月刊バスケットボール9月号

Bリーグ

2026.08.10

B.LEAGUE UNITED、一時はリードを奪う接戦を演じるもNBL名門に惜敗

NBLの強豪チームに対して適応力を示した前半

「2030年までにNBA選手を5人輩出する」という目標のもと結成されたB.LEAGUE UNITED。強化第2弾となるオーストラリア遠征では、NBL強豪との実戦を通じ、世界レベルの強度を肌で学ぶことを目的としている。GAME1ではサウスイースト・メルボルン・フェニックスに60-113と大敗を喫したが、選手たちは自らのバスケを遂行する姿勢を見せた。中2日で迎えたGAME2の相手は、かつて馬場雄大(長崎)も所属した名門メルボルン・ユナイテッド。今季より#7 Joe Inglesが加入した強豪に対し、若き才能たちがどうアジャストしていくかに注目が集まった。

B.LEAGUE UNITEDは、#32田中流嘉州(長崎)の初得点を皮切りに、#42渡邉伶音(A千葉)、#11新井楽人(横浜BC)が3Pシュートを射抜くなど序盤から食らいつく。リバウンド争いでは苦しんだものの、ハードなプレッシャーで相手のターンオーバーを誘発し、#7西部秀馬(京都)の連続スティールから加点するなど見せ場を作った。それでも1Qは19-27というスコアだったが、2Qには見事な修正力を発揮する。

#6中村拓人(群馬)のレイアップや#14湧川颯斗(三遠)の3Pシュートなどでトランジションから得点を重ね、開始2分強で同点に追いつく。その後は#13岡田大河や#42渡邉らが連動したオフェンスを披露し、残り1分には#11新井の3Pシュートで逆転に成功。43-45の2点ビハインドで折り返した前半は、現地の解説陣も「非常に若いチームだが、恐れることなく自信を持ってシュートを打っている」とそのメンタリティを高く評価した。

後半に立ちはだかった壁と、世界基準で得た確かな手応え


3Q序盤も1ポゼッション差の接戦を演じたB.LEAGUE UNITEDだったが、ここからメルボルン・ユナイテッドがディフェンス強度を一段階引き上げる。激しいプレッシャーの前にオフェンスが停滞すると、インサイドを完全に支配され、さらには#7 Inglesに勝負どころで3Pシュートを沈められるなど名門の底力を見せつけられた。最後までアタックする姿勢を崩さず#11新井らが加点したものの、反撃もここまで。68-83で力尽きた。

敗れはしたものの、チームトップの17得点を挙げた#11新井は「自分の強みであるドライブとディフェンスは、大きい相手にもある程度通用したように思います」と手応えを口にしつつ、「ハンドラーとして普段以上に多くの学びがありました。来季のB.LEAGUEに向けて課題を改善していきたいです」と前を向く。また、12得点を記録した#6中村も「フィジカルに戦うという意味で、前回よりも確実に全員が成長できた試合だったと思います。全員がいい部分を出そうとしたプロセス自体が、今後のキャリアに大事になってくると感じています」と、この遠征で得た価値を噛み締めた。

チームスタッツでも、FG成功数は相手の29本に対し26本と肉薄し、3Pシュート成功数は相手を上回る10本を記録。リバウンドでは37-61と圧倒されたが、ディフェンスのハードワークで相手から15本のターンオーバーを誘発するなど確かな手応えを残している。

全日程を終え、ダミアン・コッターHCは「多くの選手が試合を通じて修正・適応できましたし、私が求めていた『フィジカルで戦う姿勢』をチーム全体が見せてくれました。若い選手たちにとって非常に価値のある学びの機会になったと思います」と、見事な立て直しを見せたチームの成長を称賛した。このオーストラリア遠征での一歩一歩が、「NBA選手輩出」という大きな目標へ繋がっていくことを期待したい。






B.LEAGUE UNITEDオーストラリア遠征 概要
日程:2026年8月2日(日) ~ 8月10日(月)
遠征先:オーストラリア・メルボルン
会場:State Basketball Centre / Courtside Melbourne ほか
特設サイト:https://www.bleague.jp/united/2026/

試合情報
《GAME1》
日程:8月6日(木)19:00 TIPOFF(日本時間18:00)
結果:B.LEAGUE UNITED ●60(13-34/20-28/11-20/16-31)113◯ South East Melbourne Phoenix
会場:State Basketball Centre
バスケットLIVE配信URL:https://basketball.mb.softbank.jp/lives/108978

