「部員6人」和歌山南陵の歴史を引き継ぐ「高野山 BLACK GRIFFINS」、オール1年生で近畿新人4強入り!

2024年のウインターカップを、部員5人で戦った和歌山南陵を覚えているだろうか。
学校経営の悪化によって教職員への給料未払いなどの問題が多発し、多くの生徒が転校を決断。バスケ部は当時の3年生6人のみとなったものの、それでもインターハイ予選を制し、本戦を戦った。しかし、ウインターカップ直前に今度はセンターのアリュウ・イドリス・アブバガが抜けるアクシデントが発生。最後は部員5人でのウインターカップ出場となった。あの冬を最後に「BLACK GRIFFINS(チームの愛称)」の歴史は幕を閉じたかに思われた。
あれから1年あまりの歳月が流れ、同じ「BLACK GRIFFINS」のチーム名で和歌山に新勢力が台頭している。当時の和歌山南陵を指揮して和中裕輔コーチが新たに部を立ち上げた、高野山である。
学校は、その名の通り世界遺産・高野山の真言密教聖地に構えられている。和中コーチによると、20年ほど前にもバスケ部があったというが、今回は同氏が着任した昨年4月に部を新設。18人の1年生が集まり、チーム名やロゴ、ユニフォームのカラーをはじめ、チーム公式Instagramのアカウントも「BLACK GRIFFINS」として和歌山南陵時代のものから引き継いでいる。

「部の立ち上げにあたって、(学校としては)チーム名などは何でもいいということでした。それで、南陵のOBの子からも『BLACK GRIFFINSで続けてほしい』という声があったので、そのまま引き継ぐことにしました」と和中コーチ。また、昨年末には南陵の卒業生を招いてOB戦を開催。同じ和中コーチの指導を受けた“門下生”たちが、20人近く集まった。
当然、南陵のOBと高野山の現役生に直接の接点はない。だが、「OBの子たちがすごく優しくて、しっかりと自分たちの後輩として接してくれて、OB戦の最中もコミュニケーションを取りながら教えてくれました。試合の後には交流会ということでいろいろなスキルを教えてくれたり、僕の考え方などを今の子たちに共有してくれたりしました」と和中コーチ。彼らには、確実な心のつながりがある。
場面変わって、2月14、15日に兵庫県で「第36回近畿高等学校バスケットボール新人大会」が開催された。
全16校が覇を競った同大会で、高野山は3位という結果を残した。とりわけ、箕輪学園との2回戦はダブルオーバータイムの大激戦を101-96で勝ち切っての勝利。準決勝では東山に58-99で完敗を喫したが、1Qに限れば19-18とリード。和中コーチは「まだまだ」とチームの仕上がりに全く満足していないが、可能性を感じさせる大会となったことは間違いないだろう。

#8 川口椋生は近畿新人の3試合で平均21得点の活躍
和中コーチがなぜ和歌山県にこだわるのかといえば、自身が和歌山県出身だから。地元を強くしたい──その思いが、新たな挑戦のモチベーションになっている。「周囲からの和歌山県のバスケに対する評価を変えたいです。正直、今は『和歌山のバスケはレベルが低い』という見方をされているのが現実だと思います。なので、和歌山にも強いチームがあるんだよというのを、全国に見せていきたい」
現チームについては「去年のインターハイ予選の頃は、1年生ということもあって『まだ中学生っぽいな』という感じでしたが、ようやく今になって少しは高校生らしくなってきました。まだまだ経験が浅いので、なかなか思うようにいかないことが多い印象です」と言い、自身の出身校である洛南のようなパス&ランで戦うオールラウンダー集団を目指したいと話す。「ディフェンスを頑張って走る、パス&ランで試合を進めるコンセプトでチームを作っています。誰か一人が目立って戦うというよりも、全員バスケで、5人全員がオールラウンドに何でもできる選手に育てていきたいと思っています」
和歌山南陵の一件は「5人で戦った感動的な最後」という美談では決して済まされない、過酷な現実だった。その渦中にあったコーチの新たな戦いは、まもなく2年目を迎える。

