日本連敗、4Qわずか4得点で豪州に逆転負けを喫す [FIBA 女子W杯2026予選]

WNBA軍団に対し善戦も白星に届かず
現地3月12日、FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメントで女子日本代表(FIBAランク11位)は、アジアカップ女王オーストラリア(同2位)と対戦。7点ビハインドで迎えた2Qに逆転すると9点のリードを保って4Qを迎えたが、勝負どころで得点が伸びず。71-81と逆転負けを喫した。
オーストラリアとは昨年の「FIBA女子アジアカップ」決勝で対戦。前半を終えて43-54、3Qを終えて59-67と苦しい時間が続いたが4Q、3Pシュート攻勢で同点に。しかし、その後リードを許して79-88で敗れている。今回はその雪辱を期す一戦であった。
前日、大会初戦でハンガリー(同20位)に敗れている日本は、#13町田瑠唯、#26田中こころ、#31平下愛佳、#8髙田真希、#10渡嘉敷来夢と、同じ先発でスタート。しかし、WNBAメンバーを揃えるオーストラリアに対して0-8というビハインドからのスタートになってしまう。
それでも#26田中の3Pシュートで初得点した日本は、#31平下が3Pシュートとレイアップで連続得点。開始3分で8-10とした。積極的にペイントアタックを仕掛けるオーストラリアは、ファウルをもらって得点につなげる。対する日本は、カットを繰り返してズレを作り、#52宮澤夕貴が3Pシュートを射抜く。しかし、サイズのあるオーストラリアの強烈なコンテストもあって連続得点にはつながらない。それでもクォーター後半、#10渡嘉敷がミドルレンジからジャンパーを決めると、トランジションから#75東藤なな子がレイアップ、さらに#26田中がトップから3Pシュートを射抜き18-18と追いついた。それでもオーストラリアは、#22ジティナ・アキューソ、#23アレクサンドラ・ファウラーがオフェンスリバウンドからねじ込むと、#32サミ・ウィットコムが3Pシュートを成功。18-25とビハインドで1Qを終えた。

2Qファーストプレーで、#31平下が3Pシュート、レイアップと連続得点を記録する。さらに#13町田のアシストから#23山本麻衣がコーナーで3Pシュートを成功させ、開始1分強で一気に1点差に詰め寄った。勢いづく日本は、#23山本、#3馬瓜ステファニーが立て続けに3Pシュートを射抜いて逆転。さらに約2分強で13-0という鮮やかなランを作り出し、残り6分を切ったところで38-28と2桁のリードを奪った。
それでもオーストラリアは再び高さを生かして点差を詰めてきたが、今度は#26田中がペイントアタックから得点につなげ、#8髙田もファウルをもらって着実に加点。さらに終了間際に、#31 平下(前半13得点)が3本目の3Pシュートを沈め47-38とリードして前半を終えた。
前半、日本は2Pシュート8/18(44.4%)、3Pシュート9/18(50%)を記録。リバウンドでは15-24と劣勢だったが、8本のターンオーバー(日本は5本)を誘発して11得点につなげるなど、強みであるトランジションからのオフェンスが機能していた。一方、ペイントエリアでは相手に20失点(日本は12点)を許した。

9点リードで迎えた4Qにまさかの展開に
後半開始直後、オーストラリアに点差を詰められた日本だが、#8髙田がペイントエリアで着実に得点に繋げると、またも#31平下が3Pシュートを成功させ、開始4分で54-44と再び2桁点差に戻す。
ここからオーストラリアはサイズを生かしてジワジワと得点を重ねていく。迫られながらも、日本は#23山本の連続3Pシュートに続いて、フリースローで着実に加点した#26田中が3Q終了のブザービーターとなる3Pシュートを沈め、67-58の9点リードで勝負の4Qへと向かった。
しかし、まさかの展開が待ち受けていた。
開始からの3分間、日本の得点は#8髙田の2得点のみ。対するオーストラリアは、ディフェンスのギアを一段階引き上げ、日本のオフェンスを封じ込める。それでも残り6分半には5点差まで肉薄する。得点が止まっていた日本は残り5分強、#14朝比奈あずさがフリースローで1点を追加したものの、直後に#6ステフ・タルボットから大きな連続3Pシュートを浴び、ついに70-70の同点に追いつかれてしまう。さらに#11アランナ・スミスにも3Pシュートを決められ、逆転を許した。

