WHITE SCORPION・NATSU「独特の感性とバスケで培った根性が武器」

感性を磨き続ける日々
秋元康氏が総合プロデュースする11人のアイドルグループWHITE SCORPION。そのメンバーの一人NATSUは、ギターやイラスト、占いなど多岐にわたるカルチャーを吸収する独特な感性と、意外にもハードなバスケットボール経験で培ったストイックさを併せ持つ。楽曲の解釈から、メンバーをバスケのポジションに例えるユニークな視点、そして2周年ライブにかける熱い想いまで、彼女の多面的な魅力に迫った。
――多様なアイドルグループが存在する現在、メンバーの一員としてWHITE SCORPIONが持つ際立った特徴は何だと考えていますか?
NATSU 奇跡の世代の11人が集まったグループということです。約1万人のなかからオーディションを経て選ばれてきているだけあり、一人ひとり本当にどこを切り取っても魅力があります。
――NATSUさん自身が考える個性や強み、チャームポイントは何ですか?
NATSU 感性? でしょうか。メンバーからは「視点が独特」「ほかの人が気づかないところに気づく」と言われます。ファンの方からは「パフォーマンスだけでなく、SNSの文や写真、動画での表現の仕方が魅力的」と言っていただけることが多いです。
――本当に、NATSUさんのSNSを見ていると、ギターの弾き語りをしたり、WHITE SCORPIONの公式キャラクターのイラストを描いたり、初ワンマンのタイトル「初撃」を考えたり、ピノキオピーの「歴史は壮大な内輪ノリ」という言葉をブログで使用したり、占いをしてみたりと、さまざまなカルチャーを独自に消化したうえで昇華させているイメージがあります。
NATSU ギターはWHITE SCORPIONに入ってから練習を始めました。特技が欲しかったので。あと、『弾けたらかっこいいな』と(笑)。『今日はこの範囲を頑張ろう』と思って練習していて、TikTokに上げる前はそれこそ100回ぐらい撮って、納得できたものをアップしています。イラストは趣味でずっと描いていました。「チェンソーマン」の作者である藤本タツキさんの絵や世界観にハマったのが絵を描くきっかけで、藤本さんの作品はほぼ全て読んでいます。占いはもともと好きでタロット占いをしてもらったりしていましたが、『自分でもできたらおもしろいだろうな』と思って本を買ったりして勉強しました。ファンの方を占ったこともあるのですが、意外と当たるらしいです。「仕事運を見てください」と言われたので「6月ぐらいにいいことがあるかも」と占ったところ、「就職が決まりました」とうれしい報告がありました。私のファンの方は、私のことを受け入れてくれる心優しい方が多くて、活動の原動力になっています。そうしたファンの方のためにも、もっと有名になって、いろんな方の心に寄り添えるようなアイドルになりたいと思っています。

――WHITE SCORPIONの楽曲は、内面の葛藤や心理的なリアルを描く歌詞と、クールなサウンドが特徴ですが、NATSUさんが特にお気に入りの曲は何ですか?
NATSU 「コヨーテが鳴いている」です。「どこかでコヨーテが鳴いている 僕の周りは漆黒の闇」という寂しげな始まりで、最後まで歌詞自体の雰囲気は大きく変わらないのですが、それにサウンドが加わると、例えば最初のサビと最後のサビでは聴いたときの印象が全然違って二面性があるんです。受け取り方によって歌詞がすごく前向きなものに捉えられたり、寄り添ってくれているように感じたりもすると思います。受け手により、曲の表情が変わっていく感じが好きです。
――ダンスについてもいろいろなことに挑戦しているWHITE SCORPIONですが、NATSUさんが好きな振りつけはありますか?
NATSU 「純愛トースター」のイントロで、指ハートの振りつけがあり、それが好きですね。ファンの方もマネしやすいですし、ハートを作っているときにファンの方と目が合うときがあり、微笑ましくてすごく好きです。「純愛トースター」は全体的にAIをイメージしたような振り付けになっていて、よく見るとロボット感があったりもします。
――バスケを頑張っている部活生にオススメするとすれば、どの曲でしょうか?
NATSU 2曲あって、一つは「眼差しSniper」です。ストイックにバスケに打ち込んでいる部活生に刺さる曲だと思います。そしてもう一曲が「希望には羽がついている」。諦めそうになっていることを励ますストレートな歌詞なので、これを聴いて頑張ってほしいです。

