鳥取城北と精華女が「NBA Rising Stars Invitational」日本予選を制覇! 福元源士、シンガポール遠征を「人生の経験に」

「NBA Rising Stars Invitational」は昨年初開催され、第1回大会には男子は福岡大附大濠(福岡)、女子は京都精華学園(京都)が出場。京都精華学園は初代王者に輝いた。
因縁の“福岡対決”は
我慢比べを精華女が制す!

女子決勝は精華女と東海大付福岡による“福岡対決”が実現。
互いに手の内を知り尽くす者同士の対戦は1Qから守り合いの大接戦。序盤こそ東海大付福岡がリズム良く点を重ねて先行したが、前半を終えてスコアは20-22。東海大付福岡が僅かなリードを取っていた。
後半に入ると精華女が逆転に成功したが、そこから先はシーソーゲーム。インサイドの#42 ブバ アイシャ エジネ(精華女)と#55 ニエ カディジャ ファール(東海大付福岡)が互角の戦いを見せて相殺されると、準決勝で好調だった両チームのアウトサイド陣も厳しいマークに遭ってなかなか点を伸ばせず。
1ポゼッション差が遠い接戦は4Q残り2分を切っても42-42の同点。接戦に終止符を打ったのは精華女のアイシャだった。#14 後藤帆乃果が放った3Pシュートのこぼれ球を拾い、ショートジャンパーをバスケットカウントで成功。ボーナスフリースローこそ落としたものの、最後までこの2点を守り切った。
ライバルへの勝利とシンガポール行きの切符を手にした2つの喜びから、精華女の選手たちは喜びを爆発させた。
試合後、2年生シューターの後藤は「最高です」と満面の笑みで答えた。準決勝では3P7本を含む30得点を挙げた後藤だが、この試合は最後までタッチが定まらずに3Pは10本打って成功なし。それでも「自分の得点がなかなか伸びない中で、気持ちが沈んだ時間もあったんですけど、仲間が鼓舞してくれました。自分が点を取れない分、そこを埋めてくれたのですごい助かったし、気持ちの面でも楽になりました」とチームメイトの助けもあって最後まで攻め気を失わなかった。
終盤の相手タイムアウト時には大上晴司コーチから長い時間アドバイスを受けた。その内容を聞くと、彼女はこう答えた。
「この試合は相手に勝つことじゃなくて、自分自身に勝つことをチームとして目標にしていました。でも、あのときは自分に負けていて、相手を怖がっている感じだったので、大上先生がそこで『自分自身に勝てよ』という言葉をくださって、頑張らないとなと思えました」
昨年はほとんど出番がなかった後藤だが、今は自分が点を取らなければならないという責任が大きく芽生え、大上コーチも次期エースとして期待を寄せるまでになった。

マッチアップする工藤(奥)と後藤
この試合に関しては、同学年のライバルの存在も刺激になった。東海大付福岡の#1 工藤結心だ。
170cm前後とサイズもほぼ同じで、ポジションもお互いシューター。この試合でもマッチアップする時間が長く、「相手はキャリアもすごくあって、自分はそこの部分は補えないかもしれないけど意識はしています」と話す。
チームとしては、東海大付福岡との対戦は今年に入ってもすでに5回目。今大会では勝利したが、今後のインターハイ予選などでも彼女たちのライバル関係は続いていく。

鳥取城北が 3Qの猛攻で東山を下す
男子決勝は鳥取城北と東山(京都)の対戦。新チームになってからは初めてのマッチアップとなったが、前半はアップダウンの激しい展開だった。1Qは鳥取城北ペース。早々に東山#9 ウェトゥ ブワシャ エノックに2つのファウルを犯させると、彼がベンチに下がっている間に#50 フィルモン ホムタワ タルモンを軸にインサイドを蹂躙。23-12と快調な滑り出しを見せた。
しかし2Qに入ると東山が前に出る。#8 佐藤久遠と#7 新井伸之助 が立て続けに3Pやドライブを決めて一気に逆転。鳥取城北#4 福元源士はその時間帯を「前半は自分たちの強みの走るバスケができていなかった」と振り返る。前半を終えて33-38と鳥取城北は5点のビハインド。

東山・佐藤は最後まで奮闘するも及ばず
このまま競り合いが展開されるかと思いきや、しかし──3Qに流れが一気に変わる。
鳥取城北は福元と#13 角威武輝の連続3Pで前に出ると、その後も持ち味のアグレッシブなディフェンスから走り、オフェンスリバウンドやルーズボールに果敢に飛び込んだ。その結果、一度では決め切れなくとも2度、3度とポゼッションを獲得し、東山に肉体的にも精神的にもストレスを与える形で得点を伸ばしていく。
東山は焦りからか1オン1に偏ったオフェンスが増え、その間に鳥取城北はベンチメンバーも積極的に登用しながらさらに点差を拡大する。
37-8。
圧巻の10分間だった。
その後、多少の追い上げは受けたものの3Qに作った貯金は最後まで崩れず、最終スコアは82-59。福元は「3Qの最初に2Pと3Pをポンポンと決められたのは良かったんですけど、点差がついた後にターンオーバーが多くなってしまった点はまだまだ良くない」と冷静に振り返りつつも、優勝については「めちゃくちゃうれしい」とかみ締めた。

角は3Qの猛攻に一役買った
観客の声援や演出も「やっぱり見られるのを楽しもうって、周りのみんなが見てくれているから、その分、一生懸命に、“遊びながら”楽しんでやっていこうかな」とショーとしてもこの予選大会を大いに満喫した。
いよいよ6月には本大会でシンガポールに赴く。「競技としての経験もそうですし、人生の経験としても、いろんな文化やいろんな食べ物を経験できるので、そこは楽しみです」と笑顔で語った。
高校バスケにおいて世代別の日本代表以外での、高校単位での海外遠征の機会はまだまだ限定的だ。世界と日本の高校をつなぐ架け橋となる「NBA Rising Stars Invitational」は、高校生世代の更なる競技力の向上、そして福元が言葉にした「人生の経験」を積むための貴重な舞台だ。今回の予選は、そのスタートラインとなっていくことだろう。

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写真・文/堀内涼(月刊バスケットボール)