日本は残り3分半、#10渡嘉敷がフリースローを1本沈める。プレッシャーを強めてオーストラリアからターンオーバーを誘う場面もあったが、#32ウィットコムがショットクロックぎりぎりに放った値千金のタフな3Pシュートが決まり、勝負の行方は大きく傾いた。さらに#13マグベゴールにレイアップを許し、残り2分を切ったところで7点のビハインドに。以降も日本のシュートはリングに嫌われ続け、最終スコア71-81で手痛い逆転負けを喫した。
オーストラリアのサンディ・ブロンデロHCは試合後の会見で「交代で入った選手たちはディフェンスでエリートな働きをしました。スイッチディフェンスによってリズムを乱すことができた。日本を4得点に抑えたことがあったかどうか……記憶にありません。あのディフェンスの努力を本当に誇りに思います」と振り返っている。その言葉どおり、後半の日本は、2P3/17(17.6%)、3P4/12(33.3%)とシュートが低調に。特に4Qはフィールドゴール成功わずか1本、クォーター計4得点に終わってしまった。
強豪相手に3Qまで素晴らしい戦いを見せながらの逆転敗戦。日本のコーリー・ゲインズHCは、「ロッカールームでチームに話したのですが、今日、自分たちは成長できたと伝えました。オーストラリアは上位ランクのチームの一つで、総合的に優れたチームです。そして3クォーターの間、我々は自分たちがやるべきプレーができました」と発言。「4Qは、たった4得点しか取れませんでした。これは我々にとって普通ではありません。しかし今日は間違いなく成長できましたし、あのようなプレーができれば全く問題ありません。パフォーマンスは落ちていません。いくつかアジャストを行い、選手たちは正しく対応してくれました。ただ、最後にやり切ることができなかっただけです」と前を向いた。
また、3Pシュートを4本決め、#26田中(17得点)につぐ16得点( #23山本も同じ点数)を挙げた#31平下は、「試合には負けてしまったんですけど、トランジションの早いバスケットとかスリーポイントというのはすごく通用したと思います。そこは継続してやっていくのと、あとはやっぱりリバウンドのところが課題なので、しっかり修正して次の試合に臨みたいです」と振り返った。また、前日の敗戦からどう切り替えたかについて「試合は続くので、あまり落ち込んでいられません。ネガティブなことは考えずに、ポジティブなこと考えてしっかり試合に臨むようにはしていました」と答えている。
次戦は1日レストデーを挟んで3月14日26:30より、開催国のトルコ(同16位)と対戦する。
オーストラリア 81
25 | 13 | 20 | 23
18 | 29 | 20 | 4
女子日本代表 71
■2025年度バスケットボール女子日本代表チーム
「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント」メンバー
【スタッフ】
チームダイレクター 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ 伊藤 恭子(デンソー アイリス)
通訳 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ 臼井 智洋(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー 宮口 佳子 (S-Life はりきゅう院)
チームマネージャー 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
テクニカルスタッフ 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
ドクター 小松 孝行(順天堂大学医学部スポーツ医学研究室)
チーム広報 松本 麻里(公益財団法人日本バスケットボール協会)
【選手】12名
#2 今野 紀花(SG / 179cm / 25歳 / デンソー アイリス)
#3 馬瓜 ステファニー(SF / 182cm / 27歳 / CASADEMONT ZARAGOZA)
#8 髙田 真希(C / 185cm /36歳 / デンソー アイリス)
#10 渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 34歳 / アイシン ウィングス)
#13 町田 瑠唯(PG / 162cm / 33歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#14 朝比奈 あずさ(PF / 185cm / 22歳 / 筑波大学4年/トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
#23 山本 麻衣(PG / 163cm / 26歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
#26 田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
#31 平下 愛佳(SF / 178cm / 24歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
#37 薮 未奈海(SG / 178cm / 21歳 /デンソー アイリス)
#52 宮澤 夕貴(PF / 183cm / 32歳 / 富士通 レッドウェーブ)
#75 東藤 なな子(SG / 175cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
※平均(Average):178.0cm、27.1歳
※2026年3月8日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント 大会概要
【大会名称】FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント
【英語表記】FIBA Women’s Basketball World Cup 2026 Qualifying Tournaments
【大会期間】2026年3月11日(水)〜17日(火)
【開催地】トルコ・イスタンブール、フランス・リヨン、プエルトリコ・サンファン、中国・武漢
【試合日程】※TIPOFFは日本時間
・3月11日(水) ●65-77 ハンガリー
・3月12日(木)●71-81オーストラリア
・3月14日(土) vs トルコ 26:30 TIPOFF
・3月15日(日) vs カナダ 23:30 TIPOFF
・3月17日(火) vs アルゼンチン 20:30 TIPOFF
【放送・配信】
・3月11日(水):23:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / 25:45~27:45 フジテレビ地上波 / DAZN
・3月12日(木):20:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / 26:15~28:15 フジテレビ地上波 / DAZN
・3月14日(土):26:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / DAZN
・3月15日(日):23:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / DAZN
・3月17日(火):20:20~ CS フジテレビNEXT・FOD / 24:55~26:55 フジテレビ地上波 / DAZN
【出場チーム】24チーム ※( )内はFIBAランキング(2025年8月8日現在)
《開催地》トルコ・イスタンブール
・出場国:日本(11) オーストラリア(2)★ カナダ(7) トルコ(16) ハンガリー(20) アルゼンチン(27)
《開催地》フランス・リヨン
・出場国:フランス(3) ナイジェリア(8)★ ドイツ(12)★ 韓国(15) コロンビア(19) フィリピン(39)
《開催地》プエルトリコ・サンファン
・出場国:アメリカ(1)★ スペイン(6) プエルトリコ(13) イタリア(14) ニュージーランド(21) セネガル(25)
《開催地》中国・武漢
・出場国:ベルギー(5)★ 中国(4) ブラジル(9) チェコ(17) マリ(18) 南スーダン(55)
★は大陸カップ優勝または開催国として本戦出場決定
■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 出場条件
・4都市×6チーム総当たりのリーグ戦
・各都市上位4チーム、計16チームが出場権獲得
(上記国名に★がつく大陸カップ優勝国 と開催国は結果にかかわらず本戦出場決定)
▼日本の過去成績
・前回大会(2022年 ※初開催) 2位で出場権獲得
※それ以前は各大陸カップの結果により出場
■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 大会概要
【日程】2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】ドイツ・ベルリン
【出場チーム】16チーム
【大会方式】
・4チーム×4グループによる予選グループフェーズを行い、上位1位が準々決勝進出。
・AとB、CとDの隣り合うグループの2位vs 3位で争う準々決勝進出決定戦の勝者がファイナルフェーズ(決勝トーナメント)へ
▼日本の過去成績(2010年から4大会連続出場・通算14回出場)
・前回大会(2022年)9位
・過去最高位(1975年)準優勝
※翌1979年大会の6位以降、決勝トーナメント(ベスト8)進出なし
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文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)







