月刊バスケットボール8月号

男子・東山と女子・京都精華学園がライバルにリベンジV【高校バスケ 近畿ブロック大会】

6月26から28日にかけて、大阪府にて「第73回 近畿高等学校バスケットボール大会」が開催され、男子・東山、女子・京都精華学園が優勝を飾った。会場のAsueアリーナ大阪(大阪市中央体育館)は、今年7月末に幕を開けるインターハイのメイン会場。そのため、大会スタッフはインターハイ本番のデモンストレーションも兼ねた会場設営やレギュレーションの確認、運営をする機会ともなった。

京都精華の猛追を振り切り
東山がIH予選の雪辱晴らす

男子決勝に駒を進めたのは、京都府の東山と京都精華学園。東山は2年生スコアラーの佐藤久遠を「FIBA U17ワールドカップ」出場のために欠きながらも、2回戦から準決勝まで順に関西大第一、大阪学院大、高野山を2桁点差で撃破した。

対する京都精華は3回戦で阪南大相手に大苦戦。2桁リードを奪ったところから4Qには一時リードを許す時間帯もあったが、終盤の3P攻勢で再逆転。準決勝では大阪府1位の箕面学園を破って決勝に駒を進めた。

ライバル対決を先行したのは東山。エース中村颯斗や新留学生ゼンザ・クレドを起点にスコアを伸ばすと、1年生の中川宗之助が思い切りの良いドライブで敵陣を切り裂くなど、3年生と新戦力が見事に調和し、28-18の快調なスタートを切った。その後も3年生の鈴木勇功や新井伸之助も確率良くシュートを決め、4Q残り7分で19点リードを築いた。

しかし、そこから京都精華がディフェンスでリズムをつかんで連続で速攻を成功。対して東山は淡白なアウトサイドシュートが増え、さらに京都精華のイージー得点が増えていった。みるみる点差は縮まり、京都精華オチレベ・アレクサンダーが速攻から豪快なスラムダンクをたたき込み、ついに5点差。さらに残り35.8秒にはキックアウトパスを受けた木下梁が左コーナーから3Pを射抜いて89-89の同点とした。


京都精華学園 #1 木下梁(左)、東山 #4 鈴木勇功(右)

それでも、東山は続くポゼッションで鈴木のパスから中村がタップシュートを成功し再度前に出ると、京都精華最後のオフェンスはトップでボールを受けたアレクサンダーが3Pを放つも決まらず。本来は彼へのアリウープのセットプレーだったが、土壇場の判断ミスが勝敗を左右する結果となった。

最終スコア91-89で、東山が京都府予選決勝のリベンジを果たしての優勝となった。この近畿大会で優勝し、自信を取り戻して冬への準備を進めることが必要だった東山にとっては、優勝という「結果」が出たことは大きかったに違いない。


東山 #5 中村颯斗

エース中村は府予選ではリーダーシップやゲームメイクを意識するあまり、「自分の一番の良さを忘れてしまったところがあった」と振り返り、敗戦後は大澤徹也コーチともコミュニケーションを取って自らの持ち味を取り戻した。「難しく考え過ぎていたんじゃないかと大澤先生に言われました。だから、本当にシンプルに、シュートが得意なんだから、どんどん打つことが一番だと。インターハイ予選では自分がパスばかりになってしまって、それでターンオーバーを連発してああいう負け方をしてしまったので、この大会は自分の一番の武器のシュートを積極的に狙っていこうというマインドでした」。決勝では25得点、3Pは5/18(27.7%)と確率は振るわなかったが、現段階では迷いなく打ち続ける中村らしさが戻ったことを評価していいだろう。

一方の京都精華は試合途中で正PGの山﨑燦吾が負傷するアクシデントに見舞われたものの、4Qの見事なカムバックは地力の高さを感じさせた。


京都精華学園 #23 オチレベ・アレクサンダー


東山 #11 中川宗之助

我慢比べを抜け出した
京都精華が新人戦の借りを返す

女子決勝は京都精華学園と大阪薫英女学院の対戦。互いに全国制覇を経験するなど、近年の高校女子バスケ界をけん引するライバル対決だ。

序盤から互角の戦いが続き、1Qは17-17。しかし、2Qに入ると大阪薫英の2年生ガード大槻佳子がステップサイドから3Pを決めて前に出ると、3年生の松本璃音と細澤幸生も3Pで続いてジワジワとリードを拡大。一時2桁の差が付いたが、ここで存在感を示したのが京都精華学園のオディア・カウェル・リッツ。


