月刊バスケットボール7月号

開志国際が2年ぶり6度目V、女子は福井工大附福井が初優勝を飾る[北信越ブロック大会]

【男子】開志国際が1度もリードを譲らず、粘る北陸を下す


前年準優勝の開志国際(新潟)は県予選決勝でライバル帝京長岡を下し、県1位として大会入り。1回戦の富山商(富山3位)戦を100-57で快勝すると、準々決勝の福井商(福井2位)戦では1Qで30失点を喫しながらも50点を奪い、132-102というハイスコアゲームを制した。準決勝の東海大付諏訪(長野1位)戦では前日のディフェンスの反省を生かし100-67。3試合連続の100点ゲームで決勝に駒を進めた。
一方、北陸(福井1位)も新潟工(新潟4位)に92-74、金沢市工(石川3位)に115-52とオフェンス力を見せると、準決勝では難敵の北陸学院(石川1位)に対して、最後に流れを呼び込んで70-61で勝利し、決勝の舞台にたどり着いた。



開志国際が2年ぶり6度目の優勝を果たすのか、北陸が14年ぶり23度目の頂点に立つのか。両校の応援がこだまする中、ティップオフを迎えた。
先に得点したのは開志国際。アメリカ留学から戻ってきた3年生#12恒岡ケイマンがトップでボールを持つと、#5髙橋歩路が左ショートコーナーからジャンパーを沈めた。すかさず北陸は#1岩門和樹がトップから3Pシュートを射抜き、#1岩門のスティールから#8高島蓮和がレイアップを成功。得点の取り合いを予感させる立ち上がりとなったが、ここから開志国際が6分半で20-9というランを作る。エース#5髙橋の3ポイントプレー、キャプテン#4池田楓真のバンクショット、2年生となり頼もしさを増した#12アジャック・アロング・アジャック・アロングのアリウープ、そして#12恒岡のフリースロー。北陸も#3大釜一順、#30島田弥秋の連続3Pシュートで応戦したが、開志国際が31-23として1Qを終えた。



3Pシュートという武器を持つ北陸は2Q開始直後、#8高島が自ら放ったシュートのリバウンドを奪ってクォーター初得点。すると#17緑川晴斗、#1岩門、#30島田が次々と3Pシュートを決め、開始4分足らずで2点差まで詰め寄った。流れが傾きかけた開志国際だったが、#12恒岡がインサイドにアタックし、#5髙橋も3Pシュートを成功し、突き放した。2Qは26-22と北陸が上回ったものの、53-50と開志国際のリードでハーフタイムを迎える。



3Q、先に点差を広げた開志国際に北陸も速い展開から取り返し、残り4分半で再び4点差に。しかし、ここで勝負の分かれ目が訪れた。富樫英樹コーチは今大会で良いプレーを見せていた1年生ガード村井衛を起用。昨年、金沢学院大附中で全中優勝を果たしているガードについて、富樫コーチは「前半を見てると中がごちゃごちゃしていた。ボールの動きが悪いなと思って、スリーガードで行こうかなと思っていました。この組み合わせはほぼやっていないんです。ぶっつけ本番」と試合後に明かしている。

村井の投入によってコート上の交通整理が進み、#4池田が得点力を発揮。12-4のランを作って76-64で最終クォーターへ。村井はこのクォーター、大事な場面で3Pシュートも沈めてみせた。

「勝負度胸はあると分かっていました。全国大会で優勝している経験があるのかな。練習を見ていても、ハーフコートでも動じない。Aチームに上げたばかりだったが、よくやっくれました」と富樫コーチ。北信越の大舞台で大きな収穫を手にした。



エースの#5髙橋も1年生への気配りを忘れない。「どんな状況であれ、自分のタイミングでパスが来たらシュートを打っていいと言いました。あまりプレッシャーを感じ過ぎず、楽しんでやってと。その結果、大事な場面でスリーを1本決めてくれた。少しでも背中を押せたかなと思います」と語っている。

4Q、北陸は#1岩門を中心に速いオフェンスを展開。#17緑川、#3大釜の3Pシュート、#26ファイ・ベンジャミンのプットバックなどで30得点を奪ったが、開志国際も#4池田、#13イヘツ グットラックチネドゥ、そして#5髙橋の3Pシュートで29得点を返し、最後まで北陸を突き放した。最終スコアは105-94。開志国際が2年ぶり6度目の優勝を飾った。

この日、#5髙橋は3Pシュート6本を成功。「後半は"自分にボールをくれ"ぐらいの気持ちだった。自分がやらなきゃいけないのは分かっている。エースの自覚は少しずつ芽生えてきました」。
キャプテンの#4池田もまた、3年生としての自覚を口にした。「日本を代表するポイントガードである富樫勇樹選手や河村勇輝選手が、背中でチームを鼓舞しているように見えます。自分もそうありたいと思っています」。去年は結果を出せなかったと振り返る池田は「自分たちが一番今、結果が欲しい。結果を求めて練習でやっていかなければなりません」とインターハイへ視線を向けた。





【女子】福井工大附福井が創部3年目にして初優勝


女子は決勝は福井工大附福井(福井1位)と新潟産大附(新潟1位)が激突した。
創部3年目にして初の北信越決勝に進んだ福井工大附福井。昨年のウインターカップでは3回戦でインターハイ女王の桜花学園(愛知)と大接戦を演じたことを記憶している人も多いだろう。エース#4小池昌鈴が春にコンディション不良の時期があったが、復帰し「万全」(林慎一郎コーチ)の状態で大会に臨んだ。対する新潟産大附は#18オラミデ・デボラ・ジェンファをインサイドの軸に据え、ガード#5梅村真彩ら得点力あるバックコート陣がそろうチームである。

