U18男子日本代表、宿敵・韓国に69-83で敗戦[U18アジアカップ東アジア予選]

地力を測る戦いで見えた現在地と「当たり前の徹底」という課題
6月2日から7日にかけて、福岡第一高等学校・第一薬科大学内の都築賴助記念体育館で開催されている「FIBA U18アジアカップ2026 東アジア地区予選」。大会3日目の6月4日、U18男子日本代表は宿敵・韓国代表との一戦に臨んだ。アジアカップ本戦を見据え、自らの立ち位置と「個人の地力」を測る上で極めて重要な意味を持つこの一戦。日本は試合終盤に一時一桁点差まで詰め寄る驚異の粘りを見せたものの、最後まで韓国オフェンスを抑えることができずに69-83で悔しい敗戦を喫した。
片峯聡太ヘッドコーチ(HC)が「非常にソフトになってしまい、絶対にやらせてはいけない相手のイージートランジションからのイージーバスケットを許してしまった。これが今日の試合のすべての流れを作ってしまった」と悔やんだように、立ち上がりから日本は韓国の得意なプレーでの得点を許し、オフェンスではアウトサイドシュートがことごとくリングに嫌われる苦しい滑り出しとなった。キャプテンを務める#13 本田蕗以も「自分たちの心のどこかに緩みが出てしまったところで、韓国代表の得意とするシュートが決まり出し、徐々に点差が開いてしまった」と振り返り、前日の勝利から生じたチーム全体の精神的な隙を敗因の一つに挙げた。

本田蕗以は1Qからチームを牽引。最終的に21得点をマークした
その苦しい1Q、日本のオフェンスを牽引したのが#13本田だった。#13本田は力強いペイントアタックから連続得点を挙げ、1Qだけでチーム総得点14点のうち11得点をマーク。「周りのみんなのシュートがあまり当たっていなかったので、ここは自分が強く中にアタックしていこうという強い気持ちでプレーした」と語る#13本田の孤軍奮闘により何とか食い下がるものの、韓国のテンポの良さを止められず、14-19の5点ビハインドで最初の10分を終えた。
続く2Q、日本は#4宮里俊佑からのアシストで#16中村文哉が、この試合チーム初となる3Pシュートを決める。すると本田のインサイド、#18佐藤翔真のファストブレイクが続き、2Q残り6分30秒には23-23と、ついに韓国を同点に捉えた。
しかし、ここから韓国の粘り強いカウンターに手を焼くことになる。韓国の#11 ユン・ジウォンに値千金の3Pシュートを許すなどして23-28と再び引き離され、日本は流れをつかみきれないまま31-37で前半を折り返した。
こうしたシュートが入らない時間帯の戦い方について、片峯HCはオフェンスの忍耐力不足を課題に挙げた。
「シュートが入っているときは良いのですが、入らないときこそ粘り強く、インサイドに侵入してペイントタッチをし、さらにもう1回パスを回してチャンスを作り出すタフさが必要です。今日は安易な1対1やイージーな選択をしてシュートを打ってしまい、そこから相手の走る展開を許してしまいました。この『もうひと我慢』ができるオフェンスを作らなければなりません」

韓国の#11 ユン・ジウォン
後半に入っても日本のシュートスランプは解消されず、3Q中盤には37-55と最大18点差の苦境に立たされた。この重苦しい流れを断ち切ったのが、#6 久我祐仁が放った3Pシュートだった。この得点を機に日本に本来の勢いが戻り、#15白谷柱誠ジャックの力強いドライブなどで連続加点。12点差(45-57)まで押し戻し、最終クォーターに望みをつないだ。
勢いに乗る日本は4Q序盤、ポイントガードの#7櫻井照大がリバウンドに飛び込み、タップシュートを決めて追撃。直後のファストブレイクでは、#7櫻井の絶妙なアシストから白谷がゴールを決め、点差は一気に一桁に縮まった。しかし、ゲーム巧者の韓国はここで冷静にタイムアウトを要求し、日本の追撃ムードを断ち切る。タイムアウト明け、韓国は日本の焦りを誘うようにバスケットカウントや効果的な3Pシュートを沈め、日本の反撃の芽を摘んだ。
終盤の失速には、予期せぬアクシデントも重なっていた。片峯HCは「インサイドの#10(マクミラン)アレックスが脚をつってしまい、急遽#15ジャックを5番に据えるなどしなければならなくなりました。この想定外のトラブルに対するアジャストが少し遅れてしまった」と戦術的な難しさを吐露する。さらに、櫻井のファウルトラブルにより宮里のプレータイムが伸び、後半の疲労からターンオーバーにつながってしまったこともゲームコントロールを難しくした。
キャプテンの#13本田は、リーダーとしての反省を口にする。
「点差が開いてしまった悪い状況のときなど、もっと自分が周りに声をかけてチームを引き締めなければならなかったと反省しています。昨日の試合の後に生じていたチームの緩みを、もう一度自分が中心となって締め直し、明後日からの残り2試合に向けてしっかりと勝ち切れるように準備をします。韓国は決して勝てない相手ではありません。点差が開いた展開でも、全員が『追い付くぞ』という強い気持ちを持ち続けられるかという、マインドの部分が非常に重要です」
片峯HCは、今予選の意義を「強豪を相手に、戦術面だけでなく自分たちの『個人の地力』がどこまで通用するのかを測る場所」とした上で、敗戦の原因を厳しく総括した。
「14点差での敗戦は、技術や戦術の差もありますが、それ以上にトランジションやディフェンスといった当たり前のことを当たり前に、徹底してやり切る基準が低かったためだと選手たちに伝えました。戦う土俵での課題をしっかりと修正し、次の2試合に向けて何が何でも勝ちにいく姿勢を体現したいと思います」
敗戦の悔しさは大きいが、今予選を通じて自らの現在地と明確な課題を浮き彫りにしたことは、U18日本代表にとって大きな収穫でもある。戦いの場に立つマインドと当たり前の徹底をチーム全員で体現し、残りの予選を勝ち抜く姿勢に期待したい。

