月刊バスケットボール2月号

Bリーグ

2026.01.17

Bリーグが独リーグと基本合意「競技育成・事業発展で最短5年間の連携へ」

ブンデスリーガと基本合意書を締結


Bリーグが、新たな国際連携に踏み出した。

1月17日、Bリーグは、ドイツの男子プロリーグであるバスケットボール・ブンデスリーガ(BBL)と、最短5年間にわたる基本合意書(MOU)を締結したと発表。同日、オールスター開催中の長崎・HAPPINESS ARENAで調印式を行った。これは競技面、ビジネス面の双方において相互の発展を目指すもので、Bリーグにとってヨーロッパのトップリーグとの本格的な協業は初の試みとなる。

ドイツは、FIBAバスケットボールワールドカップ2023で初優勝を果たすと、昨年はFIBAユーロバスケットも制覇。2025年12月時点でのFIBAランキングはアメリカに次ぐ2位と現在の国際バスケ界をけん引する存在である。その中心にあるのがBBLだ。デニス・シュルーダー(キングス)、フランツ・ワグナー(マジック)らNBAで活躍する選手を輩出し、育成力の高さでも評価を受けている。

今回のMOUでは、両リーグの発展に向け、三つの柱を軸に連携を進めていく。第一の柱は「エリート選手の育成」だ。B.LEAGUEのトップ選手やユース世代が、BBLの高い競技環境に挑戦する機会を創出する。具体策として、日本開催の「B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL」へのBBLクラブ招聘、来月開催予定の「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」へのBBLユースチーム(ALBA Berlin U18)の参加が挙げられている。さらに、ドイツ国内で行われる育成キャンプやスクリメージへの若手選手派遣など、実戦を伴う交流を通じて競技レベルの底上げを図る。Bリーグがこれまで積み上げてきたユース世代の国際大会や育成施策に、欧州トップレベルの知見と環境が加わることで、選手育成の選択肢はさらに広がることになる。



第二の柱は「共同プロモーション」。ソーシャルメディアを通じた相互交流に加え、両リーグを象徴するアンバサダーの擁立も検討されている。また、クリニックをはじめとした地域社会への取り組みも視野に入れ、競技の普及やブランド価値向上を両国で同時に進めていく構想だ。単なるトップリーグ同士の連携にとどまらず、バスケットボール文化そのものを広げていく狙いがある。最後の柱は「商業および配信協力」。相互ブランドを活用した商品展開、スポンサーやメディア権を含む商業チャネルの拡大を検討するほか、BBLの配信プラットフォームを活用したドイツ国内でのBリーグ試合配信の可能性も探っていく。競技面の交流に加え、ビジネスモデルそのものを共有・発展させていく点も、今回のMOUの大きな特徴である。

BBLのCEOを務めるDr.ステファン・ホルツ氏は、今回の合意について「Bリーグとバスケットボール・ブンデスリーガ(BBL)との協力関係を発表できることを誇りに思うと同時に、大変光栄に感じています。Bリーグが2025年のオールスター・ゲーム・ウィークエンドでNBAとの協力を発表してから約1年後の節目に、ヨーロッパのリーグとしては初めての協業相手として我々を選んでいただいたことに感謝しています」と謝意。昨年船橋でオールスター関連イベントを視察した経験に触れ、日本のプロバスケの発展に強い印象を受けたことを明かした上で、「志を同じくする二つのリーグが連携することで、日本とドイツ双方でこのスポーツをさらに成長させていく可能性を探っていきたい」と、今後への期待を示している。

一方、島田慎二チェアマンは、「ドイツのバスケットボールは、FIBAワールドカップ2023、ユーロバスケット2025での優勝が示す通り、世界最高峰の競技レベルを誇っています。60周年を迎えた歴史あるBBLは選手育成面でも大きな成果を挙げており、さらなる進化を目指すB.LEAGUEとして、多くの学びを得られると確信しています」とドイツの競技力と育成力を高く評価し、両リーグの発展に向けた長期的な取り組みとなると強調した。

BBLは18チームで構成されるドイツ男子バスケットボールのトップリーグであり、世界王者、欧州王者の称号を持つドイツ代表の基盤となってきたリーグだ。その背景には、リーグとドイツ連盟(DBB)が共通戦略のもとで築いてきた緊密な協力体制がある。Bリーグが目指す「世界基準」への歩みは、NBAとの関係構築だけでなく、欧州トップリーグとの実務的な連携へと広がりつつある。今回のBBLとのMOU締結は、その象徴的な一歩と言えるだろう。最短5年間に及ぶこの協業が、日本とドイツのバスケにどのような変化と成果をもたらすのか。競技、育成、ビジネスの各側面から、今後の動向が注目される。





文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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