Bリーグ×xIB JAPANが示す“地域創生”の新たな解「起業家精神が加速させるバスケビジネスの未来」

“徳島モデル”の成功が証明した、起業家によるクラブ経営の可能性
4月14日、Bリーグの理事会後に行われた会見で、一般社団法人xIB JAPAN(以下、xIB JAPAN)との連携協定締結が発表された。起業家ネットワークを駆使して地域課題の解決を目指す同団体との連携は、島田慎二チェアマンが掲げる“地域創生リーグ”の具現化を後押しする取り組みとなる。
今回の提携のキーマンであり、xIB JAPANの代表理事を務める藤田恭嗣氏は、上場企業である株式会社メディアドゥの代表取締役社長であると同時に、徳島ガンバロウズの代表取締役、そしてBリーグの理事という三つの顔を持つ。藤田氏が地元・徳島で立ち上げた“徳島イノベーションベース(TIB)”こそが、今回の提携の原点だ。
藤田氏は会見で、徳島ガンバロウズの経営のスピード感について「徳島ガンバロウズは、2年目で単年度黒字化を達成しました。そして3年目の今シーズンには、初年度の累積赤字すら解消する見込みです。この成功の裏には、TIBというプラットフォームを通じて行政、メディア、金融機関、大学を巻き込んできた実績があります」と言及した。
藤田氏が黒字化の要因としてまず語ったのは、メディアの力だ。地元紙である徳島新聞では2日に1回以上のペースでクラブの情報が掲載され、地元テレビ局も緻密な番組設計で選手やクラブを追い続ける。
こうしたバックアップ体制を築けたのは、単にスポーツを応援するからではなく、起業家支援を通じて醸成された、地域を良くするという共通の目的意識があったからだと説明している。
藤田氏は、「企業家が得意とする『地域を巻き込む力』が、クラブ経営に組み合わさることで、スポーツは地域にとって絶対に必要なインフラになる」と断言した。この“徳島モデル”の知見を全国に横展開することこそ、今回の連携の核心である。
クラブ未設立の“空白地帯”解消と、経営力の底上げ
Bリーグが進める“47都道府県プロジェクト”にとって、xIB JAPANの存在は心強い。リーグは2028-29シーズンまでに、現在クラブが存在しない6県(山梨、和歌山、鳥取、高知、大分、宮崎)での新クラブ設立を目指している。
実は、この6県のうち4県にはすでにxIB JAPANの拠点が設立されており、新規クラブ立ち上げに向けた情報連携や、現地の経営者・起業家とのマッチングが期待されている。
これについて島田チェアマンは、「アリーナが生む熱狂を一過性のものにせず、地域の持続可能な力に変えていくためには、地域の経営者の皆様との強固な連携が欠かせません。Bクラブの持つ『地域を繋ぐハブ機能』と、地域IBの持つ『事業創造の知見』を融合させることが不可欠です」と提携の意義を紹介した。
すでにクラブが存在する地域においても、この連携は大きな意味を持つ。特定のオーナー企業に依存しがちなクラブ経営から脱却し、地元の複数企業がスポンサーシップや資本参画を通じて“自分たちのクラブ”として事業開発に携わる道が開かれるからだ。
それが、結果として経営における“再現性”と持続可能性を担保することになる。

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)









