Bリーグ事業規模が965億円に到達見込みと発表、島田チェアマン「うれしい誤算、目標の上方修正を検討する」

B.革新 初年度 2026-27シーズン カーディング発表記者会見より
予想を上回る「うれしい誤算」
4月14日、Bリーグはメディアブリーフィングを実施し、2025-26シーズンの入場者数および事業規模の着地見込みを発表した。事業規模が965億円に達し、当初の経営目標を大幅に前倒しして達成する見通しとなった。新アリーナの相次ぐ開業と「B.革新」を見据えた各クラブの先行投資が、リーグ全体の価値を押し上げている実態が浮き彫りとなった。
島田慎二チェアマンの口から語られたのは、日本のスポーツビジネス界にとって歴史的なマイルストーンとなる数字だった。
「リアルな数字をお見せできる状態になった」と切り出した島田チェアマンが示した資料によれば、今シーズンのB1・B2・B3、そしてリーグ興行を合わせた総入場者数は約600万人に到達。さらに事業規模は965億円にまで膨れ上がっている。Bリーグとしては2028年度目標として「総入場者数700万人、事業規模800億円」を挙げていたものの、後者はすでに160億円以上上回り、前者はあと100万人にまで迫る勢いだ。


※B.LEAGUE発表資料より
島田チェアマンは「成長することは分かっていましたが、大きく跳ねるレベル感が予想以上に大きかった。その蓄積で、うれしい誤算になりました」と、率直な手応えを口にした。2016年のリーグ開幕時に僅か224万人だった入場者は、コロナ禍の沈黙を経て、今や約2.7倍にまで拡大している。
「B.革新」と新アリーナがもたらした熱狂
成長を支える要因として紹介したのが、各地で産声を上げている「新アリーナ」の存在である。B1ではアルバルク東京(TOYOTA ARENA TOKYO ※新設)や名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(IGアリーナ ※新設)、B2でも神戸ストークス(GLION ARENA KOBE ※新設)や福島ファイヤーボンズ(宝来屋 ボンズアリーナ ※大規模改修)といったクラブが、より収容人数の多い、あるいは演出力の高い拠点での興行を本格化させている。
TOYOTA ARENA TOKYOなど新アリーナの存在が成長の要因となった
島田チェアマンは「大きなアリーナが誕生したということと、クラブ数が2つ増えたところも要因」と分析。アリーナの収容力向上は、単なるチケット収入の増加だけでなく、スポンサー価値の向上やホスピタリティサービスの拡充をもたらし、リーグ全体のビジネスモデルを一段高いステージへと押し上げている。

※B.LEAGUE発表資料より
実際、昨シーズンの入場者数平均はB1で5,064人、B2で2,982人と、いずれも昨季を越えて推移している。特定地域の熱狂ではなく、リーグ全体の底上げが数字に表れている点は見逃せない。なぜ予見を上回るスピードで成長が続いているのか。その問いに対し、「2023-24シーズンはワールドカップ効果がありました。しかし、その後も成長が続いている。それは恩恵よりも、最初は18が上限だったB.PREMIERのクラブ数の上限を撤廃したことで、どのクラブも『上に行くぞ』というモチベーションを持ち、それが実績につながった。だから、私はB.革新がもたらした結果だと思っています」と、島田チェアマンは「B.革新」によるマインドセットの変化を強調した。
かつての「成績順による昇降格」から、ビジネス面とアリーナ要件を軸とした新ライセンス制度への移行。この構造改革が、各クラブに「事業規模の拡大」という具体的な目標を提示し、投資を加速させる呼び水となった。
2028年度の到達点をすでに超えつつある今、リーグは目標の再定義という新たなステージに入った。「事業規模はB3まで加えると965億円まで来ている。目標の上方修正を検討し、スピード感を上げていきたい」と、島田チェアマンは確信を込めて次なる野心を口にした。1,000億円の大台を目前にした今、B.LEAGUEが見据えるのはさらなる高みである。

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)









