月刊バスケットボール7月号

日本、チャイニーズ・タイペイに109-76で快勝し本戦切符獲得! 後半でのディフェンスの修正が光る[U18アジアカップ東アジア予選]

越の初スタメンで主導権を握り、後半のディフェンス修正で一気に突き放す


6月2日から7日にかけて、福岡第一高等学校および第一薬科大学内の都築賴助記念体育館で開催されている「FIBA U18アジアカップ2026 東アジア地区予選」。大会5日目を迎えた6月6日、U18男子日本代表は、本戦出場権の獲得に大きく関わるチャイニーズ・タイペイとの一戦に臨んだ。

前日の休息日を経て、日本代表はこれまでの課題をいかに修正できているか。その結果は試合開始早々から表れた。
この重要な一戦において、片峯聡太ヘッドコーチ(HC)は、スタメンの司令塔として#8 越圭司を今大会初めて起用する決断を下した。この采配が、チームに勢いをもたらす一因となる。#15 白谷柱誠ジャックが先制点を挙げると、スターターに抜擢された越がすかさず3Pシュートを沈めてコートを沸かせる。さらに白谷がアウトサイドから3Pシュートを連続してヒットし、11-2とスタートダッシュに成功したのだ。



日本は、その後も白谷のオフェンスを中心に高確率で得点を重ねていく。対するチャイニーズ・タイペイも高精度のシュートタッチで食らいつき、互いに激しく加点し合い、1Qを終えて33-27と超ハイペースな展開となった。続く2Qは、チャイニーズ・タイペイが3Pシュート攻勢で日本に迫り、日本は前半だけで28得点を叩き出した白谷を軸に対抗する。インサイドでは#10 マクミラン アレックスが10得点、2ブロックと攻防に躍動し、53-50と日本がわずかに3点リードして前半を折り返した。






ハーフタイムを終え、日本はディフェンスを修正して後半に臨んだ。3Q開始早々、前半無得点だった#13 本田蕗以と#16 中村文哉が立て続けに3Pシュートを沈めて流れを引き寄せる。特にキャプテンを務める本田は、3Pシュートの後に鋭いドライブを重ねて64-50とリードを2桁に広げた。さらに、前半の課題だったチームディフェンスが機能し始める。前から強度高く当たるトランジションディフェンスを徹底し、相手のオフェンスの芽を摘み取った。#6 久我祐仁の3Pシュートなども決まり、日本は3Qを終え85-63と22点差まで一気に突き放した。最終クォーターもチャイニーズ・タイペイに流れを渡すことなく全員でディフェンスを引き締め続け、最終スコア109-76で大勝。今大会2勝目を飾り、FIBA U18アジアカップ本戦への出場権を獲得した。



大車輪の活躍を見せた白谷と、後半の「スイッチアップ」を勝因に挙げた片峯HC


この日、32得点、9リバウンド、4アシスト、2ブロックと大車輪の活躍を見せた白谷は、「前回の韓国戦では、チームとしても個人としても受け身な状態からスタートしてしまい、相手のオフェンスになかなか食らいつくことができませんでした。そのため今回は、自分たちの強みであるトランジションからのアタックやアグレッシブなディフェンスを意識し、最初から思い切ってシュートを打っていこうと考えていました。その積極的な姿勢によってシュートが入ってくれたのだと思います。早い段階で外からのシュートが決まったことで気持ちが楽になりました。普段のゲームでは外からのシュートがなかなか当たらない展開もありますが、今日は最初の時間帯から外角のシュートが決まってくれたので良かったです」と振り返り、「ハーフタイムに片峯先生から『後半は自分がマークを引きつけてパスを散らせば、周りが生きてくる』とアドバイスをいただいていました。自分がおとりとなり周囲を生かすことで、後半も崩れることなく対応できたと思います」と明かした。





チームを指揮する片峯HCは「後半に相手を引き離せた最大の要因は、やはりディフェンス、特にトランジションディフェンスのところです。ディフェンスに関しては、試合前から強度高くバックコートからディフェンスに入ろうと約束していましたが、前半はそれがなかなかチーム全体に浸透せず、チャイニーズ・タイペイに得点を許してしまいました。ハーフタイムに選手のマインドをもう一度奮起させ、相手のスクリーンプレーに対して思い切ってスイッチアップを仕掛け、ズレのない状態を作って5対5で終わることを選手たちに求めました。それを選手たちが遂行してくれた結果、後半の失点を大幅に減らせました」とディフェンス面の修正ができたことを第一の勝因に挙げた。また、司令塔のスターターに越を起用した理由については、「昨日の休息日にオフェンスシステムを少し変更したため、ポイントガードとしての経験値が豊富な彼を起用しました。その方が、練習してきたことをコート上で確実に遂行してくれると考えたからです。スタッツの数字以上に、コートの中で高い求心力を持ってやってくれました。サイズによるミスマッチのリスクはありますが、それ以上にチームにすばらしいプラスのエネルギーをもたらしてくれました」と合格点を与えた。

