Bリーグが2025-26シーズンのインジュリーレポートを発表。始動期の肉離れや膝靭帯断裂に警鐘

外傷・障害発生件数は過去最多の591件
8月18日、Bリーグは理事会後のメディアブリーフィングにて「2025-26シーズン インジュリーレポート」を発表した。本調査は、B1(26クラブ)およびB2(14クラブ)に所属し、シーズン中に一度でもエントリーした40クラブ・626名の選手を対象に実施されたもの。アスリートのコンディション管理システム「ONE TAP SPORTS」を通じて収集されたデータを基に、プレシーズンからリーグ戦終了までの1278試合および練習における外傷・障害を集計・分析している。シーズンの外傷・障害発生件数は過去最多の591件となり、同一定義での調査開始以降で最多を記録。100人あたりの発生件数は前年比12.43%増となり、特にB1の試合における発生率は前年比17.05%増と大幅に上昇。「プレーヤーアベイラビリティ(選手稼働率)」は調査開始以来初めて90%を割り込み、87.7%となった。特にB1外国籍選手が前年の91.8%から83.9%(-7.9ポイント)へと低下し、B1日本人選手も88.5%(前年92.2%)へ低下した。外傷・障害による総離脱日数は全体で1万6521日(前年比40.9%増・約4800日増)に達し、その増加分の91.2%がB1に集中するなど、戦力維持に大きな影響を及ぼした。
発生部位・種類別では、最多の「足関節捻挫(靭帯損傷)」が105件(前年比26.5%増、総離脱日数1401日)と再び増加に転じ、日本人選手の稼働損失を大きく引き上げた。また、発生頻度と重症度を掛け合わせた総合的な損失指標「インジュリー・バーデン(Injury Burden)」で深刻な影響を示したのが「大腿・下腿の肉ばなれ(筋断裂)」である。
肉ばなれは全体の89.0%が非接触で発生しており、練習中の発生割合が35.6%(前年比16.8%増)へと上昇した。発生時期としては、チーム始動や入国直後の1週間以内に最初の大きなピークを迎えている。
SCS推進チーム担当の数野真吾氏は「肉ばなれは非接触の練習でも起こり得る。始動して1週間程度の段階で非常に高いピークが来ているため、始動時のコンディションや負荷のかけ方に細心の注意を払う必要がある」と分析した。
さらに、B1において「膝靭帯断裂」が前年の4件から8件へと倍増し、総離脱日数は2062日、単一外傷として最大のインジュリー・バーデン(385.94)を記録した。診断コードのある7件すべてが前十字靭帯(ACL)断裂であり、5件が非接触で発生していることから、着地や方向転換時の動作改善といった中長期的な予防アプローチの重要性が示された。
一方、頭部脳振盪は37件(前年43件)と減少した。リーグが推進してきたハンドブック配布などによる安全意識の向上が実を結んだ形だが、29日以上の離脱を要する重症・遷延性ケースが7件(前年4件)へ増加した。専門医へのアクセス環境における地域格差の解消など、外部メディカルサポート体制の拡充が今後の課題として挙げられている。
B.革新元年となる2026-27シーズンは週末・平日の分散開催やオンザコートルールの変更など、選手にかかる負荷やインテンシティの前提が大きく変わる。リーグとクラブがデータを共有し、始動期からのコンディション管理と安全対策をいかに高度化できるかが、新時代の成否を握ることになる。
りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON Injury Reportはこちら
https://www.bleague.jp/files/user/BLEAGUE_2025-26_SEASON_InjuryReport.pdf








