援に行きたいと思います」という声もいただきました。
小児病棟を訪問するという活動は初めてでしたが、こちらも元気をもらえましたし、次はバスケットボールを通じて僕からもパワーを届けられるようにもっと頑張らないといけないなという気持ちにさせてもらいました。

——今回に限らず、子どもたちと触れ合う機会も多いと思います。同様の思いを持っているのでしょうか?
小川)毎回これを伝えたいという決まったものは持っていないですが、子どもたちと同じ目線でいろいろと話すことは意識しています。
——宇都宮では、持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むプロジェクト「BREX with(ブレックス ウィズ)」という活動があります。多くの先輩たちも積極的に取り組んでいることが印象的ですが、選手が取り組む意義や意味はどんなものでしょうか?
小川)バスケットボール選手をはじめとするアスリートは、いろいろな人に夢を与える職業だと思っています。一方で、競技の場以外で直接触れ合う機会はそれほど多くはありません。僕たちは応援してくださっている皆さんのおかげで、何不自由なくプレーできているので、こうした活動は日々の感謝を直接伝えることができる場だと思っています。僕としてはそういうつながりをこれからも大切に、ひとつ一つの活動を通して感謝を伝えられたらなと思います。

——社会的責任活動で、今後やってみたいものはありますか?
小川)僕は新潟で生まれて、大分、福岡、兵庫と移り、また新潟に戻って京都、茨城、そして宇都宮と、いろいろなところを転々として育ってきました。今まで住んでいた場所に実際に行ってバスケットボールの寄贈などができたらいいなという思いがあります。そうした活動を通して、自分を育ててくれた土地に恩返しができたら嬉しいですね。

——素晴らしい企画ですね。宇都宮はBREX NATIONという言葉もあるほど、熱心に支えてくださる方々がたくさんいるクラブです。普段からファンの存在や声がプレーのモチベーションにつながるものですか?
小川)もちろん皆さんの存在は、ブレックスにとってすごく大きいですし、どの選手も「ブレックスファンのために優勝を目指す」という思いを持っています。一緒に戦ってもらっている仲間のような存在なので、いろいろな意味で僕たちの大きな力になっています。
——病気と闘いながら宇都宮や小川選手を応援しているという子どもたちは全国にもいます。ぜひ応援メッセージをお願いします。
小川)いつも応援、本当にありがとうございます。辛いときだったり、うまくいかないこともたくさんあると思いますが、ブレックスやバスケットボールを通して少しでも前向きになれたり、力を届けられるように僕たちも頑張っていきますので、皆さんも頑張ってください。
——今のメッセージの中で「辛いとき」という言葉がありました。小川選手ご自身は辛いことに直面した際、どう乗り越えているのでしょうか?
小川)辛いことがあってもやることを変えないようにしています。辛かったり、うまくできなかったりしたからといってやめるのではなくて、継続するというところを大切にしています。
■京都ハンナリーズ 川嶋勇人選手
「逆にめちゃくちゃ元気をもらえました」 気づかされた、子どもたちの計り知れない強さ
——病院を訪問され、子どもたちと交流された率直な感想を教えてください。
川嶋)「一つでも多くの笑顔を引き出す」ことを自分自身の目標として行かせてもらったんですが、子どもたちの状況も様々で、正直めっちゃ難しかったというのが感想です。ですが、子どもたちは恥ずかしがってしまう子もいる中、ボールを指で回す等、分かりやすいことをやると笑ってくれたりして、少しずつ距離が縮まっていくのを感じることができたのが嬉しかったです。

——コミュニケーションを取る上で、意識していたことはありますか?
川嶋)「頑張れ」という安易な言葉は使いたくないと思っていました。みんなが僕のことを知っているかどうかは分からなかったですが、個人的にはスポーツ選手は素晴らしいパワーを持っていると信じています。とにかく行って、自分の元気な姿を見せる。そうすれば「僕も、私も、こんなになれるかもしれない」と思ってもらえるかなと思っていました。安易な言葉ではなく、“僕”というパワースポットを届けに行ったという感じです(笑)。

——対面で感じるエネルギーは子どもたちにとっても貴重な機会になったはずです。逆に、川嶋選手が得られたものはありますか?
川嶋)はい。めちゃくちゃ元気をもらえましたよ。病棟で小さいときから何カ月も入院しているという子がもうすぐ退院するというのを聞いたとき、「本当に子どもたちはすごいな」と感じましたね。3カ月くらい前に手術をした時、3、4日入院したくらいで文句を言っていたんですが(笑)、そんな自分が情けないなぁとも感じましたし、本当に勇気づけられる機会でした。

——何か伝えたいメッセージはあったでしょうか?
川嶋)「スポーツはすごく楽しいものなんだよ」ということは、クリニックなどでも必ず言うようにしています。子どもたちの練習環境や境遇によっては、スポーツが嫌いになる子もいると思うんです。バスケットボールだけに限った話ではなくスポーツは楽しいんだということは必ず伝えるようにしています。
——今回の「B.Hope X YELL」や京都ハンナリーズが進めるNEKONOTE PROJECTなど、選手が社会的責任活動を行う機会は多くあります。選手が積極的に取り組む意義や意味についてどう考えますか?
川嶋)先ほども言いましたが、僕はスポーツ選手はすごいパワーを持っていると考えています。そのパワーをみんなに与えるためにいろいろなところに出向いて、行動する。そのこと自体、とても意義深いものだと思います。僕の場合、京都出身であり地元のチームにいるということを考えると、もっと活動していかないといけないなと思っています。

——これから様々な問題や壁にぶつかりながら成長していく、次世代の若者たちへ、川嶋選手流のアドバイスを送るとしたらどんな言葉になりますか?
川嶋)問題にぶち当たったときに、「人のせいにするな」と伝えたいですね。人のせいにしてしまうと、その後もそういう人生を歩んでしまって成長もありません。それは会社勤めでもプロ選手になっても同じだと思います。
——最後に闘病中の子どもたちとご家族へ、メッセージをお願いします。
川嶋)大変な思いをされていると思います。もし試合に来てもらったら、僕のエナジーで元気が出ると思うので、ぜひ見に来てくれたらと思います。病院で会ったみんなの顔はしっかり覚えているのでぜひ声をかけてくださいね!

B.Hope X YELLの活動については特設サイト(https://www.bleague.jp/b-hope/x-yell/)をご覧ください。
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)
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