月刊バスケットボール2月号

開志国際・北村優太が120校を代表し「感謝」を込めて選手宣誓【ウインターカップ2025】

12月22日、東京体育館で「SoftBank ウインターカップ2025」の開会式が行われた。全120校を代表して選手宣誓を務めたのは、開志国際高のキャプテン・北村優太。今年度から選手宣誓者を希望チームの中から抽選で決定する新たな方式となり、11月の組み合わせ抽選会当日に開志国際がその権利を手にした。

北村は、抽選発表時は授業中だったものの、結果がどうしても気になっていたという。動画で自身の名前を確認したときには「画面に『北村優太』と出てきて、本当に驚きました。自分でいいのかな、という思いもありました」と当時の心境を振り返る。ただ、その後は覚悟を決め、同級生の小泉俊介やコーチたちにも相談しながら、じっくりと宣誓文を練り上げていったそうだ。

およそ1週間前に、「これでいこう」と思える最終的な宣誓文が完成。「チームのみんなには隠して、本番で見せたいという気持ちがあったので、お風呂の中などで密かに練習しました」と明かす。

開会式で読み上げた宣誓文は以下のとおり。

「宣誓! 我々、選手一同は、日本中にバスケットボールの楽しさと、スポーツの魅力を届けます。コートの中でパッションを爆発させ、対戦相手をリスペクトし、全員でバスケットボールをエンジョイすることで、たくさんの人の心に残る、熱い冬にします。そして、これまで支えてくださった全ての方々、コートに立てない悔しさを声援に変えてくれる仲間の想いに感謝し、選手としての自覚と責任を精一杯表現することを誓います」

宣誓文には「パッション」や「エンジョイ」、「自覚と責任」(今夏からの開志国際のチームスローガン)など、特徴的なフレーズが並んだ。それは津野祐樹アシスタントコーチから「開志国際らしい言葉も盛り込んだほうがいい」とアドバイスを受けたことが大きかったという。

その中でも、北村が最も伝えたかったのは「感謝」だった。「支えてくださったすべての方やチームメイトへの感謝が、一番大事だと考えています」と語る。

緊張感たっぷりの大役を終えた後、「今までで一番緊張しました(笑)」と胸をなで下ろした北村。当日は朝食もあまり喉を通らなかったと言い、本番中は「頭が真っ白になりかけた」というが、それを感じさせないほどに堂々と高らかに宣言した。終わってみれば、「本当にやらせていただいて良かったです」と達成感をかみしめる。「高校生の中で一番大きな舞台で、選手宣誓ができたことは、本当に誇りに思います」。そして「宣誓が終わって、少し余裕が生まれました。もはや緊張も一切ありません!」と、気持ちも新たに大会へ臨む。

ウインターカップは3年生にとって高校最後の全国大会。北村は「(インターハイに出られず)3年生としては最初で最後の全国大会になります。優勝しか見ていません。選手宣誓で始まり、最後は優勝インタビューで締めくくれるように、頑張ります」と力強く意気込みを語った。

宣言の言葉どおり、今年もきっと、7日間にわたり“たくさんの人の心に残る、熱い冬”が繰り広げられるはず。いよいよ、冬の頂上決戦の幕が上がる。



文/中村麻衣子(月刊バスケットボール) 写真/石塚康隆

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