学校経営の悪化によって教職員への給料未払いなどの問題が多発し、多くの生徒が転校を決断。バスケ部は当時の3年生6人のみとなったものの、それでもインターハイ予選を制し、本戦を戦った。しかし、ウインターカップ直前に今度はセンターのアリュウ・イドリス・アブバガが抜けるアクシデントが発生。最後は部員5人でのウインターカップ出場となった。あの冬を最後に「BLACK GRIFFINS(チームの愛称)」の歴史は幕を閉じたかに思われた。
あれから1年あまりの歳月が流れ、同じ「BLACK GRIFFINS」のチーム名で和歌山に新勢力が台頭している。当時の和歌山南陵を指揮して和中裕輔コーチが新たに部を立ち上げた、高野山である。
学校は、その名の通り世界遺産・高野山の真言密教聖地に構えられている。和中コーチによると、20年ほど前にもバスケ部があったというが、今回は同氏が着任した昨年4月に部を新設。18人の1年生が集まり、チーム名やロゴ、ユニフォームのカラーをはじめ、チーム公式Instagramのアカウントも「BLACK GRIFFINS」として和歌山南陵時代のものから引き継いでいる。

「部の立ち上げにあたって、(学校としては)チーム名などは何でもいいということでした。それで、南陵のOBの子からも『BLACK GRIFFINSで続けてほしい』という声があったので、そのまま引き継ぐことにしました」と和中コーチ。また、昨年末には南陵の卒業生を招いてOB戦を開催。同じ和中コーチの指導を受けた“門下生”たちが、20人近く集まった。
当然、南陵のOBと高野山の現役生に直接の接点はない。だが、「OBの子たちがすごく優しくて、しっかりと自分たちの後輩として接してくれて、OB戦の最中もコミュニケーションを取りながら教えてくれました。試合の後には交流会ということでいろいろなスキルを教えてくれたり、僕の考え方などを今の子たちに共有してくれたりしました」と和中コーチ。彼らには、確実な心のつながりがある。
場面変わって、2月14、15日に兵庫県で「第36回近畿高等学校バスケットボール新人大会」が開催された。
全16校が覇を競った同大会で、高野山は3位という結果を残した。とりわけ、箕輪学園との2回戦はダブルオーバータイムの大激戦を101-96で勝ち切っての勝利。準決勝では東山に58-99で完敗を喫したが、1Qに限れば19-18とリード。和中コーチは「まだまだ」とチームの仕上がりに全く満足していないが、可能性を感じさせる大会となったことは間違いないだろう。

#8 川口椋生は近畿新人の3試合で平均21得点の活躍
和中コーチがなぜ和歌山県にこだわるのかといえば、自身が和歌山県出身だから。地元を強くしたい──その思いが、新たな挑戦のモチベーションになっている。「周囲からの和歌山県のバスケに対する評価を変えたいです。正直、今は『和歌山のバスケはレベルが低い』という見方をされているのが現実だと思います。なので、和歌山にも強いチームがあるんだよというのを、全国に見せていきたい」
現チームについては「去年のインターハイ予選の頃は、1年生ということもあって『まだ中学生っぽいな』という感じでしたが、ようやく今になって少しは高校生らしくなってきました。まだまだ経験が浅いので、なかなか思うようにいかないことが多い印象です」と言い、自身の出身校である洛南のようなパス&ランで戦うオールラウンダー集団を目指したいと話す。「ディフェンスを頑張って走る、パス&ランで試合を進めるコンセプトでチームを作っています。誰か一人が目立って戦うというよりも、全員バスケで、5人全員がオールラウンドに何でもできる選手に育てていきたいと思っています」
和歌山南陵の一件は「5人で戦った感動的な最後」という美談では決して済まされない、過酷な現実だった。その渦中にあったコーチの新たな戦いは、まもなく2年目を迎える。

文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)






