JBA新会長・島田慎二氏に聞く「ONE Basketball」の真意

プロからアマチュア、すべてのカテゴリーをつなげ
「ONE Basketball」で日本バスケを次のフェーズへ
千葉ジェッツの再建、そしてB.LEAGUEの躍進を牽引してきた島田慎二氏が、昨年9月にJBA(公益財団法人日本バスケットボール協会)会長に就任した。JBA設立100周年となる2030年に向けた策定された指針「JAPAN BASKETBALL STANDARD(JBS)2025」を実現しつつ、日本バスケ界を新たなフェーズへと導こうとしている。B.LEAGUEチェアマンとの兼任という重責を担う島田氏に、JBA会長の立場として、自ら掲げた「ONE Basketball」の真意、JBA組織の「ホールディングス化」などについて話を聞いた。※全文は1月26日発売の月刊バスケットボール2026年3月号に掲載
「稼ぐ力」を、全てのカテゴリーの成長資金へ
──2030年に向かう姿を体現するために、今回「ONE Basketball(ワンバスケットボール)」を打ち出されました。
島田 誤解を恐れずに言えば、本質的な「オールバスケットボール」を目指すということです。これまでも「オールバスケットボール」という言葉はありましたが、「みんなって誰?」「率いるのは誰?」といった、どこかフワッと見えていたように思います。
「誰が大将なのか」という話につながりますが、BリーグもWリーグもアマチュアも全て俯瞰して、「どうやってこの世界を引き上げていくのか」を本気で背負って動く人が必要だと考えていました。
今回、会長候補として名前が挙がったとき、明確な意志がなければ務まらないと思いました。「何がしたいのか」と問われたとき、「代表強化」と「ワンバスケットボール」で全体を引き上げる、この二つをやりたいと思いました。
概念を整理し、アップデートして本気でやる。あえて「オールバスケットボール」という言葉を使わず「ワンバスケットボール」に変えたのも、違うフェーズでやるぞという覚悟を示し、差別化を図りたかったからです。
──その中にある「独自事業」についてですが、マニフェストには「稼ぐ体質に変える」という項目がありました。これまでの普及型の事業とは感覚が変わってくるということでしょうか?
島田 二つの軸があると思っています。一つはJBA内部の話です。組織横断的に、営業、広報、強化などがもっと連携することで、世の中へのアピールを強化したり、稼ぐ動きと連動させたりすることです。縦割りではなく連携してやっていく必要があります。
もう一つは、「ワンバスケットボール」の観点です。JBAのコンテンツはアマチュアが多いですが、稼ぐことによって大会の価値向上に投資できます。儲けることが目的ではなく、若い選手たちの育成環境や海外遠征などに投資するための資金を獲得するためです。「稼ぐ」という点ではBリーグにノウハウがあります。そのエッセンスを取り入れることで、新しい興行やアプローチが生まれるかもしれません。また、そのノウハウをWリーグやアンダーカテゴリーの大会、障がい者バスケットボール、車いすバスケットボールなどの盛り上げに生かせる可能性もあります。
これまでは、いいアイデアや、やりたい強化・普及プランがあっても「お金がないからやめよう」となりがちでしたが、「お金がないなら作ろう」というメッセージでもあります。そうしないと発展しません。
アマチュアの世界には「稼ぐ」という概念に抵抗感があるかもしれませんが、選手一人一人に経済格差がある中で、稼いだ資金で援助ができればすばらしいことではないでしょうか。未来につなぐためにやるべきことをやる。登録料だけで運営するのではなく、みんなで力を合わせて補い合い、バスケットボール界全体が成長・発展する状況を作れれば最高だと思って取り組んでいます。

──それを実現する体制が、「ホールディングス化」にあるということですね。
島田 そうですね。JBAの中にホールディングス的な機能を持たせるイメージです。
BリーグやWリーグなど各団体は独立して事業を行っていますが、それぞれの自前リソースだけで活動しています。そこで、バスケットボール界全体の価値を上げていくために、「誰がリーダーなのか」というリーダーシップを発揮し、プロもアマも垣根を越えて連携・協力していくための機能がホールディングス化です。
これまでは各団体が自前リソースだけで活動していましたが、ホールディングス機能を持たせることで、JBAやBリーグが持つ「稼ぐノウハウ」や「マーケティング資産」を横断的に活用します。例えば、スポンサーシップにおいても、日本代表、Wリーグ、車いすバスケットボールなどをセットで提案する「資産のパッケージ化」なども念頭に、バスケットボール界全体の資金循環を最大化させます。
このような視点でバスケットボール界全体を俯瞰して「どうやって価値向上していくか」を考える機能がありませんでしたし、トップ自らがそこに本腰を入れて取り組む発想もなかったと思います。今回はそこにトライしていきます。
月刊バスケットボール2026年3月号(1月26日発売)では、このインタビュー全文を掲載。JBA会長就任までの経緯、日本バスケットボール界を背負っていく思い、また、さらに具体的な施策中身について、大いに語っていただいています。
NBPオンラインショッピング(1回の購入で最大2冊まで送料無料)で購入
Profile
島田 慎二 (しまだ しんじ)
生年月日 1970年11月5日生まれ (55歳)
出身地 新潟県
最終学歴 日本大学法学部卒業
大学卒業後、株式会社マップ・インターナショナル (現・株式会社エイチ・アイ・エス) 入社。株式会社ウエストシップ取締役、株式会社ハルインターナショナル代表取締役社長を経て、2010年からは株式会社リカオン代表取締役社長 (現任)を務める。2012年に株式会社千葉ジェッツふなばし代表取締役社長に就任し、経営再建に乗り出す。2015年に公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ理事、2017年に同副理事長 (バイスチェアマン)、2020年から代表理事CEO (チェアマン / 現任) としてリーグの発展に寄与しつつ、新たな改革を進める。2025年9月から公益財団法人日本バスケットボール協会会長に。

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)








