「厳しい戦いだったが収穫もある」W杯予選を終え、小栗ダイレクターと萩原副委員長が強化策を語る【女子日本代表】

左から萩原美樹子強化副委員長(女子代表強化委員会部会長)、コーリー・ゲインズHC、小栗弘女子代表ダイレクター(2月のメディアデーより)
辛くもつかんだW杯出場権、次なる世界への課題とは
先月トルコ・イスタンブールで行われた「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント」で、女子日本代表はいきなり3連敗を喫しながらもその後2連勝を飾り、本大会への出場権を獲得したことは記憶に新しい。その戦いを受けて、4月7日、日本バスケットボール協会は女子日本代表の小栗弘女子代表ダイレクターと、萩原美樹子強化副委員長(女子代表強化委員会部会長)のメディアブリーフィングを実施。タフな予選を戦い抜いたチームの現在地と、本大会に向けた今後のビジョンについて語った両名のコメントをレポートする。
崖っぷちでつかんだ切符。大会の歩みと本番への課題(小栗氏)
ブリーフィングの冒頭、小栗氏は今大会を振り返って、「自力で出場権を確保することができず悔しい部分もあるが、最重要ミッションであった出場権を得ることができ、本当にうれしく思う」と安堵の表情を見せた。今回の予選に向け、チームは2月20日から国内合宿をスタート。3月1日からリトアニア遠征を経て現地での練習試合や時差調整を行い、3月7日に馬瓜ステファニーが合流して最終メンバー12名がそろった。カナダ戦に勝利したあとの3月16日にアルゼンチン戦に向けたチームランチを実施するなど、短い期間でチームの結束力を高めるためのチームビルディングも行われていたという。「スタッフからの要望がほぼかなうような準備ができ、Wリーグ関係者の皆様にご理解、ご協力をいただけたことで出場権を得ることができた」と小栗氏は周囲への感謝を口にした。
また、今後の本大会に向けての課題として「アジアカップやワールドカップ予選の結果を見ても、大会を通してチーム状態が尻上がりに良くなっていった。(これを踏まえると)直前練習でワールドクラスのチームと試合を組むことがさらなる強化につながる。本大会前にはそのようなマッチメイクをしていきたい」と語った。

国際大会との経験値の差と、外国籍選手導入がもたらす「プラス効果」(萩原氏)
萩原副委員長は「トランジションからの3Pシュートは、まだ日本の強みである一方、選手たちも世界全体の突き上げを肌で感じている」と発言。試合を重ねるごとにチーム状態が向上していった点については、「海外のリーグに比べて、国内(Wリーグ)は年間試合数が少ないため、パッと集まったときのケミストリーの構築に時間がかかる面があるのかもしれない」と課題を指摘。短期間で連係を深め、厳しい戦いを勝ち抜くためには、代表合宿の日程についてより長く期間を取るような検討の余地があるとした。
さらに、国内で直前までプレーしていても、国際大会になるとサイズや強度が大きく異なる相手と対峙しなくてはならないというギャップが存在する。これをどう埋めていくかが強化部会のミッションであると説明し、萩原副委員長は今季のWリーグで導入された外国籍選手について「例えばENEOSの196cmの選手(プレッチェル アシュテン)がゴール下にいたら、簡単にはフィニッシュできない。そういった状況が日常的に生まれることで、工夫というものが生まれてくる。将来的な部分も考慮すれば、外国籍選手の導入というのは代表強化に大きく寄与するものであると思っている」と言及した。
本番に向けた歩みは、すでに始まっている。WNBAフェニックス・マーキュリーが発表した女子日本代表とのプレシーズンゲームについて、小栗ダイレクターは予選メンバーを中心とした編成になると明かした。
9月、ベルリンでの本大会までの時間は限られている中で、いかに強化を図り、強みを発揮していくか。今後に期待したい。
■FIBA 女子ワールドカップ2026 予選トーナメント 日本の試合結果
【開催地】トルコ・イスタンブール
3月11日(水) ●65-77 ハンガリー
3月12日(木) ●71-81 オーストラリア
3月14日(土) ●67-75 トルコ
3月15日(日) ○66-62 カナダ
3月17日(火) ○83-39 アルゼンチン
成績:4位(2勝3敗)
※日本、カナダ、トルコが並んだが、該当チーム間の対戦成績により日本が4位となり出場権を獲得
■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 大会概要
【日程】2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】ドイツ・ベルリン
【出場チーム】ドイツ(開催国)、オーストラリア、ベルギー、中国、チェコ、フランス、ハンガリー、イタリア、日本、韓国、マリ、ナイジェリア、プエルトリコ、スペイン、トルコ、アメリカ

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)