京都精華学園 #18 オディア・カウェル・リッツ


大阪薫英女学院 #7 大槻佳子

大阪薫英のダブルチーム、トリプルチームを受けながらも難しいシュートをねじ込んで食らい付き、結果的に前半を32-34の2点ビハインドにとどめた。リッツの奮闘に触発されたチームはディフェンスでも満生小珀、石井日菜、速水純里、高山留里那らが相手のアウトサイド陣を粘り強くマークし、得点を許さなかった。

48-47で迎えた4Qは、スタメンの出場時間が長くなった大阪薫英の足が止まり、逆に京都精華は引き続きガード陣が激しくプレッシャーをかけてスコアさせず。攻めては満生、リッツを中心にジリジリと引き離すと、最後は65-57で試合終了のブザーが鳴った。

京都精華は満生とリッツがそれぞれ18得点でオフェンスをけん引。ディフェンス面でも大阪薫英の3Pを6/29(20.7%)、2Pを18/48(37.5%)に封じて粘り勝ち。見事に近畿新人決勝のリベンジを果たした。


京都精華学園 #4 満生小珀

京都精華はエースガードの吉田ひかりをケガで欠く中、満生や石井をはじめ残されたメンバーがそれぞれステップアップ。山本綱義コーチは「今年はとにかくローテーションを10人育てようとしてきましたが、10人ではなく12人が育ってきました」と選手の成長を実感。吉田離脱後はチームに不安もよぎったが、この優勝を大きな自信とした。

「吉田という大きな柱がケガをして、子どもたちは自分たちがやらなけれは精華はこれから転げ落ちると感じたと思うんです。そこらがだんだんとチームが固まってきて、うまく人間関係が構築されつつあるかなと思います。それが今回の勝ちの一番の要因」と、山本コーチもチームの成長に目を細めた。

吉田不在の中でキャプテンナンバーの「4」を背負った満生も「薫英さんには近畿新人で負けていたので、今回は絶対に勝とうという気持ちでやって勝ってたので、そこはチームの自信になりました」と安堵の表情。

京都精華らしい粘りのディフェンスからリズムをつかんでのライバル撃破は、インターハイに向けて大きく弾みを付ける価値あるものになったに違いない。

試合結果一覧



【男子】

優勝 東山(京都府)
準優勝 京都精華学園(京都府)
第3位 高野山(和歌山県)/箕面学園(大阪府)

決勝
東山 91-89 京都精華学園

準決勝
京都精華学園 84-72 箕面学園
東山 80-66 高野山

3回戦
東山 108-700 大阪学院大
高野山 90-73 光泉カトリック
京都精華学園 76-61 阪南大
箕面学園 68-63 報徳学園
 
2回戦
箕面学園 87-56 初芝橋本
京都精華学園 124-69 関西学院
阪南大 72-58 立命館守山
報徳学園 64-59 関西大北陽
高野山 71-56 彩星工科
東山 112-75 関西大第一
光泉カトリック 70-61 洛南
大阪学院大 82-65 育英

1回戦
箕面学園 87-44 福知山成美
阪南大 89-57 天理
関西学院 67-61 大塚
初芝橋本 75-70 滝川
立命館守山 73-68 三田松聖
関西大北陽 74-51 比叡山
洛南 77-60 近畿大附
光泉カトリック 101-43 奈良商
大阪学院大 111-66 和歌山南陵
彩星工科 75-65 興國
関西大第一 99-51 甲南
育英 82-65 奈良育英




【女子】

優勝 京都精華学園(京都府)
準優勝 大阪薫英女学院(大阪府)
第3位 大阪桐蔭(大阪府)/京都両洋(京都府)

決勝
京都精華学園 65-57 大阪薫英女学院

準決勝
大阪薫英女学院 73-49 京都両洋
京都精華学園 70-50 大阪桐蔭

3回戦
大阪桐蔭 81-68 和歌山信愛
大阪薫英女学院 100-68 福知山成美
京都両洋 82-51 三田松聖
京都精華学園 94-44 好文学園女

2回戦
三田松聖 82-76 樟蔭
大阪薫英女学院 124-19 神港学園
福知山成美 62-51 関西大第一
京都両洋 92-45 神戸龍谷
和歌山信愛 80-49 大塚
京都精華学園 110-37 草津東
好文学園女 95-61 園田学園
大阪桐蔭 57-56 奈良文化

1回戦
神港学園 72-54 滋賀短附
三田松聖 94-61 星林
樟蔭 77-74 近江兄弟社
神戸龍谷 49-41大阪体大浪商
関西大第一 64-46 彩星工科
大塚 70-61 百合学院
福知山成美 100-58 奈良女
園田学園 75-47 桐蔭
好文学園女 84-59 天理
奈良文化 74-41 日ノ本学園
草津東 62-28 賢明学院
大阪桐蔭 94-32 京都翔英



文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)

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