[女子日本代表米遠征]WNBAマーキュリーに敗戦も3Qは意地を見せる。田中こころがチームトップの14得点

FIBA女子W杯2026予選より
女王エーシズ戦での手応えを胸に臨んだ第2戦
アメリカ遠征を行っている若手主体の女子日本代表は、現地時間4月29日(日本時間30日)、WNBAフェニックス・マーキュリーとエキシビションゲームで対戦。3Qは17-14と上回ったものの、60-86で敗れた。
日本は3日前に、昨季のWNBA女王であるラスベガス・エーシズと対戦。山本麻衣(が24得点、今野紀花が12得点を挙げるなど、強豪相手に78-94と善戦を見せていた。そのエーシズ戦後、コーリー・ゲインズHCは会見で「(日本代表のよいところは)どんなときでも毎晩ハードにプレーすることです。『もっとハードにプレーしろ』なんて言う必要はありません。選手たちがトップチームと対戦する機会を得られたことに、ただただ感謝しています」とチームの姿勢をたたえていた。また、山本も同じく会見で「自分が得点を取って、しっかりつなげていかなきゃいけないというのはゲームの最初に思っていました。少しディープ(遠い距離)からでも積極的に打つように心掛けました」と振り返っていた。
迎えたマーキュリー戦の1Q、日本はまず田中こころが初得点。白石弥桜のピックを使ってトップからドライブした、相手のビッグマンをうまくかわしてレイアップを決めて初得点。白石はこのあとディワナ・ボナー(193cm)の3Pシュートをブロックしてみせた。開始3分までは1ポゼッション差の接戦を演じたものの、その後は相手のトランジションや高さを生かしたオフェンスに押されてしまう。終盤には朝比奈あずさが山本との連係からジャンパーを決めたが、13-29で最初の10分を終えた。
続く2Q、日本は山本の9mを超えるディープ3Pシュートや、今野の3Pシュート、田中のレイアップなどで加点。しかし、マーキュリーの素早いパス回しにディフェンスを崩され、28-54と大きくリードを広げられてハーフタイムを迎えた。
後半に見せた日本の意地と、次戦への期待
それでも3Q、日本は持ち味を発揮。開始1分、東藤なな子が3Pシュートを沈めると、直後に山本のスティールから舘山萌菜の3Pシュートにつなぐ。さらに山本自身も、都野七海が193cmの相手に必死にかけたスクリーンを生かして3Pシュートを決めるなど、ロングレンジのシュートが好調。山本がショットクロックぎりぎりで決めた3Pシュートに対しては、現地実況が「間に合いました!長距離砲を沈めたのはYAMAMOTO(山本)です!この名前を覚えておきましょう」と興奮気味に伝えた。日本はこのクォーターで5本の3Pシュートを沈め、17-14とマーキュリーの得点を上回ってみせた。
4Q、日本は都野からのパスを受けた東藤の技ありレイアップや、田中の3Pシュートなどで加点し、身長159cmの都野が190センチを超える相手選手越しに3Pシュートを沈めるなど粘りを披露。終盤には実況から「スコアがどうあれ、自分たちのスタイルを貫き通したい、というのが彼女たちの考えのようです」と称賛する言葉も送られた。
日本はこの試合、エーシズ戦を欠場した田中が3Pシュートを2本中2本決めるなどで14得点。エーシズ戦でも活躍した山本が13得点しオフェンスをけん引。さらに相手から19のターンオーバーを引き出す(日本は13本)などよいところもあったが、リバウンドは27-43と劣勢に。チーム全体のFG成功率は29.4%(20/68)、3Pシュート成功率は20.5%(9/44)と、高さや強さに苦しめられた印象が強い試合だった。
最終スコアは60-86と大差での敗戦となったものの、WNBAチームとの2試合は大きな経験となったはず。5月16日、17日には新たなアリーナである横浜BUNTAIにて、女子ラトビア代表を迎える国際試合「三井不動産カップ2026(神奈川大会)」が控えている。世界最高峰の強度を肌で感じた若き日本代表が、国内のファンの前でその成果を存分に見せてくれることに期待したい。
女子日本代表 60
13 | 15 | 17 | 15
29 | 25 | 14 | 20
フェニックス・マーキュリー 86

■試合概要
日時: 2026年4月26日(日)
●78-94 ラスベガス・エーシズ
日時: 2026年4月29日(水)
●60-86 フェニックス・マーキュリー
■2026年度バスケットボール女子日本代表チーム
2026年4月16日(木)~5月1日(金) アメリカトレーニングキャンプ 参加メンバー
【スタッフ】
ヘッドコーチ: コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
通訳: 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
プレーヤーディベロップメントコーチ: ブライアン・フィンリー(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 緒方 博紀(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 佐藤 晃一(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【選手】13名
梅沢 カディシャ樹奈(C / 188cm / 27歳 / ENEOSサンフラワーズ)
山本 麻衣(PG / 163cm / 26歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
奥山 理々嘉(PF / 180cm / 26歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
今野 紀花(SG / 179cm / 25歳 / デンソー アイリス)
東藤 なな子(SG / 175cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
樋口 鈴乃(PG / 164cm / 24歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
平下 愛佳(SF / 178cm / 24歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
舘山 萌菜(SF / 178cm / 23歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
朝比奈 あずさ(C / 185cm / 22歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
薮 未奈海(SF / 178cm / 21歳 / デンソー アイリス)
都野 七海(PG / 159cm / 21歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
白石 弥桜(PF / 184cm / 19歳 / デンソー アイリス)
※平均(Average):175.7cm、23.3歳
※2026年4月14日現在
※所属はWリーグ 2025-26シーズンを記載しています
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)









