月刊バスケットボール7月号

Bリーグ

2026.05.27

長崎ヴェルカが創設6年目でB1王者に! 激闘のGAME3を制し新王者が誕生【りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2025-26 GAME3】

激戦を制した長崎ヴェルカが初の戴冠、現行制度最後の王者に輝く


「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON」は、ついに結末を迎えた。「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2025-26」で相まみえたのは、CHAMPIONSHIP初出場で初の頂点へ王手をかけた長崎ヴェルカ(西地区1位)と、5年連続でこの舞台に立ち続ける琉球ゴールデンキングス(西地区3位)。5月23日のGAME1は琉球がリバウンドを制して71-69で先勝し、翌24日のGAME2は長崎が強固なディフェンスで66-60と逆襲。5月26日、13,235人が見守る中、横浜アリーナでの最終決戦に臨んだ。

長崎は#11熊谷航、#18馬場雄大、#5イ・ヒョンジュン、#7ジャレル・ブラントリー、#25アキル・ミッチェル、琉球は#14岸本隆一、#15松脇圭志、#4ヴィック・ロー、#45ジャック・クーリー、#53アレックス・カークと、過去2戦と同じ先発で試合はスタート。
GAME1では第1クォーターに11点のリードを作った琉球が先勝し、GAME2では同じく第1クォーターで20-14と優位に立った長崎が勝利を収めている。この最終戦においても、どちらが立ち上がりに主導権を握るのかに注目が集まった。
先に得点したのは琉球だった。開始1分、#45クーリーがフローターを沈めて先制。インサイドで#53カークが強さを見せると、続けて#14岸本が鋭いレイアップを沈めて加点した。



対する長崎は、#5イのフリースローでチーム初得点。そこからギアを上げると、#18馬場がドライブから強烈なトマホークダンクを叩き込み、#7ブラントリーが3Pシュートを沈めアリーナを沸かせた。さらにベンチから入った#17山口颯斗がフリースロー2本を成功させると、直後のディフェンスで琉球のターンオーバーを誘発。そこから#5イが3ポイントプレーに繋げ、開始4分半で12-6と長崎が先手を取った。





長崎は、ペリメーターではボールマンに強烈なプレッシャーをかけ、インサイドにボールが入れば複数人で対応するなど、GAME2を再現するかのような強固なディフェンスを展開。第1クォーターの残り6分間を僅か4失点に抑え込むと、終了間際には#5イの3Pシュートも決まり、17-10とリードを奪って最初のクォーターを終えた。

両クラブのブースターによる大声援が飛び交う中で第2クォーターがスタート。琉球もディフェンスの強度を引き上げたことで、両チームともにタフショットを強いられる我慢の時間帯が続く。その中で琉球は、#45クーリーと#53カークがインサイドをこじ開けて得点。しかし長崎は、#7ブラントリーがペイントエリアでパスを受けて連続得点につなげると、#11熊谷が貴重な3Pシュートを成功させ、残り5分で24-14と点差を2桁に広げた。



クォーター後半、琉球は2ファウルとなった#45クーリーに代えて、#21デイミアン・ドットソンを投入。インサイドに#53カークを残した4アウト1インの布陣を敷き、長崎のディフェンスを外へと広げにかかる。すると#14岸本や#4ローがフリースローなどで加点したものの、連続得点へとつなげることができない。

その隙に長崎は、#18馬場がミドルジャンパーやフリースローで着実にスコア。そのあと#18馬場が3つ目のファウルを犯してベンチへ下がったものの、今度は代わって入った#14スタンリー・ジョンソンがプルアップ3Pシュートや3ポイントプレーを沈めてオフェンスをけん引した。クォーター終了間際、#7ブラントリーの3Pシュートも飛び出してリードをこの日最大となる16点にまで広げた。琉球も残り0.8秒に#14岸本が執念でファウルを引き出し、フリースロー3本を成功させたが、長崎が36-23と13点をリードしてハーフタイムを迎えた。



前半、琉球は合計リバウンド数で26-19、オフェンスリバウンド数で14-4と優位に立ったが、長崎の粘り強いディフェンスにより、セカンドチャンスでの得点は僅か5得点にとどまった。シュート精度にも苦しみ、前半の2Pシュート成功率は27.2%(6/22)、3Pシュート成功率は6.3%(1/16)と低調な数字を記録。対する長崎は、2Pシュート成功率53.8%(7/13)、3Pシュート成功率33.3%(3/15)と要所を確実に決め切る効率性の高さが光った。



