月刊バスケットボール2月号

Bリーグ

2026.03.20

【EASL】アルバルク東京が後半に大失速…ザック・バランスキー「良いときと悪いときの違いをみんなで明確にして、また同じ方向に向かわなければならない」

後半は、悪夢のような展開だった──。


EASL FINALS MACAU 2026」の準決勝で、台湾の桃園パウイアンパイロッツと対戦したアルバルク東京は、最終スコア76-102で完敗を喫した。前半はすばらしいボールムーブから次々に3Pシュートが決まった。開始約5分で19-7とした立ち上がりから詰め寄られたものの、それでも54-50で試合を折り返していた。

しかし、ここから歯車が乱れる。

後半にいきなり0-9の先制パンチを受けて逆転を許すと、タイムアウトを挟んだ後も桃園の高さに苦しんでペイントで次々にスコアされ、オフェンスでも相手の激しいオンボールディフェンスを前にエントリーに時間を要したことで前半のようなズレを作れずにタフショットが増えた。さらに、ドライブで突破してもレイアップがことごとくこぼれ、気付けばその差は10点、20点と開いていった。

試合後、テーブス海は「向こうも自分たちのボールを運びに対してなるべくストレスかけることを間違いなくポイントにしていたので、それで自分たちの行きたいポジションに行けなかったり、オンボールだけじゃなくてオフボールのプレッシャーにも苦しみました」と振り返った。特に後半は相手の修正にアジャストできず、「前半はドロップディフェンスしていたのでピック&ロールを使えば打開できたのですが、後半はスイッチが多めになって、それでミスマッチになっても周りの寄りが早くて戻るのも早かった。そういうときに、もう少し自分がペイントアタックできたらつなげたのかなと思います」と話した。

後半のトータルスコアは22-52。最後まで打開策を見付けるには至らなかった。

それでも、帰化選手のライアン・ロシターが不在でレギュラーローテーションのビッグマンがセバスチャン・サイズのみの苦しい台所事情の中で、約13分のプレータイムを獲得した平岩玄が5得点、4リバウンドと懸命にペイントで体を張り、リーディングスコアラーとなったマーカス・フォスター(21得点)も最後までペイントアタックし続けた。







そうした大きな理由の一つが、遠くマカオまで駆け付けたアルバルカーズ(ファンの愛称)のためだ。

ザック・バランスキーは言う。「最後の最後まで声がすごく聞こえてきましたし、予選も含めて海外までいろいろなところ一緒に来て戦ってくれて、感謝しかないです。
今日もこういう展開になっても、最後まで一緒に戦ってくれてすごくパワーになりました。次の試合はすぐにやってくるので、切り替えてしっかりと3位を勝ち取れるようにしたいです。恩返しというか、マカオまで来て良かったなと思わせるような試合を最後にできたらと思います」

テーブスも思いは同じだ。「まだBリーグのシーズンも続きますし、次につなげないといけないです。何より、今日もたくさんのアルバルカーズがマカオまで来てくれたので、アルバルカーズのためにせめて3位決定戦は勝って終わりたいです」

今季のA東京は開幕戦からいきなり複数のケガ人やコンディション不良者を抱え、誰かが戻ってくれば誰かが離脱する状況が続いている。「多分まだ1試合もフルメンバーで戦えていないと思う」とバランスキーが語るほど、過酷な台所事情と戦う日々が続いている。



だが、その中でもいる選手がステップアップして結果を残してきたのが今季の彼らでもある。その最たる例が天皇杯優勝だった。バランスキーは天皇杯を引き合いに、「天皇杯などで勝ったときは、チームで戦えていました。それが今はうまくできていないので、もう一回みんなで話し合って、チームとして戦っていかなければいけません。勝てているときは全員でカバーし合って、ディフェンスで抜かれたとしてもヘルプローテーションをして、リバウンドも全員でボックスアウトをしたりチップしたりと、5人の連動が高いときは本当に強いアルバルクかなと思っていますが、ここのところそれが失いつつあります。良いときと悪いときの違いをみんなで明確にして、また同じ方向に向かわなければいけません」

この準決勝でも、選手たちは何とか状況を打開しなければと懸命なプレーを見せた。だが、それはチームとしてではなく、個々人が一人で打開しようとしたプレーだった。もちろん、その意気込みはすばらしい。だが、バランスキーの言葉どおり、今のA東京はそれを5人全員で連動させた上で実行しなければいけない状況だ。

2シーズン前の開幕直後のインタビューで、バランスキーは「強いアルバルク」の条件を以下のように話していた。

11人が自分のエゴは持ちつつ、同時にそのエゴを捨てる覚悟も持って本当にチームのために必要なプレーをしたり、仮に自分が試合に出られなくてもコートの選手を応援したり自分の活躍だけじゃなくて仲間の活躍を喜ぶような選手がそろったときのアルバルクが一番強いです。僕はアルバルクで10シーズン目ですけど、今まで見てきた優勝チームはそれができていたのかなと思います」

いつの時代も、それは変わらない。明日の琉球ゴールデンキングスとの3位決定戦で、ファンに勝利を届け、同時に「強いアルバルク」を再度示したい。

文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)

PICK UP