女子日本代表、W杯予選へ向け再始動!ゲインズHCが語る「改善」と多才なPG陣への期待

バリエーション豊かなガード陣で「ペース&スペース」を進化させる
2月22日、FIBA女子ワールドカップ2026予選に挑むバスケットボール女子日本代表「AKATSUKI JAPAN」が練習を公開。コーリー・ゲインズHCは、FIBA女子アジアカップ2025から継続する「ペース&スペース」のスタイルを促進させると語った。
W杯予選に向けて、チームはどんなスタイルで臨むのか? ゲインズHCはまず「(プレースタイルを)それほど大きく変えるつもりはありません」と断言した。
「なぜなら教えられることは自分が熟知していることだけだからです。これまでのスタイル(ペース&スペース)を継続します。何人か新しい選手が加わったことは非常に心強いですね。特に異なるタイプのPGが加わりました。私のオフェンスはPGが鍵を握っているので、バリエーション豊かなガード陣の加入は、チームにとって大きな武器になります。ボールをプッシュでき、ペースを作り、そのペースを維持し続けられるPGが必要不可欠なのです」
昨年のFIBAアジアカップ、所属のENEOSではSGだったが田中こころ(ENEOS)がPGに抜擢されて大活躍。準決勝・中国戦では、1Qには3Pシュート5本を含む21得点を挙げて勝利に貢献し、大会ベスト5(オールスター5)に選ばれた。今合宿では、昨年の大会に出場していないPG、町田瑠唯(富士通)、山本麻衣(トヨタ自動車)、樋口鈴乃(日立ハイテク)、都野七海(トヨタ紡織)を招集している。


ゲインズHCは「ココ(田中)は素晴らしい仕事をしてくれました。しかし、ペースを上げ維持するためには、さらにもう数人のガードが必要でした。(決勝で)オーストラリアに敗れた要因は、そこにあります。ココ一人では限界がありました。ですが、今はガードの枚数が揃っています。これが大きな助けになるはずです」とPG陣の層の厚さに手応えを口にした。
W杯予選、トルコ・イスタンブール会場で日本が挑むのは、昨年の決勝で敗れたオーストラリア、カナダ、トルコ、ハンガリー、アルゼンチンという強豪揃い。しかし、相手どうこうよりも自分たちのバスケに集中することが大切だと考えを語る。
「“自分のチームのことだけを考える”、それが私のスタイルであり、コントロールできる唯一のことです。アジアカップでも、中国という強敵を過度に恐れるのではなく、やるべきことに注力しました。もし相手のことばかり気にしていたら、不安で一晩中眠れなかったでしょう。試合前に相手に惑わされるのではなく、自分たちに集中する。それが私の物事へのアプローチの仕方です」
「今年のチームマントラは『改善』です。毎日、一歩ずつ良くなっていこうと考えています」と語るゲインズHC。現在のチーム状況については次のように言葉を継いだ。「チームには、実力を熟知しているベテランと勢いのある若手が揃っています。まだ実戦を経験していないため、具体的な要素を挙げるのは難しいですが、今はチームとして共に成長している段階であり、それこそが最も重要です。全員が同じ認識を持ち、一つにまとまること。それこそが日本バスケットボールが本来持っている強みです。私たちは、一つのチームとして勝利を目指します」。
2009年から日本のバスケットボールを様々な形でサポートしてきた指揮官は、「勝つことこそが目標」と断言。ワールドカップ予選を勝ち抜き、その先のロサンゼルス五輪出場権を獲得することだ。「適応し、変化し、成長し続ける。それが勝利への唯一の道だ」と力強く語ると、大一番へ向けての決意を新たにした。