琉球が猛追、それでも長崎は勝負強さを発揮し新時代の王座へ


巻き返しを図りたい琉球は第3クォーター開始直後、#45クーリーがフローターを沈めて反撃を開始。さらに#14岸本のレイアップ、#15松脇のミドルジャンパー、#53カークの3Pシュートと連続得点で点差を縮めにかかる。対する長崎も譲らず、#5イと#11熊谷が3Pシュートを射抜き、琉球に主導権を渡すことなくリードを死守する。

しかし第3クォーター残り5分を切った局面、長崎はエースの#18馬場が4つ目のファウルを喫してベンチへ退く。ここで流れを引き寄せたい琉球は、インサイドで#53カークが得点。さらに残り3分を切ったところで、#34小野寺祥太が右ウイングから値千金の3Pシュートを射抜き、ついに8点差まで迫った。

すぐさま主導権を取り返したい長崎だったが、厳しいプレッシャーの前にターンオーバーが重なる。すると残り2分、再び琉球の#53カークがゴール下でバスケットカウントをねじ込み、ついに6点差にまで詰め寄せられた。

約4分間、オフェンスが停滞していた長崎だったが、窮地を救ったのはベンチメンバーだった。残り2分強、#17山口が値千金の3Pシュートを沈めて沈黙を破ると、さらに#14ジョンソンも続けてディープ3Pシュートを沈め、リードを12点に広げる。クォーター終盤、琉球は#34小野寺や#14岸本が得点を重ねて食い下がるが、長崎は#7ブラントリーがインサイドで対抗。長崎が55-45と10点のリードを保持して最終クォーターへ突入した。

そして雌雄を決する最後の10分間が始まった。
開始1分強、琉球の#18脇真大のドリブルが僅かに大きくなった隙を見逃さず、長崎#11熊谷がすかさずスティール。#5イがファストブレイクから決めてリードを13点に広げた。しかし、百戦錬磨の琉球も諦めない。直後に#4ローが3Pシュートを射抜くと、続けて#8佐土原が3Pシュート、レイアップと連続得点。開始3分で5点差にすると、#14岸本がレイアップを決めて3点差にまで迫った。一気に琉球ペースとなる中、長崎は4ファウルの#18馬場をコートへ戻す。すると馬場は指揮官の期待に即座に応え、ジャンプシュートを沈めて悪い流れを断ち切ろうとする。長崎が61-56とリードを保ち、残り5分間を迎えた。



残り4分半、長崎は#5イが相手ディフェンスの密集するペイントエリアへ果敢にアタックし、タフなレイアップを沈めたが、直後に#14ジョンソンも4ファウルを喫してしまった。点差を縮めたい琉球はボールを#21ドットソンに託したが、長崎は集中力の高いディフェンスでこれを凌ぐ。対する長崎はオフェンスリバウンドからファウルを誘い、#25ミッチェルがフリースローを1本沈めて64-56とし、試合は残り3分を切った。

長崎のプレッシャーの前にオープンショットが作れない琉球だったが、残り2分16秒、エースの#4ローが極めてタフなプルアップ3Pシュートを沈め、再び5点差にまで追い上げる。しかし長崎も黙ってはいない。直後のポゼッションで#18馬場が値千金の3Pシュートを決め返し、67-59と再び琉球を突き放した。ここでタイムアウトを要求した琉球は、再び#4ローの3Pシュートに勝負を託したが、これはリングに嫌われる。それでも#53カークがプットバックをねじ込むと、残り52.8秒には#4ローがドライブからフリースローを獲得。1本を決めて、再び5点差に詰め寄った。





ファウルゲームを仕掛けた琉球だが、長崎#18馬場はフリースローを2本とも落ち着いて成功。残り41.1秒で69-62とリードを7点に広げた。続くオフェンスで、琉球はインバウンズパスでまさかのターンオーバーを犯してしまう。それでも琉球は諦めず、#45クーリーが執念でオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを決め、残り21秒で5点差にまで追い上げた。長崎のタイムアウト後のオフェンスは、すぐにファウルされたが、#5イがプレッシャーのかかるフリースロー2本を沈めて71-64に。そして直後の琉球のオフェンスで、ターンオーバーを引き出して勝負あり。最終スコア72-64で長崎ヴェルカが激戦を制し、創設6年目にして初のB1チャンピオンの座に輝いた。