立ち上がりは点の取り合いとなった。新潟産大附は#18ジェンファがゴール下で存在感を発揮し、#5梅村のアシストで#8木澤真穂がジャンパーを成功。福井工大附福井は#19ジャロ・マリアマ、#18板橋香苗がペイントエリアから加点し、#5田原莉桜のジャンパーも決まる。開始2分で新潟産大附の8-7となった。しかし、ここから福井工大附福井のボールマンプレッシャーが効き始める。苦しい体勢でのシュートが増えた新潟産大附が得点を伸ばせない間に、#4小池、#19マリアマが連続得点。残り5分余りで19-8と2桁差を作り1Qを終えた。



ゾーンディフェンスに手応えをつかんでいた新潟産大附は2Q開始直後、#18ジェンファが左ウイングで3Pシュートを射抜くと、#6山川心美、1年生の#16原田陽花ジーンナットも3Pシュートを決めて点差を詰めた。
しかし福井工大附福井は慌てない。#4小池がドライブでディフェンスを引き付けると、1年生の#12森田詩叶が3Pシュート、レイアップと立て続けに得点。その後は一進一退の攻防となり、福井工大附福井が12点のリードを保ってハーフタイムを迎えた。



後半、新潟産大附は#18ジェンファがインサイドで粘りを見せ、#4泉水葵衣、#7須藤花音、#8木澤の3Pシュートで加点。ゾーンディフェンスが機能する時間帯もあった。だが、福井工大附福井は強烈なボールマンプレッシャーをかけ続けて主導権を渡さない。4Qではエース#4小池が本領を発揮する得点力を見せ、98-83でチーム初優勝を飾った。



林コーチは自らが掲げるバスケスタイルを明快に語った。「80-60のゲームをやりたいと思っています。男子みたいなバスケットですね」。ペースを上げ、相手がついてこられなくなるほどの展開力で勝負する。求める理想を決勝の舞台でも披露した。
失点が70点台に達したことには「修正すべきところ」としつつも、「まず獲るという目標が獲れてホッとしています」と安堵をのぞかせた。そしてインターハイに向けては「積み重ねしかない。プロセスを大事にしよう」と地に足の付いた姿勢を崩さなかった。

そして要所で得点を挙げたキャプテンでエースの#4小池は「自分は他の人よりディフェンスができるわけでもなく、サイズがあるわけでもありません。自分が貢献できるのは点数を獲ること。そこは自分の仕事として全うできたと思います」と振り返った。キャプテンの目に一番良く映ったのは、1年生の#12森田。「すごくアタックしてくれて、決めるべきシュートも決めてくれた。チームに入ってまだ間もないのに、チームのプレーをしっかり覚えて貢献してくれた」とたたえた。



敗れた新潟産大附の佐藤裕之コーチは「ハイスコアなバスケットをするとやはり(福井)工大さんに分があります。ゆっくりしたオフェンスの中できちっとしたバスケットをやりたかったが、それを上回られました」と脱帽。課題にはリバウンドを挙げた。

チームを引っ張ったガード#5梅村真彩は「ブレイクが早いチームだと対策していましたが、予想以上に早くて慣れるのに時間がかかってしまいました」と振り返る。一方で、「留学生を中心にしたバスケに加え、去年に比べて日本人がもっと点が獲れるようになってきた」とチームの成長に触れると、インターハイでは「全国ベスト4を目標にしています」と力を込めた。





[大会結果]
●男子
優勝/開志国際(新潟1位)※2年ぶり6度目
準優勝/北陸(福井1位)
3位/北陸学院(石川1位)
4位/東海大付諏訪(長野1位)

・決勝
開志国際 105-94 北陸

・3位決定戦
北陸学院 100-71 東海大付諏訪

・準決勝
開志国際 100-67 東海大付諏訪
北陸 70-61 北陸学院

・準々決勝
開志国際 132-102 福井商(福井2位)
東海大付諏訪 85-45 高岡一(富山1位)
北陸学院 71-54 帝京長岡(新潟2位)
北陸 115-52 金沢市工(石川3位)

・1回戦
開志国際 100-57 富山商(富山3位)
福井商 90-89 金沢学院大附(石川2位)
高岡一 59-56 藤島(福井3位)
東海大付諏訪 90-71 新潟商(新潟3位)
北陸学院 116-55 松商学園(長野3位)
帝京長岡 96-40 富山一(富山2位)
金沢市工 67-52 長野吉田(長野2位)
北陸 92-74 新潟工(新潟4位)

●女子
優勝/福井工大附福井(福井1位)※初
準優勝/新潟産大附(新潟1位)
3位/足羽(福井2位)
4位/新潟中央(新潟3位)

・決勝
福井工大附福井 98-83 新潟産大附

・3位決定戦
足羽 72-43 新潟中央

・準決勝
福井工大附福井 95-60 新潟中央
新潟産大附 79-61 足羽

・準々決勝
福井工大附福井 86-76 開志国際(新潟2位)
新潟中央 64-45 東海大付諏訪(長野1位)
足羽 77-72 日本航空石川(石川1位)
新潟産大附 77-58 鵬学園(石川3位)

・1回戦
福井工大附福井 126-72 高岡一(富山3位)
開志国際 76-63 津幡(石川2位)
新潟中央 72-52 龍谷富山(富山1位)
東海大付諏訪 70-51 啓新(福井3位)
日本航空石川 90-30 三条東・長岡(新潟4位)
足羽 78-58 松本国際(長野2位)
鵬学園 91-51 富山商(富山2位)
新潟産大附 85-54 佐久長聖(長野3位)





文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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