■2025年度バスケットボール女子日本代表チーム
『FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント』 強化合宿招集メンバー
【スタッフ】
チームダイレクター: 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ: コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ: 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ: 伊藤 恭子(デンソー アイリス)
プレーヤーディベロップメントコーチ: ブライアン・フィンリー(公益財団法人日本バスケットボール協会)
通訳: 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ: 臼井 智洋(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー: 宮口 佳子 (S-Life はりきゅう院)
アスレティックトレーナー: 山本 愛乃 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー: 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
テクニカルスタッフ: 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
【選手】18名
髙田 真希(C / 185cm /36歳 / デンソー アイリス)
渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 34歳 / アイシン ウィングス)
町田 瑠唯(PG / 162cm / 32歳 / 富士通 レッドウェーブ)
宮澤 夕貴(PF / 183cm / 32歳 / 富士通 レッドウェーブ)
林 咲希(SG / 173cm / 30歳 / 富士通 レッドウェーブ)
梅沢 カディシャ樹奈(C / 188cm / 27歳 / ENEOSサンフラワーズ)
馬瓜 ステファニー(SF / 182cm / 27歳 / CASADEMONT ZARAGOZA)
山本 麻衣(PG / 163cm / 26歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
奥山 理々嘉(SF / 180cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
今野 紀花(SG / 179cm / 25歳 / デンソー アイリス)
東藤 なな子(SG / 175cm / 25歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
樋口 鈴乃(PG / 164cm / 24歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
平下 愛佳(SF / 178cm / 24歳 / トヨタ自動車 アンテロープス)
舘山 萌菜(SF / 178cm / 23歳 / 日立ハイテク クーガーズ)
朝比奈 あずさ(PF / 185cm / 22歳 / 筑波大学4年/トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
薮 未奈海(SG / 178cm / 21歳 /デンソー アイリス)
都野 七海(PG / 159cm / 21歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
田中 こころ(PG / 173cm / 20歳 / ENEOSサンフラワーズ)
※平均(Average):176.6cm、26.3歳
※2026年2月22日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
■大会概要
【大会名】 FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 予選トーナメント
【英語表記】 FIBA Women’s Basketball World Cup 2026 Qualifying Tournaments
【大会期間】 2026年3月11日(水)〜17日(火)
【開催地】 トルコ・イスタンブール、フランス・リヨン、プエルトリコ・サンファン、中国・武漢
【試合日程】
・3月11日(水) vs ハンガリー
・3月12日(木) vs オーストラリア
・3月14日(土) vs トルコ
・3月15日(日) vs カナダ
・3月17日(火) vs アルゼンチン
【出場】 24チーム ※()内はFIBAランキング(2025年8月8日現在)
《開催地》トルコ・イスタンブール
・出場国:日本(11) オーストラリア(2)★ カナダ(7) トルコ(16) ハンガリー(20) アルゼンチン(27)
《開催地》フランス・リヨン
・出場国:フランス(3) ナイジェリア(8)★ ドイツ(12)★ 韓国(15) コロンビア(19) フィリピン(39)
《開催地》プエルトリコ・サンファン
・出場国:アメリカ(1)★ スペイン(6) プエルトリコ(13) イタリア(14) ニュージーランド(21) セネガル(25)
《開催地》中国・武漢
・出場国:ベルギー(5)★ 中国(4) ブラジル(9) チェコ(17) マリ(18) 南スーダン(55)
★は大陸カップ優勝または開催国として本戦出場決定
■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026 出場条件
4都市×6チーム総当たりのリーグ戦 各都市上位4チーム = 計16チームが出場権獲得
(上記国名に★がつく大陸カップ優勝国 と開催国は結果にかかわらず本戦出場決定)
▼日本の過去成績
・前回大会(2022年 ※初開催) 2位で出場権獲得
※それ以前は各大陸カップの結果により出場
■FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2026
【日程】 2026年9月4日(金)〜13日(日)
【開催地】 ドイツ・ベルリン
【出場】 16チーム
【大会方式】 4チーム×4グループによる予選グループフェーズを行い、上位1位が準々決勝進出。
AとB、CとDの隣り合うグループの2位vs 3位で争う準々決勝進出決定戦の勝者が
ファイナルフェーズ(決勝トーナメント)へ
▼日本の過去成績(2010年から4大会連続出場・通算14回出場)
・前回大会(2022年)9位
・過去最高位(1975年)準優勝
※翌1979年大会の6位以降、決勝トーナメント(ベスト8)進出なし

文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)







