月刊バスケットボール2月号

3Pシュート成功14発で日本快勝!W杯の切符はカナダ戦の結果次第に [FIBA 女子W杯2026予選]

序盤からの3P攻勢で主導権を握る

現地時間3月17日、トルコ・イスタンブールで開催されている「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント」で、女子日本代表(FIBAランキング11位)は同じく1勝3敗のアルゼンチン(同27位)と対戦。前半だけで7本の3Pシュートを決め、24点リードで後半を迎えると最後まで隙を作らず、83-39で大会2勝目を挙げた。このあと行われる試合で、暫定4位のカナダ(同7位)が首位オーストラリア(同2位)に敗れれば、同率で並ぶカナダを直接対決の成績で上回るため、日本の逆転でのワールドカップ出場が決まる。

実力国がひしめくグループAに入った日本は、開幕からハンガリー、オーストラリア、トルコを相手に勝負どころでの失速が響き、苦しい3連敗。しかし、後がない状況で迎えた第4戦では、先発メンバーの変更や粘り強いディフェンスが功を奏し、カナダから66-62で大会初勝利を挙げて崖っぷちで踏みとどまった。#31平下愛佳が「一番のきっかけは、カナダ戦前に行われたチームミーティングです。コーリーHCが自身の熱い思いを伝えてくれたことで、選手たちの心に響き、チームの一体感がさらに増しました」と語ったように、見事に立て直すことに成功した日本。ワールドカップ出場をたぐり寄せるためにも、チーム全員が「絶対に勝つ」という目的を共有し、絶対に負けられない試合へと臨んだのだ。

日本はカナダ戦と同じ、#75東藤なな子、#26田中こころ、#31平下、#8髙田真希、#10渡嘉敷来夢が先発。まずは#26田中がフリースローライン付近からターンショットで初得点すると、#75東藤、#31平下が3Pシュートを続けて射抜き、開始3分で8-2とした。アルゼンチンに、ペイントエリア近くからターンショットを決められた日本だが、ディフェンスからいい展開を作ると#2今野紀花が2本、#52宮澤夕貴が1本と3Pシュートで加点。リードを2桁に広げ、23-7で1Qを終えた。

2Q序盤、ここまで3Pシュートを10本中5本と高確率で沈める日本に対し、アルゼンチンは距離を作って対応。しかし、日本は#10渡嘉敷がインサイドで存在感を発揮し、直後には#3馬瓜ステファニーが右エルボー付近から決めるなど、バランスの良いオフェンスを展開する。20点差に広げたあと、得点が止まる時間帯もあったものの、コートに入ったばかりの#14朝比奈あずさが3Pシュートを射抜くと、#23山本麻衣が速攻からの3Pシュート、フリースローで加点。このクォーターは17-9とし、40-16で前半を終えた。

日本は2Pが4/10(40%)、3Pが7/15(46.67%)とシュートが好調。リバウンドで19-15と優位に立ち、アルゼンチンのFG成功率を6/26(23.08%)に抑え込んだ。強度の高いディフェンスについて、コーリー・ゲインズHCは「試合前のミーティングで『コントロールできることをコントロールしよう』とホワイトボードに書きました。正しい位置にいること、プレーの遂行、ボックスアウトなど、自分たちで制御できる細かい部分を徹底するよう伝えました。選手たちはそれを実行し、ペースを維持してディフェンスを継続しました」と手応えを口にしている。



課題の後半も隙を見せず。出場全選手が得点


3Q立ち上がり、日本はターンオーバーが出るとアルゼンチン#9フリエタ・ムンゴに連続して3Pシュートを決められてしまった。嫌な空気が漂ったが、日本はゾーンディフェンスに対して、#31平下が連続して3Pシュートを成功。さらにディフェンスを引き付けた#37薮未奈海からのパスで#23山本が3Pシュートを射抜くなど、変わらずロングシュートで加点する。その後も、#2今野、#37薮、#31平下、#3馬瓜の3Pシュートが決まり、69-27として最終クォーターへ。

今大会では苦しい戦いが続いた4Q、アルゼンチンに連続3Pシュートを決められると、リバウンド争いでも不利になる時間帯もあったが、#14朝比奈のターンショット、#23山本、#75東藤のフリースローなどで加点し、リードを縮めさせない。クォーター終盤には、昨年も試した#2今野がメインハンドラーになる形も披露し、83-39で快勝した。

