白鷗大、4年生の意地で2大会ぶり頂点[第60回関東大学女子選手権大会]

先手を取ったのは東京医療保健大
5月3日スプリングトーナメント(、関東大学女子選手権大会)最終日、関東大学女子連盟のトップ2がまたも決勝で激突した。5年連続5度目の顔合わせとなった東京医療保健大と白鷗大の一戦は、またもドラマチックな幕切れとなった。
試合開始から両チームが強烈なボールマンプレッシャーをかけ合う中、先にリズムをつかんだのは東京医療保健大。直前に女子日本代表強化合宿への招集が発表されたばかりの#7後藤音羽がトップから仕掛けて3ポイントプレー。#0ロー ジョバのレイアップ、#61深津唯生のプットバックや3Pシュートも重なり、開始4分で15-5と飛び出した。
一方の白鷗大は1年生#44アキンデーレ タイウォ イダヤットがゴール下で存在感を見せ、4点差まで迫る時間帯を作ったものの、東京医療保健大#7後藤が着実に得点につなげて25-13で1Qを終えた。

前半、東京医療保健大のオフェンスを引っ張った後藤
続く2Q、白鷗大は#17高木美波が立て続けに3Pシュートを決めると、#7伊藤知里と#5池田凜のスピードあるアタック、#77東小姫の加点でまたも4点差に迫る。それでも東京医療保健大はまたも#7後藤が点を重ねてリードをキープ。クォーター終盤には1年生ガード#12濱田ななのが3Pシュートと速攻で連続得点。東京医療保健大が7点リードで前半を折り返した。

金澤杏と共に1年生ながら堂々たるプレーを見せた東京医療保健大の濱田
白鷗大が3Q逆転も東京医療も巻き返し、4Q終盤の勝負に
白鷗大としては、先にリードを作られて苦しい流れとなった前半。佐藤智信監督は、「去年1年間負け続けていることもあって、入りは悪いだろうなと予測していました。だからコツコツ追いつけば⋯という考えがありました」と、焦らずに機をうかがっていたことを明かしている。
東京医療保健大ペースのまま3Qへ突入。白鷗大は#7後藤にボールが入ると、スクリーンに対して2人がかりでプレッシャーをかけるなどスペースを与えない。それでも東京医療保健大はコーナーに流れた#61深津の3Pシュートや、#0ジョバの緩急あるレイアップで加点していく。
しかし、白鷗大の4年生たちは決して退かなかった。泥臭いルーズボール争いから流れを引き寄せると、#5池田が快足を生かしてレイアップを沈め、その#5池田のアシストで#17高木が3ポイントプレーと3Pシュートで続く。4年生を中心に2分半強で12-0のランを作り出すと、3Qは26-12として逆転。68-61で最終クォーターを迎える。

決められてもすぐに攻撃に転じた白鷗大、池田は何度となく相手を抜き去ってレイアップを決めた
#5池田は「3ピリでは後藤選手がピック(スクリーン)を使ってきているところを、ハードショウに出るというディフェンスの付き方に少し切り替えたことによって、相手が嫌がってくれた」と説明。ディフェンスの修正が逆転の糸口になったと分析した。
4Qに入ると#44タイウォ、#5池田、#11佐々木凜が加点し、開始5分半で76-64と白鷗大がリードを拡大。それでも、両校の戦いがそう簡単に終わるはずもない。東京医療保健大は恩塚亨監督のタイムアウトでの声掛けを受け、1年生#26金澤杏のロング2Pシュートから流れをつかむ。3Qは苦しんだ#7後藤もプレッシャーを受けながら得点につなげ、残り2分を切ったところで73-76と3点差に迫った。白鷗大はここで#30清藤優衣が3Pシュートを返したものの、東京医療保健大は#61深津に続いて#0ジョバもトップから3Pシュートを沈め、残り35秒で79-79と追いついた。

白鷗大の清藤、欲しいところで3Pシュートを決めた

4Q残り35秒、東京医療保健大はジョバの3Pシュートで追いついた
ここでタイムアウトを取った白鷗大は、#7伊藤が仕掛けてフリースローのチャンスを得る。1本目を失敗し、続く2本目もリングに弾かれてしまったが、リバウンド争いの中でボールはエンドラインを割って白鷗大ボールとなった。このチャンスに#5池田がレイアップを決め、残り9.9秒で81-79とした。
続くポゼッション、東京医療保健大はハーフコートから再開。#7後藤がトップでパスを受けると間髪入れずにサイドレーンをドライブ。左手でレイアップを放ったが、白鷗大#44タイウォが目一杯腕を伸ばして値千金のブロック。ボールは#7後藤の体に当たってエンドラインを割り、残り5.4秒で白鷗大ボールとなった。最後は東京医療保健大がファウルゲームを狙うも、チームファウルが貯まっていなかったこともあってタイムアップに。81-79で白鷗大がリベンジし、2大会ぶり4度目の優勝を飾った。

