月刊バスケットボール2月号

Bリーグ

2026.02.16

日豪独、3ヵ国の選手たちが笑顔あふれる交流[インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026]

バスケが繋いだ友情の輪、笑顔と友情が溢れた一夜


人生でどれだけの人と出会うのか?
コミュニケーション研究では、何らかの接点を持つ人間は3万人、そして近い距離にいる人間は3000人と言われている。異なる考えや価値観、文化に触れる機会となる出会い。開催中の「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」は、一生の中でもなかなか縁が生まれない海外選手と交流できる絶好のチャンスと言える。

2月13日、国立代々木競技場第二体育館は、友好の場となった。B.LEAGUEの計らいで選手たちが距離を縮める機会が設けられたのだ。とはいえ、その狙いは単に交流というだけではない。
B.LEAGUEとしてはU15、U18選手育成にあたっての理念、求める選手像がある。そのキーワードとなるのが、「BREAK THE BORDER」(=常識や限界を超えるという意味)だ。実現に当たって、1:アスリートマインド(トップアスリートに求められる力)、2:グローバルマインド(グローバルに生きる力)、3:ビジネスマインド (社会で戦い抜く力)を醸成することを目標にしており、今回はオフコートでの海外の選手との交流を通じて、グローバルコミュニケーションの実践を図る「2:グローバルマインド」を磨く場となった。





 
「交流プログラム」は、全チームが練習を終えた17時過ぎにスタート。出場8チームの選手がバラバラとなるよう12チームに分われ、まず行われたのがピンポン玉リレーゲームだった。ルールは簡単。スプーンやペーパーカップ、お皿にピンポン玉を乗せ、落とさないように運びリレーでタイムを競うというものだ。ただし折り返し地点で次走者がピンポン玉を運ぶための道具が書かれた紙を拾うルールとなっており、自陣に戻った際に次の走者に自己紹介と共に道具を伝えなければならない。その際、英語も使って伝える必要もあるわけだ。話をしたこともない同世代との組み合わせとあって、最初は緊張した面持ちだったが、そこは負けず嫌いの選手たち。リレーが始まると一気に笑顔がはじけた。ピンポン玉を落とさないよう慎重かつ急いで走る“チームメイト”に国籍を超えた声援が飛び交い、会場は一気に打ち解けた雰囲気に包まれた。





 


続いてはペーパータワーコンテストを実施。コピー用紙とテープを用いて、制限時間の中でいかに高いタワーを作れるかを競うものだが、各チームの個性が出た時間となった。柱となる円柱を立てた上に紙を乗せるという建築技法のような手法を使うチームがあれば、細く硬く巻いた棒を縦につなぐチーム、テープを駆使して半ば強引に積み上げようとするチームなど思い思いの考えで試みていた。中にはタイムリミットに合わせて完成させたものの、計測中に力作のタワーが倒れてしまい、頭を抱えるというシーンもあった。
両ゲームの結果はポイント換算され、上位チームから順に日本ならではの駄菓子やおもちゃなどの賞品が授与された。







 

選手の笑顔があふれた歓談タイム


続いては、用意された軽食と共に歓談タイムへ。「あの選手と話してみたい」、「一緒に写真を撮ろう」、はたまた「SNSで繋がろう」など様々な思いを持つ選手たちの笑顔があふれた時間となった。
B.LEAGUE U18選抜の#17加賀⾕ジェームス洸太朗(鹿児島レブナイズ U18)は「純粋に楽しかったですね。チームが一緒だったALBA Berlin U18、Victoria州選抜 U18の選手と仲良くなって、現地のバスケの話を聞いていました」と笑顔で振り返った。またサンロッカーズ渋谷 U18の#10棚橋康成は「違う国の人と交流できて、本当に楽しかったです。バスケをしているだけではなかなかない機会なので、すごく新鮮に感じます」と目を輝かせた。大阪エヴェッサ U18の#17髙木秀隼は「英語は得意じゃないです」と言いながらも、積極的に交流。「外国の方と接する、すごく良い機会やと思っていました。オーストラリアの子が向こうのハンドシェイクを教えてくれて、それをドイツの選手に教えたり、SNSフォローし合ったりと楽しみました」と、言葉の壁を越えた交流を喜んだ。




 
しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。歓談タイムの最後はALBA Berlin U18の#14アントン・ケマーが前に出ると、サンロッカーズ渋谷 U18#34寺澤陸が通訳となって感謝の言葉が贈られた。

「まずスタッフの皆さんに感謝したいです。高いプロ意識、努力のおかげで、僕たちは東京で快適に過ごし、プレーもできています。決してこれは当たり前と思っていません。本当に感謝しています。皆で大きな拍手を送りましょう。そして僕たち選手にとっては、ここ東京の街に出て、新しい文化、素晴らしい食事を楽しみ、ここにいる皆さんのような素敵な人々と交流できました。この経験は僕にとって、この数年で最大のハイライトです。皆さんにお会いできて本当にうれしいです。受け入れてくれてありがとうございます」

バスケットボールという共通言語は、言葉や文化の壁を乗り越える。コート上ではライバルとして戦う選手たちが、互いを尊重し笑顔で交流する。「BREAK THE BORDER」へとつながる貴重な機会となった。この夜に生まれた友情と得られたグローバルな視点は、彼らが世界へ羽ばたくための、かけがえのない財産となるに違いない。










文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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