月刊バスケットボール12月号

大学

2025.12.13

【インカレ女子】決勝は7年連続で東京医療保健大vs白鷗大! 早稲田、筑波を退け頂上決戦へ

決勝に勝ち上がったのはまたも両校だった


12月13日、インカレバスケ(第77回全日本大学バスケットボール選手権大会)女子は準決勝を終了。決勝は、東京医療保健大(関東1位)対白鷗大(関東2位)という7年連続となる宿命の対決に決まった。

先に行われたのは東京医療保健大と早稲田大(関東7位)の対戦。4年ぶり8度目のベスト4進出となった早稲田大だが、昨日の準々決勝でツインエースの一人、#7西ファトゥマ七南が足を痛めて途中退場。本日、ベンチに入ったものの出場は叶わず。
「コートに立っている唯一の4年生(西)がいない分、3年生以下で戦うことになってしまうけど、元気良く明るく、とにかく試合を楽しもうと、みんなで意識して入りました」と明かしたのは#1菊地実蘭。チームの軸となる西の存在がチームの集中力を高めたのかもしれない。立ち上がり、#35衣川璃来のレイアップでチーム初得点を奪うと、西に代わってスタメンに入った1年生#12阿部心愛、#8福王伶奈も続いて8-2というスタートを切った。対する東京医療は、#91大脇晴、#0ロー・ジョバと強みのインサイドですぐにリードを奪い返したが、早稲田は#16下田美希のミドルジャンパーで食らいつくと#1菊地の3Pシュートが飛び出し、22-19とリードして1Qを終えた。





2Qに入っても早稲田は集中力をキープ。ボールマンに対して執拗なプレッシャーをかけると、リバウンドでも優位に立つ。ディフェンスがよくなれば、オフェンスにも波及する。#12阿部、#1菊地の3Pシュートなどで中盤まで40-27とリードを広げた。ところが東京医療はクォーター終盤にディフェンスを修正。#7後藤音羽に#91大脇、#0ジョバとインサイドアタックから得点を重ね、43-44と1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。

「前半はディフェンスが機能しませんでした。マッチアップやローテーションの遅れから高確率でシュートを決められてしまいました。それでも、2Q途中からアジャストし、ディフェンスの強度とコミュニケーションを高めることで立て直しました」と試合後に振り返ったのは東京医療・恩塚亨監督だ。
3Q前半は、#1菊地、#35衣川、#13山宮好葉と3年生メンバーの頑張りで競り合いを見せた早稲田だったが、「相手のインサイド攻撃を止めきれず、ファウルがかさんで相手の思うような展開を許してしまいました」と#1菊地。連続失点して9点ビハインドで3Qを終えると4Qはわずか6得点のみに。ディフェンスの修正から一気に立て直した東京医療が98-65とし、先に決勝進出を決めた。

東京医療のキャプテン#91大脇はリーグ戦後、各自がレベルアップに向けて突き詰める時間を過ごしたと語ると、「自分たちがやってきたことをすべて発揮する気持ちでプレーしています。一人一人が自分の役割に自信を持てていると思いますし、過信はせず、でも自信を持ってコートに立てるだけの準備はしてきました。明日は必ず優勝します」と力を込めた。





白鷗大は2桁ビハインドから逆転勝利


続いて行われた白鷗大対筑波大(関東3位)も好ゲームとなった。リーグ戦は98-69、76-63と白鷗大が連勝。しかし、筑波大は故障者が多く出た中で本来の力を発揮できない状態でもあった。
試合は白鷗大の19-12で迎えた2Q、筑波大のエンジンがかかり出す。ボールマンへのプレッシャーを強めて白鷗大のシュート成功率を下げると#10鈴木花音、#13黒川心音、#26三井優和が3Pシュートで得点。じりじりと点差を詰めると、トランジションから得点を重ねて41-37とリードしてハーフタイムを迎えた。





3Qに入っても好ディフェンスが続く筑波大は、#15岡﨑真依の連続3Pシュートで52-41とリードを2桁にまで広げた。ここで白鷗大の佐藤智信監督は「ディフェンス強度を上げ、早めにズレを作ってオフェンスの動きを作るように」と指示を出す。ここで期待に応えたのが#17高木美波だった。「(監督から)『迷わず打て』と言ってもらっていたので、自分はパスもらったらしっかりゴールに向かって攻めること意識してやりました」という#17高木はレイアップに続けて、3Pシュート、プットバック、速攻など立て続けに得点を挙げて2点ビハインドで3Qを終えた。流れを取り戻した白鷗大は4Q、#30清藤優衣が3本連続で3Pシュートを沈めるなど、クォーター開始6分で14-4というランを作ると粘る筑波大を68-63で退け、3連覇がかかる舞台への切符を手にした。





かくして東京医療保健大対白鷗大という7年連続同カードという決勝が決まった。昨年は4度の延長にもつれ込む約3時間の死闘の末、白鷗大が勝利して連覇を果たした。

リベンジを期す東京医療保健大・恩塚監督は1試合目を終了後「両チーム(白鷗大と筑波大)に共通して言えるのは、個の能力、特に対人でクリエイトする能力が高い選手が揃っているということ。その中で、白鴎大は(#41アダム・)アフォディヤ選手を中心としたペイントの強みがあるなと思います。それぞれ本当に素晴らしいチームなので、最善の準備したいと思います」と語っている。

東京医療保健大が3年ぶり7度目の優勝となるか、それとも白鷗大が3年連続4度目の頂点に立つのか。決勝は明日12月14日、12時半ティップオフとなる。※3位決定戦・早稲田大×筑波大は10時開始予定である。

<12月13日(土)試合結果>
会場:大田区総合体育館
[女子準決勝]
東京医療保健大 19 24 25 30=98
早稲田大 22 22 15 6=65

筑波大 14 27 15 7=98
白鷗大 23 14 17 14=68

<12月14日(日)試合結果>
10:00〜 女子3位決定戦/早稲田大×筑波大
12:30〜 女子決勝/東京医療保健大×白鷗大
15:00〜 男子3位決定戦/日本経済大×東海大
17:30〜 男子決勝/早稲田大×白鷗大





文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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