勝利し喜びを爆発させた白鷗大

1年生タイウォの存在は白鷗大にとって大きかった
白鷗大は#5池田がチームトップ17得点(8リバウンド4アシスト)をマーク。#30清藤が13得点、#17高木と#44タイウォが12得点。対する東京医療保健大は#7後藤が両チームトップの28得点、#0ジョバが24得点(13リバウンド)、#61深津が14得点と2年生トリオが奮闘した。
#5池田は「自分たちは去年すごく悔しい思いをして、今年はもう絶対に勝つという気持ちでした。点差が離れてきても、心折れないで自分たちのディフェンスをやり続けようと声を掛け合いました」と語る。決勝点については「自分がキャプテンでチームのトップでやり続けているうちは、しっかり攻めて自分で終わろうと思っていました」と胸を張った。
最優秀選手を受賞したのは、2年生から#5池田とともに貢献してきた#11佐々木だ。スタッツこそ9得点、4リバウンド、1アシストというものだったが、それ以上に攻防で存在感が光った試合だった。佐藤監督も「大きい選手も小さい選手もうまくディフェンスしてくれました。(ベンチからの出場で)うまくつないでくれたと思います」とたたえている。当の佐々木は「自分でもびっくりです」と本音を語ると、「点数もそんなに取ってないので、ディフェンスで評価いただいたのかなと思います」と控えめに喜んだ。
一方の東京医療保健大。恩塚監督は「死力を尽くしてよく戦ったと思います。1、2年生のチームで戦い抜けたことは評価できます。ただ、自分たちの戦い方を適切に選んでプレーすることができなかった時間帯が多かったのが反省です。ルーズボール争いが最後に勝負を分けたと思います」と総括。チームを引っ張った#7後藤は「チーム全員が自分に出来ることを探して、しっかり一体となって戦えたと思います」と一定の手応えを口にしつつも、「速い展開に対してしっかりマッチアップできずにやられてしまう場面があったので、そこは修正しないといけません」と、次なる課題を見据えた。
新シーズン初戦は、白鷗大がものにした。それでも、佐藤監督が「1年間同じような苦しい試合になると思います」と語ったように、両校の対決は今後も見ごたえあるものになるはずだ。セカンドラウンドは新人戦か、それとも秋のリーグ戦か。どちらが勝者になるにせよ、今年もこの2校が大学女子バスケの中心となることは間違いない。
<決勝>
東京医療保健大 79
25 | 24 | 12 | 18
13 | 29 | 26 | 13
白鷗大 81
■第60回関東大学女子選手権大会結果
[最終順位]
優勝/白鷗大(2年ぶり4度目)
2位/東京医療保健大
3位/拓殖大
4位/早稲田大
5位/立教大
6位/松蔭大
7位/筑波大
8位/日本女子体育大
[個人賞]

左からタイウォ、佐々木、ジョバ
最優秀選手賞/佐々木 凜(白鷗大4年#11)
敢闘賞/ロー ジョバ(東京医療保健大2年#5)
新人賞/アキンデーレ タイウォ イダヤット(白鷗大1年#44)
ベスト8賞/アダム アフォディヤ(白鷗大4年#41)
ベスト8賞/後藤 音羽(東京医療保健大2年#7)
ベスト8賞/高橋 胡菜(拓殖大4年#35)
ベスト8賞/山宮 好葉(早稲田大4年#13)
ベスト8賞/原 美月(立教大4年#6)
ベスト8賞/川崎 明(松蔭大3年#14)
ベスト8賞/川井田 風寧(筑波大4年#11)
ベスト8賞/梅村 成理(日本女子体育大4年#12)
得点王/衣川 璃来(早稲田大4年#35)51点
3ポイント王/高橋 胡菜(拓殖大4年#35)9本
リバウンド王/ンドイ ウム(拓殖大3年#8)OF16 DF19 TO35
アシスト王/坂口 彩花(拓殖大3年#47)12本

左からリバウンド王のウム、得点王の衣川、3P王の高橋、アシスト王の坂口

文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)
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