そして、最終日の中国戦に向け「アジアカップ本戦への出場が決まったことは最低限のノルマであり、チームとしての安心材料にはなります。しかし、明日の中国戦は間違いなく非常に厳しい戦いになります。付け焼き刃の戦術ではなく、一人ひとりが我慢強く、粘り強い遂行力を高く保ちながら、一丸となって勝ちにいきます。チームとして試したい戦術もありますので、コンディションをしっかりと整え、この予選最後の1試合を全力で戦い抜きたいと思います」と意気込みを口にした。

チャイニーズ・タイペイを相手に109-76で大勝を収め、アジアカップ本戦への切符を手にしたU18日本代表。前半のオフェンスの爆発、後半に見せたディフェンスの修正力は、短い大会期間中であってもチームが確実に進化を遂げていると見ることができそうだ。次戦に控える強豪・中国との一戦は、ワールドカップ出場を目指すU18日本代表にとって、真価が問われる重要なテストマッチとなる。



■2026年度バスケットボール男子U18日本代表チーム
 「FIBA U18アジアカップ2026 東アジア地区予選」 参加メンバー

【スタッフ】
チームリーダー:井手口 孝 (福岡第一高等学校)
ヘッドコーチ:片峯 聡太 (福岡大学附属大濠高等学校)
アシスタントコーチ:冨山 晋司 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ:水越 悠太 (桜丘高等学校)
スキルコーチ:丸田 健司 (KAGO CLUB)
アナライジングスタッフ:渡邊 敬太 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー:高橋 基樹 (専修大学)
アスレティックトレーナー:竹上 綾香 (立教大学) 
チームドクター:村上 友基 (東京大学整形外科) 
チームマネージャー:髙木 歩幸 (公益財団法人日本バスケットボール協会)

【選手】12名
#4 宮里 俊佑(PG / 179cm / 16歳 / 琉球ゴールデンキングス U18)
#5 山元 珠來(C / 199cm / 16歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#6 久我 祐仁(SG / 186cm / 16歳 / 福岡第一高等学校)
#7 櫻井 照大(PG / 180cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#8 越 圭司(PG / 163cm / 17歳 / Concordia Lutheran School of Omaha)
#10 マクミラン アレックス(PF / 198cm / 18歳 / 沖縄県立沖縄水産高等学校)
#11 栗本 富美也(PF / 188cm / 16歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#13 本田 蕗以(SF / 189cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#15 白谷 柱誠ジャック(PF / 194cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#16 中村 文哉(SF / 190cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#17 磯田 陸斗(PF / 197cm / 15歳 / 横浜ビー・コルセアーズ U18)
#18 佐藤 翔真(PG / 186cm / 17歳 / 黒沢尻工業高等学校)

※平均(Average):188.1cm、16.8歳
※所属・年齢:2026年5月27日現在
※ポジション(P):PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター



■大会概要
【大会名】 FIBA U18 アジアカップ2026 東アジア地区予選
【英語表記】FIBA U18 Asia Cup 2026 – EABA Sub-Zone Qualification Tournament
【英語表記略称】FIBA U18 Asia Cup 2026 – EABA Qualifiers
【大会期間】 2026年6月2日 (火) ~ 7日 (日)
【会場】 福岡第一高等学校 第一薬科大学内 都築賴助記念体育館
(所在地:〒815-0037 福岡県福岡市南区玉川町22-1)
【特設サイト】https://fibau18asiacup2026-eabaqualifiers.japanbasketball.jp/
【配信】https://fibau18asiacup2026-eabaqualifiers.japanbasketball.jp/broadcast/
【日本試合予定・結果】
6月3日(水) ○93-45 ホンコン・チャイナ
6月4日(木) ●69-83 韓国
6月6日(土) ○109-76 チャイニーズ・タイペイ
6月7日(日)14:00開始予定 vs.中国

■FIBA U18 アジアカップ2026 本戦概要
【大会名】 FIBA U18 アジアカップ2026
【英語表記】 FIBA U18 Asia Cup 2026
【大会期間】 2026年8月13日 (木) ~ 23日 (日)
【開催地】 インド ・ アーメダバード





写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)、文/飯田康二(月刊バスケットボール)

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