敗れたアルゼンチンのグレゴリオ・マルティネスHCは、「2日間でメンタル面を立て直すことができませんでした。(直前の)ハンガリー戦の敗戦は精神的に非常にこたえました」と肩を落としたが、アゴスティーナ・ブラーニが「結果は悔しいですが、コートに全てを出し切りました。常にコートで110%の力を出し切るのがアルゼンチン人の特徴です」と全力は出したとコメントした。

日本は出場選手全員が得点。2Pシュート成功率45.45%(10/22)だけでなく、3Pシュート成功率が5割超え(14/26で53.85%)と素晴らしい数字をマークした。チーム最多は#31平下の17得点(3Pシュート5/7)、#2今野が12得点、#23山本が10得点と3選手が2桁得点を記録した。

過酷な連戦でも走り勝つスタミナの要因について、#31平下は「国内のWリーグの多くのチームが、トランジションの速いバスケを展開しています。シーズンを通してそのスタイルで戦っていることが、こうした連戦でも走り続けられるスタミナにつながっています」と胸を張る。徐々に連携を深めたチームに対し、ゲインズHCが「FIBAの大会が特別なのは、練習ではなく試合を通じて成長していく点です。チームの土台ができました。まさに彼女たちは『J-Lo(ジェニファー・ロペス)』のようにコートで舞っています」と賛辞を贈った。最後は見事なチーム力を見せた日本、あとは、オーストラリア対カナダ戦の吉報を待つのみである。






■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント 大会概要

【大会名称】FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント
【英語表記】FIBA Women’s Basketball World Cup 2026 Qualifying Tournaments
【大会期間】2026年3月11日(水)〜17日(火)
【開催地】トルコ・イスタンブール、フランス・リヨン、プエルトリコ・サンファン、中国・武漢

【試合日程】※TIPOFFは日本時間
・3月11日(水) ●65-77 ハンガリー
・3月12日(木)●71-81オーストラリア
・3月14日(土) ●67-75トルコ
・3月15日(日) ○66-62 カナダ
・3月17日(火) ○83-39アルゼンチン

【放送・配信】
・3月11日(水):23:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / 25:45~27:45 フジテレビ地上波 / DAZN
・3月12日(木):20:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / 26:15~28:15 フジテレビ地上波 / DAZN
・3月14日(土):26:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / DAZN
・3月15日(日):23:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / DAZN
・3月17日(火):20:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / 24:55~26:55 フジテレビ地上波 / DAZN

【出場チーム】24チーム ※( )内はFIBAランキング(2025年8月8日現在)
《開催地》トルコ・イスタンブール
・出場国:日本(11) オーストラリア(2)★ カナダ(7) トルコ(16) ハンガリー(20) アルゼンチン(27)
《開催地》フランス・リヨン
・出場国:フランス(3) ナイジェリア(8)★ ドイツ(12)★ 韓国(15) コロンビア(19) フィリピン(39)
《開催地》プエルトリコ・サンファン
・出場国:アメリカ(1)★ スペイン(6) プエルトリコ(13) イタリア(14) ニュージーランド(21) セネガル(25)
《開催地》中国・武漢
・出場国:ベルギー(5)★ 中国(4) ブラジル(9) チェコ(17) マリ(18) 南スーダン(55)
★は大陸カップ優勝または開催国として本戦出場決定

■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 出場条件
・4都市×6チーム総当たりのリーグ戦
・各都市上位4チーム、計16チームが出場権獲得
(上記国名に★がつく大陸カップ優勝国 と開催国は結果にかかわらず本戦出場決定)

▼日本の過去成績
・前回大会(2022年 ※初開催) 2位で出場権獲得
※それ以前は各大陸カップの結果により出場


■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 大会概要

【日程】2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】ドイツ・ベルリン
【出場チーム】16チーム
【大会方式】
・4チーム×4グループによる予選グループフェーズを行い、上位1位が準々決勝進出。
・AとB、CとDの隣り合うグループの2位vs 3位で争う準々決勝進出決定戦の勝者がファイナルフェーズ(決勝トーナメント)へ

▼日本の過去成績(2010年から4大会連続出場・通算14回出場)
・前回大会(2022年)9位
・過去最高位(1975年)準優勝
※翌1979年大会の6位以降、決勝トーナメント(ベスト8)進出なし





文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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