月刊バスケットボール9月号

チームのスタイルを体現する“元気印”「自分を信じ切ることが大事」 / 藤枝明誠 #11 福本彩人[U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1レポート]

男女各8チームが世代最強を争う「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」開幕週2日目の8月23日、国立代々木競技場 第二体育館(東京都)で鳥取城北(鳥取県)と藤枝明誠(静岡県)が対戦しました。3月の入替戦で劇的な逆転勝利を収め、2年ぶりの「U18日清食品トップリーグ」復帰をもぎ取った藤枝明誠は、夏の悔しさを糧にし「負けないディフェンス」を掲げて今大会に臨んでいます。対する鳥取城北は、今夏のインターハイでエース負傷のアクシデントを乗り越え、王者福岡大学附属大濠相手に健闘を見せて確かな自信を得ました。ディフェンスからの速攻を身上とし総合力で戦う鳥取城北と、強固なディフェンスで再起を誓う藤枝明誠の試合は、期待どおりの熱戦となりました。

第1クォーター、鳥取城北は#50 フィリモン ホムタワ タルモン選手(2年/202cm)のインサイドや、#7 小田昂明選手(3年/185cm)のトランジションから得点し、良いスタートを切ります。対する藤枝明誠はバックコートからプレッシャーをかけるディフェンスを展開。オフェンスに転じると#11 福本彩人選手(2年/185cm)のレイアップ、#9 髙平爽太選手(3年/175cm)のターンアラウンドシュートなどで加点します。さらに3ポイントプレーも飛び出し、19-15と藤枝明誠がリードして最初のクォーターを終えました。

連敗を避けたい鳥取城北は第2クォーター、タルモン選手のダンクなどでリズムを掴み一旦は逆転します。しかし藤枝明誠もすぐに応戦。期待の1年生・#7 平岡泰介選手(1年/190cm)のプルアップジャンパーが決まりだすと、#13 濱崎煌大選手(2年/173cm)や#5 端野恵音選手(2年/186cm)の3ポイントシュートも決まり、37-32としてハーフタイムを迎えました。

それでも鳥取城北は第3クォーターを11-8とし、2点差で最終クォーターへ。そのファーストオフェンスで#5 山﨑勇輝選手(3年/177cm)がキャッチ&シュートを決め、ついに同点に追いつきます。ここから得点のたびに観客から歓声が上がる激しい攻防が展開されました。藤枝明誠は#6 徳田翔太選手(3年/185cm)や福本選手が3Pシュートを決めて一歩前に出ますが、鳥取城北もタルモン選手や小田選手が強気のプレーで追随します。“負けられない”という両者の意地がぶつかる一進一退の展開の中、勝負どころで抜け出したのは鳥取城北でした。残り4分を切ったところで同点にすると、#17 植田涼平選手(2年/182cm)の技ありレイアップ、小田選手のジャンパーで4点差のリードを作ります。藤枝明誠も最後まで粘りを見せましたが、鳥取城北が61-59で振り切り勝利しました。



試合の大半で僅差ながらリードを保っていた藤枝明誠としては悔しい逆転負けとなりましたが、金本鷹コーチが「粘りというのが少しずつ見えてきた。負けた中でも次につながる収穫もありました」と語るように、強化に着手している“負けないディフェンス”という面では手応えを得た試合でもありました。
この新たな形を見出そうとするチームにおいて、欠かせない存在となっているのが福本選手です。金本コーチは彼を「チームの元気印」と表現し、「ディフェンスからルーズボール、リバウンドにアグレッシブに絡み、外のシュートを決めて走る。うちが『これをやるよ』というスタイルを1人で全部やっているような選手」と、まさに藤枝明誠の“象徴”であるとして全幅の信頼を寄せています。

この試合ではチームトップの16得点に加え、4リバウンド、1スティールというスタッツを残した福本選手。「チームメイトが1対1でズレを作ってくれるので、自分はそのズレをうまく使って“おいしいところ”を持っていっています」と笑顔で自身の持ち味を語りつつ、「最初からしっかりディフェンスから当たろうと話していて、40分間前からアグレッシブに相手が嫌がることをするという目標に近づけたと思います」とチームとしての成長にも自信をのぞかせます。

福本選手は惜しくも第4クォーター残り6分半でファウルアウトとなってしまいましたが、その後もベンチから誰よりも大きな声を出し、チームを鼓舞し続けました。「チームに勝ちたいという思いがあるし、自分がコートに出られない分、ベンチでできることは声を出すことだと思ってずっと出し続けました」というその姿勢について、金本コーチは「彼がファウルアウトしたことで、逆にベンチがあれだけ声を出すようになった。そこはすごく助かった」と彼の影響力も高く評価しています。

次週はインターハイ王者である福岡大学附属大濠(福岡県)との対戦が控えています。福本選手は今回の惜敗を振り返り、「チーム全体としてもそうですが、自分がやるんだという気持ちをもっと強く持ち、自分を信じ切ることが大事だと思います」と力強く語りました。強豪相手にも「しっかりチャレンジをしたい」と闘志を燃やすチームの象徴が、藤枝明誠のさらなる進化を加速させます。




「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」
・オフィシャルサイト
https://u18league.japanbasketball.jp/
・チケット情報はこちら
https://u18league.japanbasketball.jp/watching-top/ticket/
・「U18日清食品トップリーグ公式YouTube」「バスケットLIVE」、「スポーツナビ」にて全試合配信
[配信・放送]https://u18league.japanbasketball.jp/streaming/

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)、写真/吉田宗彦

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