月刊バスケットボール9月号

「苦しい時こそみんなで楽しんで」劇的勝利を引き寄せた絶対的エース / 四日市メリノール学院 #8 刀根綺萌[U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1レポート]

8月22日、男女各8チームが世代最強を争う「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」が国立代々木競技場 第二体育館でついに開幕しました。オープニングゲームとなったのは、四日市メリノール学院(三重県)と岐阜女子(岐阜県)という東海ブロックのライバル同士の対戦です。好守からブレークにつなげるバスケを身上とする四日市メリノール学院と、1、2年生主体ながら伝統の粘り強いディフェンスを武器とする岐阜女子の試合は、期待に違わぬ熱戦となりました。

試合は序盤から、ディフェンスを得意とする両チームの見応えある攻防が展開されます。四日市メリノール学院は、#8 刀根綺萌選手(3年/167cm)のアシストなどで先手を取りましたが、岐阜女子は#5 小池夏歩選手(2年/166cm)が自慢のスピードを生かして得点源となり、#7 ウィリアム エファンテラ選手(1年/182cm)も着実に得点を重ねてリードを奪います。四日市メリノール学院は第2クォーターに#4 中嶋とわ選手(3年/166cm)の3Pシュートなどで反撃しますが、前半は岐阜女子が33-26でリードして折り返しました。第3クォーターも岐阜女子が簡単には流れを渡さず、52-43と9点リードで最終クォーターへ突入します。



しかし第4クォーター、四日市メリノール学院が持ち味であるアップテンポなオフェンスを展開します。刀根選手や#16 小林蘭選手(2年/175cm)のフリースローでの得点に加え、#17 中村結愛選手(2年/160cm)の3Pシュートも決まるなどで、一気に点差を縮めると60-57と3点ビハインドで迎えた残り25秒、#6 伊藤千寛選手(3年/172cm)がシュートをねじ込み1点差とします。直後のタイムアウト、稲垣愛コーチから「前からどんどん当たっていこう、休んでいる暇はないよ!」と指示を受けたという四日市メリノール学院は、2-2-1のプレスディフェンスを仕掛けます。最前線からプレッシャーをかけると小林選手と刀根選手が激しくアタックしてボールを奪取。残り12秒、刀根選手がシュートを沈めて61-60と逆転し、そのまま守りきって劇的な勝利を飾りました。

刀根選手にとって、決勝点はひとしおの喜びでした。実は刀根選手は昨年11月に膝の大ケガを負い、約8カ月間もコートから離れていたのです。「公式戦はインターハイから復帰となりました。ですが、まだフィジカル面で踏ん張りきれないところがあります」と語るとおり、コンディションは万全ではないものの、勝負所の第4クォーターで見せた集中力は圧巻でした。「前半は自分がパスを出すことで周りの選手にディフェンスの意識がいくと思っていました。後半に入っても流れが悪かったのですが、点が欲しい時に自分が取らないといけないと思ったので、第4クォーターでは特に最後までフィニッシュに持っていくことを意識しました」と、意図的にギアを上げたことを明かします。

そんな刀根選手の存在について、中嶋選手は「チームの絶対的エースなので、困った時は本当に助けられている存在です」と絶大な信頼を寄せています。さらに「本当にリハビリを頑張っていて、自分たちが練習している中でも外からずっと声を掛けてくれたので、彼女がコートにいなくてもチームのプラスになっていました」と、その姿勢がチームのモチベーションにつながっていたと語ります。刀根選手は、まだまだ100%ではないと自身の状態について語っていましたが、中嶋選手は「能力もスキルも見事ですし、一緒にプレーしていて本当にすごいと感じています」とすでに絶対的エースの頼もしさを感じているようです。


苦しい時間帯もコート上で笑顔を見せ、楽しそうにプレーする四日市メリノール学院の選手たち。刀根選手は「自分たちが悪い時は少し焦ってしまうところがあると思うので、焦っている時こそみんなで落ち着いて声を掛け合っています。楽しまないとミスにつながると思うので、もっとみんなで余裕を持ってバスケができたらと思って、声を掛けて楽しんでいます」とその理由を語ってくれました。「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」特有の音楽が入るアリーナ演出についても「テンションが上がって乗りやすいので、すごくやりやすいです」と笑顔を見せます。

インターハイでは2回戦敗退という悔しい結果に終わりましたが、この「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」を通じてさらなる成長を目指しています。「ゾーンディフェンスの攻略をしっかり練習しているのと、自分の強みであるドライブをもうちょっとしっかり行けたらなと思います。もっと自分たちらしいバスケを表現できるようにやっていきたいです」と刀根選手は力強く意気込みを語ってくれました。苦難を乗り越えたエースを中心に、四日市メリノール学院の挑戦は続きます。



「U18日清食品トップリーグ2026 ディビジョン1」
・オフィシャルサイト
https://u18league.japanbasketball.jp/
・チケット情報はこちら
https://u18league.japanbasketball.jp/watching-top/ticket/
・「U18日清食品トップリーグ公式YouTube」「バスケットLIVE」、「スポーツナビ」にて全試合配信
[配信・放送]https://u18league.japanbasketball.jp/streaming/

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

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