月刊バスケットボール9月号

女子日本代表がメディアデーを実施、ゲインズHCが求めるのは「スタンダードの徹底」

「ペース&スペース」の追求と、譲れないスタンダード


9月、ドイツ・ベルリンにて開幕する「FIBA 女子バワールドカップ2026」。悲願のメダル獲得を目指す女子日本代表が、味の素ナショナルトレーニングセンターで第4次強化合宿を行っている。8月2日、メディアデーが行われ、コーリー・ゲインズHCをはじめとするメンバーが、本大会に向けた意気込みや現在のチーム状況を語った。

ゲインズHCが今回の合宿のテーマに掲げたのは、「ペース&スペース」と「トランジション・オフェンス」。「前回の合宿ではディフェンスをアイデンティティにしていくことと、ハーフコートのオフェンスの遂行力を高めることがテーマでした。その遂行力を高める中でペースが落ちた部分もあったので、速いバスケを取り戻すこと、トランジション・オフェンスを強くすることが今回のテーマです」と、指揮官は日本の武器であるスピードの再認識を促している。

ワールドカップ開幕まで約1か月半。具体的な数値目標について問われたゲインズHCは、数字ではなくチームの根幹となる“スタンダード”の徹底を強調した。
「40分間全力で全員がハードプレーすること。40分間ペース&スペースを継続すること。シュートを打ったら必ずボックスアウトすること。これはゲームプランでもハーフタイムでも言わなくていい共通認識であり、絶対に守らなければなりません。守らない選手は12人には入れない。これが我々のスタンダードです」

女子日本代表は8月13日から「三井不動産カップ2026 (東京大会)」で韓国と対戦する。この連戦は本番前最後となるテストの場であると同時に、本大会に向けたロスター選考の重要な判断材料となる。現在WNBAでプレーする山本麻衣(エーシズ)はヨーロッパでの合流が予定されており、指揮官が求めるスタンダードをコート上で体現できるかどうかが生き残りの鍵となりそうだ。なお、本大会に出場する12名の最終メンバーは、この韓国戦のあとにFIBAの登録締め切りに合わせて発表される予定だ。





世界に挑む若き才能。田中こころと後藤音羽の決意


日本を引っ張ってきた頼もしいベテランがいる中、注目されるのが若手の台頭だ。すでに代表の顔になりつつある20歳の田中こころ(ENEOS)は、ワールドカップについて「おそらく緊張はしないと思います。自分の持ち味であるペイントアタック、ドライブをすること、リングに向かう姿勢を出し続けてアピールしたいです」と、力強く意気込みを語る。海外勢とのフィジカルの差について、2月の大会で痛感したという田中。「当てるタイミングが良ければ、どんなに大きい相手でも絶対にフラつくと思います。フィニッシュよりも当てるタイミングを意識してやっていきたいです」と、技術と判断力で世界の壁を突破する覚悟を見せた。



そして、チーム最年少の19歳で招集された後藤音羽(東京医療保健大)も、「コートに入ったら年齢は関係ないので、積極的にプレーしようと思っています」と、物怖じする様子はない。自身の強みであるペイントアタックをさらに生かすべく、現在ツーハンドシュートからワンハンドシュートへの改造という大きなチャレンジにも取り組んでいる。
「ワンハンドの方がペイント内でのプレーの幅が大きいと思ったので変えました。リングに正対しなくても打てるなど、プレーのバリエーションがたくさんあります」と向上心をのぞかせる。



若き才能たちが、絶対的スタンダードを求めるゲインズHCの期待にどう応え、世界を相手にどのようなプレーを見せるのかも注目ポイントになるはずだ。





■2026年度バスケットボール女子日本代表チーム
 「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」第4次強化合宿 /「三井不動産カップ2026 (東京大会)」 メンバー表