20得点をあげた白谷柱誠ジャック
■2026年度バスケットボール男子U18日本代表チーム
「FIBA U18アジアカップ2026 東アジア地区予選」 参加メンバー
【スタッフ】
チームリーダー:井手口 孝 (福岡第一高等学校)
ヘッドコーチ:片峯 聡太 (福岡大学附属大濠高等学校)
アシスタントコーチ:冨山 晋司 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ:水越 悠太 (桜丘高等学校)
スキルコーチ:丸田 健司 (KAGO CLUB)
アナライジングスタッフ:渡邊 敬太 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー:高橋 基樹 (専修大学)
アスレティックトレーナー:竹上 綾香 (立教大学)
チームドクター:村上 友基 (東京大学整形外科)
チームマネージャー:髙木 歩幸 (公益財団法人日本バスケットボール協会)

【選手】12名
#4 宮里 俊佑(PG / 179cm / 16歳 / 琉球ゴールデンキングス U18)
#5 山元 珠來(C / 199cm / 16歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#6 久我 祐仁(SG / 186cm / 16歳 / 福岡第一高等学校)
#7 櫻井 照大(PG / 180cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#8 越 圭司(PG / 163cm / 17歳 / Concordia Lutheran School of Omaha)
#10 マクミラン アレックス(PF / 198cm / 18歳 / 沖縄県立沖縄水産高等学校)
#11 栗本 富美也(PF / 188cm / 16歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#13 本田 蕗以(SF / 189cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#15 白谷 柱誠ジャック(PF / 194cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#16 中村 文哉(SF / 190cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
#17 磯田 陸斗(PF / 197cm / 15歳 / 横浜ビー・コルセアーズ U18)
#18 佐藤 翔真(PG / 186cm / 17歳 / 黒沢尻工業高等学校)
※平均(Average):188.1cm、16.8歳
※所属・年齢:2026年5月27日現在
※ポジション(P):PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
■大会概要
【大会名】 FIBA U18 アジアカップ2026 東アジア地区予選
【英語表記】FIBA U18 Asia Cup 2026 – EABA Sub-Zone Qualification Tournament
【英語表記略称】FIBA U18 Asia Cup 2026 – EABA Qualifiers
【大会期間】 2026年6月2日 (火) ~ 7日 (日)
【会場】 福岡第一高等学校 第一薬科大学内 都築賴助記念体育館
(所在地:〒815-0037 福岡県福岡市南区玉川町22-1)
【特設サイト】https://fibau18asiacup2026-eabaqualifiers.japanbasketball.jp/
【配信】https://fibau18asiacup2026-eabaqualifiers.japanbasketball.jp/broadcast/
【日本試合予定・結果】
6月3日(水) ○93-45 ホンコン・チャイナ
6月4日(木) ●69-83 韓国
6月6日(土)14:00開始予定 vs.チャイニーズ・タイペイ
6月7日(日)14:00開始予定 vs.中国
■大会概要
【大会名】 FIBA U18 アジアカップ2026
【英語表記】 FIBA U18 Asia Cup 2026
【大会期間】 2026年8月13日 (木) ~ 23日 (日)
【開催地】 インド ・ アーメダバード

写真/山岡邦彦(月刊バスケットボール)、文/飯田康二(月刊バスケットボール)









