月刊バスケットボール10月号

女子日本代表がラトビア代表に2連勝! ゲーム2は2桁ビハインドを逆転勝利

2戦連続2桁得点でMVPを受賞した#26田中こころ

ラトビアの対策に苦しみ、前半で最大13点ビハインド

5月17日、横浜BUNTAIで行われた「三井不動産カップ2026(神奈川大会)バスケットボール女子日本代表国際試合」ゲーム2で、FIBA世界ランキング10位の女子日本代表は、同35位のラトビア代表に76-69で逆転勝利を収めた。

コーリー・ゲインズヘッドコーチが「1Qは勝つ意志が足りなかった」と振り返ったように、日本は1Qで10-22と大きくリードを許した。しかし、2Q以降に立て直し、後半は3Pシュートを10本成功。国際試合で接戦をものにするという収穫を得て、2連戦を締めくくった。

日本はゲーム1同様、序盤からオールコートマンツーマンディフェンスを展開し、早い攻撃つなげる。最初のポゼッションで#8髙田真希がミドルジャンパーを沈め、幸先よく先制した。しかし、ゲーム1で25点差の大敗を喫したラトビアが、この日はしっかりと対策を講じてきた。

「1試合目で圧勝した後の2試合目の難しさは分かっていたが、それでも気持ちが足りなかった」と#27林咲希。日本の激しいディフェンスに対し、ラトビアはバックカットや巧みなパスワークでフリーを作り、効率良く得点を重ねた。

日本は#26田中こころの連続3Pなどで応戦したが、攻守ともにリズムをつかめず、10-22と2桁ビハインドで1Qを終えた。

樋口のスティールをきっかけに反撃

2Q、日本は途中出場の#74樋口鈴乃が完璧なスティールからレイアップを決め、流れを引き寄せる。さらに、トランジションから#27林が3Pを沈めると、#30白石弥桜も「自分の得点をしっかり狙った」と積極的なプレーで連続得点。日本は徐々に点差を縮め、最大13点あったビハインドを4点差まで詰めて34-38で前半を終えた。

試合後の会見で、林は「エナジーをもたらしてくれた」と、樋口のこのスティールを称賛した。


#74樋口鈴乃のスティールが日本に流れを呼び込んだ


#30白石弥桜も積極的にゴールを狙った


後半は3Pに当たり続出 19歳後藤が勝負を決める

3Q、日本は#26田中のアシストから#27林がレイアップを決めて1点差に迫ると、「後半は全員がリングにアタックできた」という田中のドライブでついに逆転に成功した。以降は一進一退の攻防が続く中、同Q終盤に#14朝比奈あずさ、林が連続で3Pを成功。日本は56-51とリードを奪い、56-54で最終クォーターへ突入した。

4Qは粘るラトビアに対し、日本の長距離砲がさく裂。#52宮澤夕貴、#26田中、#8髙田が立て続けに3ポイントを決めると、残り1分50秒には#10渡嘉敷来夢も3Pをヒット。72-66とリードを広げた。さらに残り28.7秒、#6後藤音羽がドライブからフローターを沈め、勝利を決定づけた。

試合後のフラッシュインタビューで、キャプテンの宮澤は「出だしは良くなかったが、全員で耐えて勝つことができた」と振り返った。

日本は田中が15得点、5アシストの活躍を見せ、大会MVPに選出された。2年ぶりに代表復帰した林も、3ポイント4本を含む14得点をマーク。#7都野七海は約17分間の出場ながら、チーム最多の6アシストを記録した。


#27林咲希は3P4本を決め14得点


#7都野七海はチーム最多6アシスト

課題はオフェンスリバウンド 「良くなっているがあと一歩」

高さとフィジカルを備えたラトビアとの2連戦を通じ、日本はリバウンド面の課題を再認識した。この試合のリバウンドは日本34本に対しラトビア44本。特にオフェンスリバウンドでは7本対13本と差を付けられた。