長崎は、りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26 MVPに輝いた#5イがチーム最多の23得点を挙げてオフェンスをけん引したほか、#7ブラントリーとファイナル賞受賞の#18馬場がそれぞれ14得点と3人が2桁得点を記録した。一方の琉球は、#4ローがチーム最多の14得点、#14岸本が13得点を挙げ、さらに#53カークが11得点14リバウンド、#45クーリーが10得点13リバウンドとインサイド陣が意地を見せた。長崎はリバウンドで32-53(オフェンスリバウンドは9-26)と劣勢を強いられたものの、琉球のセカンドチャンスポイントを13得点(長崎は12得点)に抑え、相手から13本のターンオーバー(長崎は8本)を誘発。この運命のGAME3でも、チームの生命線である強固なディフェンスが最後まで光った。



<オンコートインタビュー>

■ モーディ・マオールHC
――おめでとうございます。まずはこのGAME3、勝利に繋がったのはどんなところでしょうか。

「ちょっと今は考えられません(会場に笑いが起こる)。相手の追撃をかわして勝利できた要因というのは本当にたくさんあるのですが、何よりこのチームはハート、心が素晴らしいです。それはこの組織のトップから、下のメンバー全員に至るまでがしっかりハートを持ってくれているからであり、だからこそ今日勝つことができたのだと思っています」

――長崎はレギュラーシーズンも1位でこのCSに乗り込んできました。改めて、長崎の強みというのはどのようなところでしょうか。

「ヴェルカは競争心が非常に激しいチームです。オフェンスの数字で言えばBリーグ史上最高の数字を記録していますし、一方、ディフェンスに関しても素晴らしい琉球さんを相手に60点台に抑えることができました。全員が素晴らしいキャラクターとハートを持っており、何より素晴らしいファンの皆様がいてくれるからこその強みだと思っています」


■ #5 イ・ヒョンジュン[りそなグループ B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2025-26 MVP]
――Bリーグチャンピオンおめでとうございます。今日試合を振り返ると、馬場選手がファウルトラブルで思うようにプレーできない時間もありましたが、その中でコートに立ち続けました。後半はどのような思いでプレーしていたのでしょうか。

「自分は本当にチームメイトを常に信頼しています。誰か一人がファウルトラブルになってしまっても、例えば(馬場)雄大選手がファウルトラブルになってしまっても、自分たちには信頼できる仲間がいます。チームを信じ続けたからこそ、こういう結果に繋がったのだと思っています」

――個人としても今シーズンを振り返ると、驚異的な3Pシュートの確率、さらにCSでは素晴らしいフリースローの確率も残しました。このシーズンをどう振り返りますか。

「まず本当に、このような素晴らしいチームメイトがいなかったら、これほどの数字を残すことはできませんでした。みんなが私を信じてくれて、良いスクリーンをしっかりとかけ、良いパスを供給してくれたからこそ、シュートが入ったのだと思っています。すべてはチームメイトのおかげです。私のこの数字はチーム全員で作り上げたものであり、まさに『チームの賞』だと思っています。最後にカンパイ!(笑)」


■ #18 馬場雄大[ファイナル賞]
――優勝の瞬間、チームメイト、そして今季限りでの引退を発表している狩俣(昌也)選手と抱き合いました。どのような思いが込み上げてきたのでしょうか。

「マサ(狩俣)さんが引退を発表してから、僕たちは毎日、彼のために時間を過ごしてきました。あの最高の瞬間を彼と分かち合いたいとずっと思っていましたし、実際に分かち合うことができて本当に最高の気分です」

――第4クォーター残り6分半でコートに戻りました。どのような思いだったのでしょうか。

「ファウルトラブルは初めてのことではないので、本当にチームには迷惑をかけてしまいました。それでも、こうしてファイナルという大舞台で、山口(颯斗)選手の活躍であったり、星川(堅信)選手の活躍であったり、僕と同じポジションの若い選手たちがしっかりと時間を作ってつないでくれました。本当に頼もしくなったなと感じています」

――長崎の皆さんと共に戦い続けたここまでの歩みを、どのように振り返りますか。

「マサさんのためもそうですし、本当にこの3シーズンの間、すごく苦しい時間もありましたけど、常に私たちの背中を押し続けてくれた長崎の皆さんのために戦ってきました。これで少しは恩返しができたのかなと思っています。最後に一ついいですか? 勝ったばーい!」





写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)、文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

タグ: B1ファイナル 琉球ゴールデンキングス長崎ヴェルカ

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