「日本でも開催したい」NBA Japan渡邉代表が大会招致に意欲【NBA Rising Stars Invitational】

精華女高の優勝で幕を閉じたNBA Rising Stars Invitational。日本開催なるか🄫NBA Rising Stars Invitational
「熱量や大会のレベルが上がっている」
シンガポールで行われたNBA Rising Stars Invitational(6月23~28日・以下、NBA RSI)の最終日である6月28日、NBA Japanの渡邉和史代表が取材に応じ、アジア・太平洋の高校ナンバーワンを決めるこの大会について、「日本でも開催したい」と大会招致に意欲を見せた。また、渡邉氏は優勝した精華女高、準優勝だった鳥取城北高について、「チームワークはピカイチ」と称賛した。(聞き手・磯野雄太郎)
八村塁(中央)と共に試合を観戦する渡邉和史代表(右)🄫NBA Rising Stars Invitational
――今回で2回目の開催となったNBA RSIの開催の目的、意義を教えてください。
今、アジア全体では10代のバスケットボール選手が 7000万人いると、統計で把握しています。その中で、各々の国の大会はあったものの、それを一つにつなげる大会がなかったなというところに我々は着目しました。
(NBAやGリーグで)河村勇輝選手や八村塁選手が頑張っている、その他、フィリピンの選手も頑張っていることから、今まで雲の上の存在だったNBAをもっともっと身近にできればということで、U18(18歳以下)の大会をあえて高校にしぼって展開しようということで、今回の大会が生まれました。
前回との一番大きな違いでいうと、昨年度は初めてということもあったので、フィリピンを除くほとんどが推薦出場でしたが、今年から多くの地域で予選会が行われることになりました。日本を筆頭に台湾、オーストラリアで予選会が行われ、日本はウインターカップベスト8のチームが予選会に出場したのですが、予選会を行ったことで大会全体のレベルが非常に高まったのではないかと思っています。
やはり、「予選を勝ち抜いてきた」というチーム内の自負もありますし、国を代表して戦っているんだという気持ちも選手からすごく伝わってくるので、昨年と比較すれば、熱量や大会自体のレベルが上がったと強く思います。
――昨年は女子の京都精華学園高が優勝しました。日本の代表チームが優勝したことも含めて、前回の反響はいかがでしたか?
京都精華学園さんが優勝したことによって、「RSIってすごい大会なんだね」と、日本のバスケットボール選手に気付きを与えたのではないかなと思っています。
今回、予選会をやることによって、高校生が目指す場所がまたさらにできたのではないかなと思っているので、バスケットボールに携わる高校生全員が、「いつかはRSIに出たい」という大きな目標として捉えていただけるとありがたいなと思っています。
――大会も残すところ決勝のみとなり、今回、日本の代表として出場している鳥取城北高と精華女高が共に決勝に残っています。2校の印象はいかがですか?
非常にチームとしてまとまっていますし、チームワークがいいなと思います。倒れた対戦相手を起こすなど、お互いを助け合うというのは他のチームにない部分がありますね。チームワークは今回の参加校の中でもピカイチなのではと思います。
(日本勢は)今回も当然、体格差がかなりあると思います。鳥取城北さんは、準決勝の清華大附中(中国)戦で、相手の方がサイズは大きかったものの、組織力、チームワークで勝ち抜いた(71-69で勝利)のだと思います。
(誰かが)ミスしてもお互いを助け合うなどというところは見ていても美しかったですし、精華女子さんも結束力があるので、「個ではなくて組織でいける」というところをアジアのバスケットボールファンに見せられるといいなと思います。

「スポーツマンシップ賞」を受賞した精華女高のブバ・アイシャ・エジネ㊷。負傷した相手選手をベンチまで送り届けた🄫NBA Rising Stars Invitational
――先ほど日本の代表チームについて伺いましたが、アジアの高校バスケのレベルは渡邉様にはどのように映っていますか?
非常にレベルが高いなと思っていますし、どんどんレベルが上がっていると思います。 (ディラン・ハーパーやジョーダン・クラークソンなど)多くのフィリピン系の選手がNBAで活躍していることもアジアの選手に良い刺激を与えているのではないでしょうか。
日本においての功労者は八村選手と河村選手ですよね。2人にはリスペクトしかないですね。
――今回の大会は高校生たちにとって、バスケで優勝を決めるだけではなくて、シンガポールやアジアの文化に触れる機会にもなります。高校生たちにはどのようなことを学んで、日本に持ち帰ってほしいですか?
そうですね。高校生がシンガポールに来てから見ていますけど、一人一人の表情がすごくたくましくなったというか、こう言うとすごくおこがましく聞こえるかもしれないですが、ちょっと国際的な顔つきになったなと思います。
どういうことかというと、選手たちがコート上で堂々としていたり、異国の選手をちゃんと起こしてあげたりなどの行動です。試合前、試合後のアクションも含めて、「みんな友達だね」というような感覚が試合をするごとに顕著に表れているなと思います。
6月22日のウェルカムレセプションにおいても、最初はみんなよそよそしかった部分があり、当然緊張していましたが、徐々に殻を破って、全員がバスケを通じて友達になっていましたね。
海外での学びは、彼女・彼らにとって非常に大きな成長につながっていると思います。
――大会の今後の展望についてお聞かせください。
はい。来年もシンガポール開催が予定されていますが、再来年以降の開催地はまだ白紙です。できることなら、日本でもこの大会を開催できればという野望があります。
(再来年の)開催地がまだ白紙ではあるものの、ヨーロッパ、アフリカ、中近東からもぜひ参加したいというように手が挙がっています。なので、アジアのみならず、世界に広げられる可能性はあると思っているので、もっと拡大していくべく、NBA内でも議論していきたいなと思っています。
――今大会を見ていると、鳥取城北高がシンガポールですごく人気です。少し大きい話になるかもしれませんが、彼らのプレーを見て、シンガポールの高校生たちが日本の高校やBリーグでプレーしたいといった機会になりそうだなということは思い描いていらっしゃいますか?
そうですね。一つのきっかけになると嬉しいですね。逆に、鳥取城北の選手たちからしても、他国の選手と対峙して、「自分もそこでプレーしてみたいな」とか、はたまたそこを経て「アメリカに行きたいな」など、そういう気づきを持ってもらえればいいなと思います。

フィリモン・ホムタワ・タルモンなど、鳥取城北高はシンガポールで絶大な人気だった🄫NBA Rising Stars Invitational
――最後に、日本を含めたアジアでさらにNBAを盛り上げるために、どのようにしていきたいか、ビジョンをお聞かせください。
いろいろな側面がありますが、日本人、もしくはアジアの選手がNBAのコートを踏むこと。やはり、それによってその国の人たちが応援してくれます。日本においても、やはり八村選手、河村選手の活躍が報道で出てくると、日本人としても誇りに思います。そうすると、NBAを目指したくなる。このサイクルをいかにうまく回していけるかが、次世代の選手を育んでいく点で大事になってくるかなと思います。
ただ、NBA単体ではできないので、(NBA選手を5人輩出するという目標を掲げて)戦略的パートナーシップを組んでいるBリーグさんとも協力しながら、NBA選手を輩出する動きをもっと積極的にやっていきたいと思いますね。
――日本国内でのさらなる盛り上がりに期待しています。ありがとうございました!
ありがとうございました。
文/磯野雄太郎(月刊バスケットボール)