【スタッフ】
チームダイレクター: 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ: コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ: 伊藤 恭子(公益財団法人日本バスケットボール協会)
プレーヤーディベロップメントコーチ: ブライアン・フィンリー(東京サンロッカーズ)
アナライジングスタッフ: 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
通訳: 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 栗若 伸一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(ー)
アスレティックトレーナー: 宮口 佳子(S-Life はりきゅう院)
アスレティックトレーナー: 千葉 奈々(横浜市スポーツ医科学センター)
アスレティックトレーナー: 幕田 かん奈(東京サンロッカーズ)
チームマネージャー: 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
チーム広報: 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントチーム広報: 荒井 愛海(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【サポートコーチ・スタッフ】※第4次強化合宿のみ参加
サポートコーチ: 後藤 祥太(富士通 レッドウェーブ)
サポートコーチ: ジャレン・スキート(ENEOSサンフラワーズ)

【選手】14名
髙田 真希(C / 185cm / 36歳 / デンソー アイリス)
渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 35歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
町田 瑠唯(PG / 162cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
宮澤 夕貴(PF / 183cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
林 咲希(SG / 173cm / 31歳 / 富士通 レッドウェーブ)
馬瓜 ステファニー(PF / 182cm / 27歳 / Meins Avenida)
今野 紀花(SG / 179cm / 26歳 / ENEOSサンフラワーズ)
星 杏璃(SG / 171cm / 26歳 / ENEOSサンフラワーズ)
東藤 なな子(SG / 175cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
朝比奈 あずさ(C / 185cm / 22歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
薮 未奈海(SF / 178cm / 21歳 / デンソー アイリス)
都野 七海(PG / 159cm / 21歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
後藤 音羽(SF / 178cm / 19歳 / 東京医療保健大学2年)

※平均(Average):176.9cm、26.8歳
※年齢・所属は2026年7月27日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター

▼2026年度バスケットボール女子日本代表チーム「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026」第4次強化合宿/「三井不動産カップ2026 (東京大会) メンバー表:
https://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/WNT_FIBAWWC2026_4rdCampMember.pdf

 
■三井不動産カップ2026(東京大会) バスケットボール女子日本代表国際試合 大会概要
【大会名】三井不動産カップ2026(東京大会) バスケットボール女子日本代表国際試合
【大会日程】
 GAME1: 2026年8月13日 (木) TIPOFF 19:00(予定)
 GAME2: 2026年8月14日 (金) TIPOFF 19:00(予定)
【試合会場】有明アリーナ (〒135-0063 東京都江東区有明1丁目11-1)
【対戦カード】 女子日本代表チーム vs 女子韓国代表チーム
【チケット】 絶賛発売中
https://jba-ticket.jp/s/jbat/page/ticket_top?ima=1411&game=women_20260813814

 
■FIBA女子バスケットボールワールドカップ2026 大会概要
【大会名】FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026
【英語表記】FIBA Women’s Basketball World Cup 2026
【大会期間】2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】ドイツ・ベルリン
【試合会場】ベルリンアリーナ、マックス・シュメリング・ハレ
【大会方式】
 ・4チーム×4グループによる予選グループフェーズを行い、上位1位が準々決勝進出。
 ・グループAとグループB、グループCとグループDの隣り合うグループの2位vs3位で争う準々決勝進出決定戦の勝者がファイナルフェーズ(決勝トーナメント)へ進出。
【大会公式サイト】https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-womens-basketball-world-cup-2026

組み合わせ (16か国) ※FIBAランキング:2026年4月1日時点
【グループ A】日本(10位)、スペイン(6位)、ドイツ(11位)、マリ(18位)
【グループ B】ハンガリー(19位)、韓国(15位)、ナイジェリア(8位)、フランス(2位)
【グループ C】ベルギー(5位)、オーストラリア(3位)、プエルトリコ(13位)、トルコ(16位)
【グループ D】アメリカ(1位)、チェコ共和国(17位)、イタリア(14位)、中国(4位)

試合スケジュール ※予選の日本戦のみ
2026年9月4日(金) 18:30 vs マリ (会場:ベルリンアリーナ)
2026年9月5日(土) 25:00 vs ドイツ (会場:マックス・シュメリング・ハレ)
2026年9月7日(月) 24:50 vs スペイン (会場:マックス・シュメリング・ハレ)

▼日本の過去成績(2010年から4大会連続出場・通算14回出場)
・前回大会(2022年)9位
・過去最高位(1975年)準優勝
※翌1979年大会の6位以降、決勝トーナメント(ベスト8)進出なし







文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

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