★試合後コメント(リーグ発表)
【B.LEAGUE UNITED #6 中村拓人選手 コメント】
悔しい気持ちが一番強いです。自分を含めターンオーバーが多かったのでそこが相手を勢いづけてしまった要因になったと思います。全部が全部悪かったわけではないので、しっかりといい時間を増やせるようにプレーしていきたいですし、今後またキャプテンとしてもう少しチームを引っ張っていきたいです。
選手スタッフ含め成長するために来ているので、勝ち負けはもちろんあるが、一人一人が終わった後に成長できたと感じられるような残りの時間にしたいと思います。個人的にはもっと競争心をもって対戦相手に対して泥臭くプレーしていきたいです。

《GAME2》
日程:8月9日(日)14:00 TIPOFF(日本時間13:00)
結果:B.LEAGUE UNITED ●68(19-27/24-18/15-14/10-24)83◯ Melbourne United(メルボルン・ユナイテッド)
会場:Courtside Melbourne
バスケットLIVE配信URL:https://basketball.mb.softbank.jp/lives/108979

★試合後コメント(リーグ発表)
【ダミアン・コッター HCコメント】 チームとしてもとても成長し、今回の試合結果にとても満足しています。多くの選手が試合を通じて修正・適応できたと思いますし、このプロジェクトの目的はまさにそこにあります。異なる環境や、異なるプレースタイルを経験すること。その意味で、とても成功した1週間だったと思います。
 多くの選手が初戦から今日の試合にかけて本当に成長しました。今日は瑛太(#12 若野)が非常に良いプレーを見せてくれましたし、この1週間を通しても素晴らしいパフォーマンスでした。ガク(#11 新井)もとても良かったです。そして何より、私が選手たちに求めていた「フィジカルで戦う姿勢」をチーム全体が見せてくれました。全員が素晴らしかったと思いますし、そのフィジカルさが相手を苦しめる要因になったと思います。良い試合でしたし、それ以上に、この若い選手たちにとって非常に価値のある学びの機会になったと思います。

【B.LEAGUE UNITED #6 中村拓人選手 コメント】
 フィジカルに戦うという意味では前回よりも確実に全員が成長できた試合だったと思う。試合の終盤で点差離れてしまったが、前半から積極的にオフェンスもディフェンスもプレーすることができた。この1週間、UNITEDでやってきたことが全員出せたと思う。
 短い期間で試合をすることは難しいことだが、全員がいい部分を出そうとしたプロセス自体がこれから先のキャリアに大事になってくると感じる。勝ち負けよりもそういったところに取り組む姿勢がそれぞれのクラブで生きていくといいなと思う。僕自身も日本で(UNITEDメンバーと)対戦するのを楽しみにしているし、この経験を生かして日本でも一生懸命取り組みたい。

【B.LEAGUE UNITED #11新井楽人 選手 コメント】
 今回の試合を通して、自分の強みであるドライブとボールマンのディフェンスのところは身長が大きい相手に対してもある程度通用したように思う。一方ドライブした後のキックアウトのパス精度が悪かったところが課題と思っているので、ドライブした時の判断やパスの正確性を高めていきたい。UNITEDではハンドラーの役割が多く、普段よりも学びが多かった。来シーズンのB.LEAGUEでもハンドラーとしての役割を担えるよう今回見つかった課題を改善していきたい。

B.LEAGUE UNITED 参加メンバー
※所属クラブはりそなグループB.LEAGUE 2026-27 SEASONの所属先。
※年齢は2026年8月4日時点。

#2 伊久江 ロイ 英輝 (川崎ブレイブサンダース / PF / 201cm / 21歳)
#6 中村 拓人 ★ (群馬クレインサンダーズ / PG / 184cm / 25歳)
#7 西部 秀馬 (京都ハンナリーズ / SG・SF / 189cm / 23歳)
#11 新井 楽人 (横浜ビー・コルセアーズ / SG / 190cm / 22歳)
#12 若野 瑛太 (名古屋ダイヤモンドドルフィンズ / SG / 186cm / 19歳)
#13 岡田 大河 (― / PG / 174cm / 22歳)
#14 湧川 颯斗 (三遠ネオフェニックス / SG / 197cm / 22歳)
#28 長谷川 比源 (横浜エクセレンス / PF / 202cm / 21歳)
#32 田中 流嘉州 (長崎ヴェルカ / SF・PF / 194cm / 22歳)
#42 渡邉 伶音 (アルティーリ千葉 / PF / 206cm / 20歳)
★=キャプテン



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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