「黒子のバスケ」とカリーに憧れて
――NATSUさんもバスケの経験がおありだと伺っています。
NATSU 小学校5年生のときに「黒子のバスケ」の赤司征十郎のカリスマ性にハマって、その影響で『よし、バスケをやろう!』と。それまでスポーツは何もしていなかったのですが、たまたま仲のよかった友達がミニバスをしていて、そのチームに入りました。30人ぐらいいるチームで、土曜日は練習で日曜日は練習試合ということが多く、バスケ自体はそんなにうまくならなかったですが体を動かすのは好きなので楽しかったです。得意だったのはディフェンス。相手のことを先読みして、しつこく食らいついていました。思い出に残っているのは、夏の暑い時期に体育館を50往復したこと。最後のほうは倒れそうになって、友達の肩を借りながらなんとか走り切ったのですが、そのときに体力の限界まで振り絞るということ覚えました。今のWHITE SCORPIONのパフォーマンスでも生きていると思います。
――当時、好きだった選手はいましたか?
NATSU ステフィン・カリー選手です。最初は高校バスケなども見ていましたが、関連動画で出てきたカリー選手のプレーを見て「人間離れした驚異的なパフォーマンス!」と思って目が釘付けになりました。それに影響を受けて、自分なりにいつ出番が来てもいいようシュートの練習をしていましたが、結局チャンスは回ってきませんでした(笑)。
――バスケはいつまで続けていたのですか?
NATSU アイドル活動を始める中学1年生までです。中学入学時、バスケをやめるという選択肢もありましたが、続けたのはいい意味で“夢見がち”だから。『もしかしてもっと頑張ればカリー選手みたいになれるんじゃないか』と本気で思っていました。でもそうしてバスケをやっていたおかげで、体力的な根性がついたと思います。目標としたカリー選手のようなシュート力は得られませんでしたが、ジャンプシュートの練習で高いジャンプ力を習得しました。今ではそのジャンプ力を生かし、背の低さを補って後方のお客さんにも届くパフォーマンスをめざしています。
――WHITE SCORPIONのメンバーでバスケ経験者は、NATSUさん以外はNICOさんだけですが、『もしバスケをやっていたら、このメンバーはこのポジションや役割があってるんじゃないか』と思うことを教えてください。
NATSU NICOはバスケ経験者ということだけでなく、ライブでもあおりを担当しているのでキャプテン、リーダーという感じです。センターは、最年少で最高身長のHANNAかな。WHITE SCORPIONでもセンターですし、ゴール下でドンと構えているHANNAは様になると思います。点取り屋はAOI。メンバーのなかでは群を抜いて足が速くて運動神経がいいので、どんどん得点を決めてくれそうです。ディフェンスで頼りになりそうなのは、MOMOとCHOCO。手足が長くて、粘り強い性格なので、相手が嫌がるディフェンスができると思います。
――そうしたメンバーとともに、12月13日に2周年ライブを行います。どんな思いで臨みますか?
NATSU 9月23日に行った3rdワンマンライブ「連撃」では、満員になった会場(品川インターシティホール)をステージから見たときに感動して、『もっともっと広い会場でライブをしてみたい』という夢を持ちました。2周年ライブでも、まずは会場を満席にすることが目標で、そのうえで来てくれたお客さんにWHITE SCORPIONの魅力を存分にお伝えできるようなパフォーマンスをお届けしたいと思っています。私たちは、『アイドルの域を超える』ということをテーマに毎回のパフォーマンスをしているので、それを見に来てほしいです。

Profile
NATSU(ナツ)
神奈川県出身。7月16日生まれ。バスケ歴3年。メンバーカラー/パープル。特技/楽曲制作、10秒キャッチフレーズ、猫についての知識を言うこと。趣味/得意とし、カラオケ、読書、UFOキャッチャー。
SNS
https://x.com/NATSU_whsp
https://www.instagram.com/NATSU_whsp_IG
https://www.tiktok.com/@imnatsuwhsp
▼WHITE SCORPION HP
https://whitescorpion.jp/
【WHITE SCORPION 2nd Anniversary LIVE 概要】
■日程:2025年12月13日(土)
■時間:開場13:00/開演14:00
■会場:品川ステラボール
■出演者:WHITE SCORPION:ACE・ACO・ALLY・AOI・CHOCO・COCO・HANNA・MOMO・NATSU・NAVI・NICO

取材・文・写真/高木希武