セカンドチャンスポイントは日本7点、ラトビア6点と大きな差はなかったものの、ラトビアにオフェンスリバウンドから攻撃を組み立て直され、失点につながる場面が見られた。

キャプテンの#52宮澤は、オフェンスリバウンドはこれまでも課題だった――と認めた上で、「以前よりも相手に取らせない意識は良くなっている。あともう一歩。早く体を当てたり、もう一歩踏み出したり、そういう部分を詰めていかなければいけない」と改善へと意識を向けた。

し烈な代表争い 求めるのは「ペイントタッチ」

今大会の日本代表は、常連のベテラン勢に加え、多くの若手選手を選出した編成となった。15人中8人が25歳以下で、A代表デビューの#6後藤音羽、#25佐藤多伽子をはじめ、アメリカ遠征を経験した#7都野、#30白石、#74樋口らもそれぞれ持ち味を発揮した。

ゲインズHCは「若い選手には積極的にチャンスを与えて成長させたい」と語る一方で、今後の選考については「まだまだ考えていない」とコメントした。

ワールドカップ開幕まであと約4か月。今大会に出場しなかった山本麻衣や東藤なな子らも含め、激しい代表争いが続いている。

ゲインズHCは「初めて代表でプレーする新しい選手たちを深く知ることができた」と総括。その上で、「ペイントタッチできる選手を求めている。毎試合3ポイントだけに頼るのは難しい。我々のオフェンスはすべてペイントタッチから生まれる」と強調した。

日本 76
10 | 24 | 22 | 20
22 | 18 | 14 | 15
ラトビア 69


■2026年度バスケットボール女子日本代表チーム
「三井不動産カップ2026 (神奈川大会) バスケットボール女子日本代表国際試合」ロスター
【スタッフ】
チームダイレクター: 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ: コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ: 伊藤 恭子(デンソー アイリス)
プレーヤーディベロップメントコーチ: ブライアン・フィンリー(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングスタッフ: 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
通訳: 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 栗若 伸一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 田中 美樹子(田中MIKI鍼灸治療院)
アスレティックトレーナー: 宮口 佳子 (S-Life はりきゅう院)
チームマネージャー: 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
チーム広報: 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)

【選手】15名
#6 後藤 音羽(SF / 178cm / 19歳 / 東京医療保健大学)
#7 都野 七海(PG / 159cm / 21歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
#8 髙田 真希(C / 185cm /36歳 / デンソー アイリス)
#10 渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 34歳 / アイシン ウィングス)
#13 町田 瑠唯(PG / 162cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#14 朝比奈 あずさ(C / 185cm / 22歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
#16 奥山 理々嘉(PF / 180cm / 26歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
#19 舘山 萌菜(SF / 178cm / 23歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
#25 佐藤 多伽子(SG / 176cm / 23歳 / プレステージ・インターナショナル アランマーレ)
#26 田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#27 林 咲希(SG / 173cm / 31歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#30 白石 弥桜(PF / 184cm / 20歳 / デンソー アイリス)
#52 宮澤 夕貴(PF / 183cm / 32歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#59 星 杏璃(SG / 171cm / 26歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#74 樋口 鈴乃(PG / 164cm / 24歳 / 日立ハイテク クーガーズ)

※平均(Average):176.3cm、26.0歳
※2026年5月14日現在
※所属はWリーグ 2025-26シーズンを記載しています
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター

■大会概要
【大会名】 三井不動産カップ2026(神奈川大会) バスケットボール女子日本代表国際試合
【対戦カード】 女子日本代表チーム vs 女子ラトビア代表チーム
【会場】 横浜BUNTAI(〒231-0032 神奈川県横浜市中区不老町2丁目7番1)
【日程】
GAME1: 2026年5月16日 (土) 女子日本代表 98-73 ラトビア
GAME1: 2026年5月17日 (日) 女子日本代表 76-69 ラトビア

文/磯野雄太郎(月刊バスケットボール)・写真/山岡邦彦(月刊バスケットボール)

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