月刊バスケットボール5月号

Wリーグ

2026.04.03

トヨタ自動車対デンソー、どちらが女王に【Wリーグファイナル】

ファイナルへの意気込みを語る選手ら

レギュラーシーズンは2勝2敗同士の対戦

京王電鉄Presents Wリーグプレーオフ2025-26ファイナル(3戦先勝方式)が4月4、5日と11~13日、京王アリーナTOKYO(東京都調布市)で開催される。4シーズンぶりの優勝を目指すトヨタ自動車と悲願の初戴冠を狙うデンソーが相まみえる。レギュラーシーズンの対戦成績は2勝2敗と激戦必至。女王の座を手にするのはどちらのチームか。

トヨタ自動車
トヨタ自動車アンテロープス


デンソーアイリス




守りのトヨタ自動車 2年目選手の成長が躍進の源

レギュラーシーズン1位のトヨタ自動車は、#23山本麻衣と#15安間志織のガード2人や日本代表の#14平下愛佳がチームを引っ張り、#13オコンクウォ スーザン アマカがゴール下に君臨する。24-25シーズンは5位でプレーオフを逃した悔しさを糧に23勝を積み上げ、1位。昨季から飛躍の鍵は2年目選手の成長で、#30三浦舞華や#42田中平和、#3小野寺佑奈らの著しい進歩が底上げにつながった。
プレーオフ前の会見で山本は「レギュラーシーズンを通して、勝つことで成長し続けられたシーズンだったと思います。勝っている中でも自分たちに満足せず、コーチ陣と話し合いながらスタンダードを常に高めてきた結果が1位という成績につながったと考えています」と述べている。


#30三浦舞華


#3小野寺佑奈

チームは堅守が武器で、レギュラーシーズンの平均失点は57.07点で堂々の1位。トヨタ紡織とのセミファイナルでは先勝しながら70失点し第2戦を落とした(66-70)ものの、第3戦は相手の3Pシュートをわずか3.7%(27本中1本成功)に抑え込むなど再び堅いディフェンスを発揮し50点以下に抑えて77-49で勝利。3シーズンぶりの決勝に駒を進めた。
ファイナルでもボールを奪い、速い攻撃に持ち込むことができれば勝機は増すだろう。3日の前日会見で山本は「自分たちが今まで準備してきたことを体現して、みんなで必死になって勝ちに行きたいと思います」と意気込んだ。


#23山本麻衣



粘り強く守るデンソー 渇望するタイトルへ一丸

対するデンソーは大黒柱の#8髙田真希、#4川井麻衣らがけん引。#13木村亜美は要所で3Pシュートを決め切る力があり、今季再加入した#21笠置晴菜は攻守で存在感を放つ。また、#73今野紀花、#18薮未奈海がバックアップに回る選手層の厚さはリーグトップと言ってもいいだろう。
今季はユナイテッドカップ、皇后杯ともに決勝に進んだが、いずれもENEOSに苦杯をなめタイトルを逃してきた。髙田はユナイテッドカップ敗退後、「皇后杯もファイナルまで来ましたが、あと一歩で優勝を逃しています。この準優勝という結果に意味を持たせるためには、プレーオフで優勝するしかありません。優勝しないと、この2つの負けは意味がありません」と並々ならぬ思いを語っている。
この強い気持ちが3シーズン連続5度目のファイナルへと推し進めた。富士通とのセミファイナル第3戦は57-58の第4Q残り6秒、川井がシュートを決め逆転、最後は#28シラ ソハナ ファトー ジャが相手のシュートをブロックして富士通の3連覇を阻んだ。


#4川井麻衣


#13木村亜美


デンソーは全員で粘り強く守り、リーグトップ平均9.93本のスティールでボールを奪う。オフェンスは髙田のポストプレーを中心に外は木村、川井、笠置などと内外どこからでも点が取れる隙がない布陣。総合力で試合を優位に進め、悲願の初制覇をつかみたい。髙田は前日会見で「けがでプレーできない選手たちの思いも背負って、コートで全員で戦っていきたいと思います」と力を込めた。


#8髙田真希

守り合う展開か 1つのミスが命取りに

ファイナルでは初顔合わせ。ディフェンスが持ち味の両者の試合は、守り合う締まった展開が予想される。互いに第3戦までもつれ込んだセミファイナルを制し勢いに乗るため、試合序盤のディフェンスのトーンセットが鍵を握りそうだ。
逆を言えば、早い段階でオフェンスの主導権を取りたいところ。セミファイナルではトヨタ自動車が山本や三浦、デンソーは髙田や川井などを筆頭にそれぞれ好調を維持。堅いディフェンスを突き破る、攻撃の火付け役となる存在が日替わりで現れれば、優勝に近づく。
平均ターンオーバーの数はトヨタ自動車11.36本(リーグ1位)、デンソー12.46本(同2位)と差が小さいだけに、1つのミスが命取りになりかねない。アグレッシブなオフェンスを展開しつつも好機を逃さず、堅実に得点を重ねたい。





文/磯野雄太郎(月刊バスケットボール)

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