月刊バスケットボール5月号

【明日3/31決勝】──東山vs.鳥取城北、東海大付福岡vs.精華女 「NBA Rising Stars Invitational」日本予選 勝者がシンガポールでの本戦へ!

優勝校が、今年6月にシンガポールで開催されるアジア・太平洋地域高校No.1決定戦「NBA Rising Stars Invitational」本戦の出場権を獲得する──日本の高校から世界に羽ばたくチャンスを得られる機会として用意されたのが、「NBA Rising Stars Invitational JAPAN QUALIFIERS Presented by SoftBank」、つまり日本国内での予選大会だ。

「NBA Rising Stars Invitational」は昨年初開催された大会で、今回が2回目。昨年は女子の京都精華学園が優勝を飾っている。

初開催された今回の予選大会には男女の強豪各4校が集結。準決勝を勝ち抜いて明日3月31日(火)の決勝戦に進んだのは、男子・鳥取城北(鳥取)東山(京都)、女子・東海大付福岡精華女(共に福岡)だ。



【女子準決勝】東海大付福岡 62-61 八雲学園

エース工藤の好守で激闘に終止符

本日は男女の準決勝が行われ、第1試合は東海大付福岡が八雲学園(東京)を1点差で退けた。

試合は終始、東海大付福岡のペースで進み、4Q残り1分で7点のリード。このまま危なげなく逃げ切るかと思われたが、八雲学園は#9 テウ・アダマの3Pシュートと#7 石丸枝奈のバスケットカウントが決まり、僅か数十秒の間に62-61と迫る。迎えた八雲学園の最後のポゼッションは絶対エース・アダマの1オン1。

しかし、マークに付いた東海大付福岡の#1 工藤結心がボールをチップし、ターンオーバーを誘発。このプレーが勝負を決め、試合終了のブザーが鳴った。

工藤はこのスティールを含めて試合をとおして4スティールをマーク。さらにオフェンスでも3本の3Pシュートをを含む19得点の活躍だった。「NBA選手もいたりと会場の雰囲気は、正直ウインターカップくらい緊張しました。でも、こういう舞台は初めてだったので、楽しんでやろうと思ってプレーしました」と工藤。

今大会用に特別に用意されたユニフォームについても「NBAって感じですごくびっくりしました。NBAの試合は普段から結構見ていて、自分がシューターということもあってステフィン・カリーやトレイ・ヤングなどのシュートがうまい選手のプレーを参考にしています」と笑顔を見せた。



【女子準決勝】精華女 64-56 京都精華学園

序盤の3P攻勢で勢い付いた精華女が
前回大会覇者を破る!

逆の山から勝ち上がったのは、前年の本大会覇者・京都精華学園(京都)を破った精華女。昨年度のスタメン全員が入れ替わったが、新2年生の#42 ブバ・アイシャ・エジネを軸に、新エースとしての期待がかかる#14 後藤帆乃果らバランスの取れた布陣で挑んだ。

試合は予想外の立ち上がりを見せる。精華女・後藤が序盤から快調に3Pシュートを決めると、ディフェンスでも京都精華の高さを全員で守り、なんと13-0のランを展開。

司令塔の#5 松本莉依が冷静なゲームメイクを見せつつ、オフェンスリバウンドにも全員で飛び込み、試合をとおして15本を獲得。後半には一時逆転を許す場面もあったが、そこで折れずに戦い続けた成果が、勝利に結び付いた。

中でも後藤は、序盤の流れをつかむシュートに加えて拮抗した場面でもドライブやジャンパーで着実に得点。試合をとおして3P7本を含む30得点の大活躍を見せた。昨年はほとんど試合に絡んでいなかった後藤だが、大上晴司コーチいわく「春の遠征あたりから彼女が自分でやり切れるようになりました。もともとはハードに守られたりするとシュンとしてしまう子だったのですが、苦しいときでも後藤がちゃんと決めてくれました」と、特にメンタル面での成長が大きかった。

女子決勝は“福岡対決”。互いに負けられない好勝負が繰り広げられそうだ。



【男子準決勝】鳥取城北 61-50 福岡第一

ウインターカップ4強対決は
後半に抜け出した鳥取城北に軍配

男子第1試合は、鳥取城北と福岡第一(福岡)のマッチアップ。両者は共に昨年のウインターカップで4強入りを果たしている。

試合は序盤で福岡第一が抜け出す時間帯も見られたが、以降は拮抗。互いに決定打がないまま前半を34-31で福岡第一がリードする。しかし後半に入ると鳥取城北が逆転。ジワジワと点差を開いていく。

中でも輝きを放ったのはPGの#4 福元源士。卓越したハンドリングスキルで福岡第一のディフェンスをいなすと、得意のプルアップジャンパーや3Pシュートをリズムよく決めていく。

1点リードで迎えた4Qにはディフェンスも冴え、19-9としてリードをさらに拡大。福岡第一のお家芸であるオールコートプレスにも慌てずに対処し、61-50で勝利した。福元は24得点、10アシストのダブルダブル。加えて7リバウンド、5スティールと八面六臂の大活躍だった。

鳥取城北はウインターカップ後に指揮官の河上貴博コーチが退任。アシスタントコーチを務めていた大阪力コーチが新たに監督に就任し、文字通りの新体制となった。

福元は「正直、最初は先生が変わって心細いところがありましたが、ポジティブに考えればキャプテンの自分がもっと発信していって、自分の成長につなげられるチャンスでもあります」と、環境の変化をも自身のステップアップに変えんと戦っている。

明日の決勝で勝てばシンガボールで開催される本大会の切符を手にする。「シンガポール、行きたいです。マーライオンを見てみたいし、おしゃれな感じがするじゃないですか」。そう笑う福元の顔は、コート上での鋭い表情から一人の高校生のそれに戻っていた。



【男子準決勝】東山 80-60 土浦日本大

東山が後半の猛攻で土浦日本大を撃破

最終試合は土浦日本大(茨城)と東山の対戦。前半はお互いにシュートタッチに苦しみ、特に東山は3Pシュートに大苦戦。ハーフタイム時点で1本も3Pを射抜くことができていなかった。

しかし後半、前半の不調がウソであったかのように3Pが決まり始める。今大会はNBA公式級のウィルソン製のボールを使用していたこともあって、「普段とは違ったボールで最初は手に付かなかった」と東山#6 大森来玖。しかし後半は「ハーフタイムでしっかりとシューティングしてアジャストできた」と、チーム初の3Pシュートを沈めると、立て続けに3Pをヒットした。

大森が生み出した流れに乗るように、#7 新井伸之助も3Pを連続で沈め、さらにランニングプレーやセカンドチャンスからも次々にスコア。 後半を48-33(3P8本成功)と圧倒し、東山らしいオフェンシブな戦いで大勝(80-60)を飾った。

東山は大森がゲームハイの21得点、新井が20得点と続いた。試合後、新井は「前半は全然3Pが入りませんでしたが、後半も打ち続けて入るようになったので、自信を持ってプレーできました」と振り返った。チームとしてはエースガードの中村颯斗が不在で、「颯斗がいない分、僕がハンドラーをして得点面でもチームに貢献できたらと思っていた」(新井)と、新井や大森も普段以上の大役を担っていた。

明日の決勝は新チームになって初対決だという鳥取城北が相手。勝った方が、日本の高校生を代表して本大会の出場権を得る。

3月31日(火)
女子決勝/11:00~/東海大付福岡(福岡)vs. 精華女(福岡)
男子決勝/13:00~/鳥取城北(鳥取)vs. 東山(京都)


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写真・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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