月刊バスケットボール2月号

連覇・福岡大附大濠オンコートインタビュー「努力は裏切らない。本当に自慢の3年生です」[ウインターカップ2025]

片峯コーチが3年生を称えた(写真は準々決勝より)

“歴史を作る覚悟”が結実した40分間──指揮官と選手が語る連覇の舞台裏


12月29日、「SoftBank ウインターカップ2025 令和7年度第78回全国高等学校選手権大会」男子決勝で東山を97-71で下し、福岡大附大濠が大会連覇を成し遂げた。
2Q終了時で18点差、3Q終了時で20点差と主導権を握り続けた一戦は、好ディフェンスから流れを掴み、最後まで集中力を切らさなかった“大濠らしさ”が凝縮された40分間だった。

試合後、片峯聡太コーチは「大濠のバスケの歴史の中で、連覇はなかった」と振り返りながら、「努力は裏切らない。本当に自慢の3年生です」と選手たちを称えた。3年生を中心に、下級生も役割を全うし、チーム一丸で掴んだ日本一。以下は、優勝直後に行われた福岡大附大濠のオンコートインタビューである。



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<片峯聡太コーチ>
本当に、自慢の3年生です

——ウインターカップで初の連覇です。

「大濠のバスケの歴史の中で、2連覇というのはこれまでありませんでした。だからこそ、気負わずに、失うものはないという気持ちでいいと。ただ、“大濠のバスケの歴史をお前たちが作るんだ”という気概を持って試合に臨んでほしいと伝えていました。その中で、3年生を中心によく頑張ってくれたと思いますし、やはり努力は裏切らない。本当に、ひたむきに、真面目にバスケットに向き合い続けてきた3年生が、最後にこうして陽の目を見ることができた。内容も含めて、素晴らしいゲームだったと思います。
本当によく頑張ってくれました」

——一時は3年生を外して臨んだ公式戦もありました。

「トップリーグのときには、いわば荒療治として、3年生を外して東山戦に臨むという判断もありました。ただ、その時に伝えた私のメッセージを、3年生がしっかりと汲み取ってくれたと思っています。自分たちにベクトルを向けて、チームのために何をすべきか。自分自身とも、そしてチームとも真剣に向き合ってくれた。その3年生の“粋な気持ち”が、今回のウインターカップでの結果、そして成果につながったのだと思います。
本当に、自慢の3年生です」

——最後に3年生に一言、声をかけてあげてください。

「本当によく頑張りました。ありがとう!」

<#23白谷柱誠ジャック>
GF・1年・195cm

#23白谷 柱誠 ジャック: ありがとうございます。

——1年生として日本一をかけた決勝戦臨みました。

「やっぱり最後なんで、自分は思い切ってプレーしました」

——その舞台で大活躍です。

「自分のシュートだけでなく、3年生や2年生がボールをつないでくれた部分が大きかったと思いますし、ディフェンスでもチーム一丸となって戦えたからこそ、この勝利があったと思います」

——引っ張ってくれた3年生たちに、どんな思いありますか?

「やっぱり自分が自信を失いかけた時に、特に3年生の存在が支えになってくれていたので、本当に感謝しかありません」

——3年生にメッセージをお願いします。

「ありがとうございました!」

——これからどんな選手になりたいですか?

「どの世代でもNo.1と言われるような、誰にも止められない選手になりたいと思っています」



<#14本田 蕗以>
GF・2年・190cm

——2年生エースとして決勝の舞台臨み、優勝しました。

「いろいろな思いがあるんですけど、一番は、めちゃくちゃ嬉しいっていう気持ちが大きいです」

——今日も16得点。プレー振り返っていかがですか?

「試合の入りから、自分らしい思いっきりいいプレーができたんじゃないかなと思います」

——片峯コーチから、3年生を外して臨んだ試合もあって、そこで下級生たちも任せきりになるんじゃないと気づいたという話がありました。

「3年生にまあ引っ張られてる部分が多いなと、自分の中でも気づいたので、自分もしっかりやらないといけないと思ってやってきました」

——改めて今年の3年生たちというのはどんな存在でしたか?

「すごく頼れる存在で、苦しい時も声をかけてくれたりとか、いつも引っ張ってくれるすごい大きな存在でした」

——来年度、今度は3年生として戦っていきます。

「連覇という大濠でやったことないことができたので、次は3連覇を目標にしっかりやっていきたいなという風に思います」

<#13榎木 璃旺>
G・3年・170cm 

——キャプテンとして決勝は、どんな思いで臨みましたか?

「この1年間苦しかったっていう思いが、こみ上げてきて、最後3年生全員でコートに立てたことが本当に嬉しかったです」

——ベンチでもずっと「緩めるな」と声出してました。

「この1年間ゲームキャプテンとして、自分の調子が良かろうが悪かろうが絶対チームにプラスになる存在になるように、心がけていたので、本当に最後まで勝ってようが負けてようが声かけするように決めていました」

——今日は3Pシュート6本成功で22得点の活躍です。

「この1年間、自分自身まったくうまくいかない時期が続きました。それでも、誰よりも努力することが、チームのみんなの背中を押す存在になると信じて取り組んできました。苦しい時間の中でも努力を続けてきて、最後にこうして実を結んだことが、本当にうれしいです」

——一緒にチーム引っ張ってきた勝又絆選手にはどんな思いありますか?

「絆とは去年からずっと一緒にスタートでプレーしてきました。その中で、何があっても2人でチームを底上げしようと決めていました。今年は特に下級生が試合に多く絡んでいたので、3年生である自分たちが崩れないように、2人でしっかりチームを支えていこうと思っていました」

——頼もしい下級生たちも多いですね。

「いやもう本当に、6試合すべてで頼もしくプレーしてくれていて、心から成長したなと実感しました」

——片峯コーチについては、どんな思いがありますか?

「1年生の頃からスタートとして登録して使ってくださっていて、たとえ自分がうまくいかない時でも、しっかり向き合いながら指導してくださいました。最後にこうして結果で恩返しができて、本当に嬉しいです。3年間、ありがとうございました」

——最後に、チームメイトに向けて一言お願いします。

「みんな、3年間ありがとう!」








写真/大川原敬明、文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: SoftBank ウインターカップ2025

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