【女子日本代表】アジア競技大会に向けて強化中、大神雄子HCが掲げる「40分間のアグレッシブさ」

若きメンバーで目指すアジア制覇への挑戦
6月1日、2026年秋に自国開催を控える「第20回 アジア競技大会 (2026/愛知・名古屋)」に向け、女子日本代表チームの第3次強化合宿メディアデーが行われた。今大会の女子日本代表は、5月19日に発表された19名のアジア大会第2次・第3次強化合宿招集メンバーを中心に、平均年齢24.1歳というフレッシュな布陣で始動している。5人制の日本代表指揮官を務めるのは、自身にとって今回が初めてとなる。かつて選手として何度も日の丸を背負ってきた大神雄子HCは「一番は覚悟と責任をどれだけ持って、責任を果たしたいなというような思いでいます。ベースとしてパッションとエナジーはなければならないし、そこを評価していただいていると感じているし、コートで表現する選手達に伝え続けたい」と語ると、選手たちに向けては「結果に対しての責任はコーチが取る。だから『自分の成長に対しての責任は自分で取って』という話を選手にしています」と説明した。

今大会で日本が対峙する中国やオーストラリアといった強豪は、いずれも高さがある。平均身長で劣る日本が勝機を見出すための鍵として、大神HCが語ったのが「ディフェンスもオフェンスも40分間攻められる集団として戦う」こと。「フルコートでディフェンスを仕掛けられるかどうか。オフェンスで言えばファストブレイクを指す最初の8秒でどれだけペースを作り、40分通して相手をバテさせられるかといったところです」。
現状の完成度について、「まだまだではなく、まだまだまだ」と言う大神HCは、選手の主体性と状況判断力を育てることを重視し「1つのアクションに対して必ずツーオプション(2つの選択肢)を持たせる伝え方を徹底しています。選択肢が増えることで、選手に迷いやミス、ストレスも生まれる可能性がありますが、今ここで考えておかなければ、最後に相手にアジャストされた時に何もできなくなってしまいます」と先を読んで状況判断ができるチーム作りに挑んでいる。

指揮官がもたらす「パッションとエナジー」、そして選手たちの呼応
大神流のアプローチは、選手達に確実に浸透しているようだ。象徴的なエピソードが、合宿の初日に行われた自己紹介。大神HC自らスライドを使って自らの明るく涙もろい性格や、ポイ活好きといったフランクな素顔を選手たちに明かしたのだという。日頃から大神HCを知る岡本美優は「見たことあるなと思いながら聞いていました」と笑顔で明かしつつ、他チームから集まった選手たちも含めて壁がなくなり、最初からコミュニケーションが活発で「いい雰囲気でできている。顔見知りの選手も多くてすごくやりやすいです」と手応えを語っている。
同じく初の本格的な国際大会への挑戦を目指す常田亜美は、ガードの先輩でもある同HCからのドラッグスクリーンの使い方や間合い、テンポといった細かなコーチングに触れ、「それをやってみてうまくいったときはすごく嬉しいですし、引き出しがまた1個増えているなと感じます」と手応えを口にした。
さらに富士通の赤木里帆も、オフボールの動きや、1つのピックだけで終わらせない流動的なシステムについて、「1人で攻めるのが無理だったら、まず2人でピックする。それが3人、4人と、みんながつながっているようなアクションが大きくて、自分の中で新しい感覚ですし、すばらしい学びになっています」と語っている。

日本での開催は32年ぶりというアジア競技大会は、愛知県名古屋市のIGアリーナで行われる。名古屋短大付高(現・桜花学園)で高校時代を過ごし、トヨタ自動車でのプレー、指揮と縁のある愛知で開催される同大会に向けて、大神HCは「目標という軸をぶらさずに、てっぺん(優勝)に向かって挑戦していきたい」と、アジアの頂点を見据えている。
■2026年度バスケットボール女子日本代表チーム
『第20回 アジア競技大会 (2026/愛知・名古屋)』
第2次および第3次強化合宿招集メンバー
【スタッフ】
チームダイレクター: 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ: 大神 雄子(トヨタ自動車アンテロープス)
アソシエイトヘッドコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 髙田 紘久(デンソー アイリス)
アシスタントコーチ: 武津 祐太郎(トヨタ自動車アンテロープス)
スポーツパフォーマンスコーチ: 佐藤 晃一(公益財団法人日本バスケットボール協会)※第2次強化合宿のみ
スポーツパフォーマンスコーチ: 池田 克也(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 栗若 伸一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 山本 愛乃 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 佐々木 夏未(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 古澤 美香(公益財団法人日本バスケットボール協会)※第3次強化合宿のみ
チームマネージャー: 坂上 祐加(トヨタ自動車株式会社)
チーム広報: 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【選手】19名
赤木 里帆(PG / 167cm / 27歳 / 富士通 レッドウェーブ)
栗林 未和(C / 188cm / 27歳 / 東京羽田ヴィッキーズ)
佐藤 由璃果(PF / 177cm / 27歳 / シャンソン化粧品シャンソンVマジック)
笠置 晴菜(SG / 167cm / 27歳 / デンソー アイリス)
常田 亜美(PG / 165cm / 26歳 / デンソー アイリス)
奥山 理々嘉(SF / 180cm / 26歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
岡本 美優(PF / 179cm / 25歳 / トヨタ自動車アンテロープス)
樋口 鈴乃(PG / 164cm / 24歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
三浦 舞華(SG / 170cm / 24歳 / トヨタ自動車アンテロープス)
田中 平和(PF / 180cm / 24歳 / トヨタ自動車アンテロープス)
小野寺 佑奈(PG / 157cm / 24歳 / トヨタ自動車アンテロープス)
三田 七南(SF / 179cm / 23歳 / ENEOSサンフラワーズ)
佐藤 多伽子(SG / 176cm / 23歳 / プレステージ・インターナショナル アランマーレ)
舘山 萌菜(SF / 178cm / 23歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
粟谷 真帆(PF / 182cm / 23歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
大脇 晴(PF / 178cm / 22歳 / 富士通 レッドウェーブ)
横山 智那美(PG / 172cm / 22歳 / トヨタ自動車アンテロープス)
平賀 真帆(SG / 172cm / 21歳 / デンソー アイリス)
白石 弥桜(C / 184cm / 20歳 / デンソー アイリス)
※平均(Average):174.5cm、24.1歳
※2026年5月19日現在
※所属はWリーグ 2025-26シーズンを記載しています
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
■大会概要
【大会名】 第20回アジア競技大会 (2026/愛知・名古屋)
【英語表記】 20th Asian Games Aichi-Nagoya 2026
【大会期間】 2026年9月19日 (土) ~ 10月4日 (日)
(女子バスケ大会期間: 9月17日 (木) ~ 9月26日 (土))
【開催地】 愛知県・名古屋市
【公式サイト】 https://www.aichi-nagoya2026.org/

文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)









