月刊バスケットボール12月号

Bリーグ

2025.11.24

8強が決定! 大阪は千葉Jに劇的勝利を果たす[インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025]

多くの熱戦が展開された大会2日目


11月23日、「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025」(会場:栃木県・日環アリーナ栃木)大会2日目、 3回戦が行われて8強が決まった。

今大会は、B.LEAGUE U18チームの文化構築と醸成を目的に開催されるもの。B.LEAGUEのミッションである『世界に通用する選手やチームの輩出』に向け、個人の能力に応じた育成強化の環境を形成する機会としても位置づけられている。

3回戦8試合の中で、激戦となったのが前回準優勝の千葉ジェッツ U18と初の8強入りを目指す大阪エヴェッサ U18の戦いである。「平均値が高い選手が揃う」(吉村康夫 HC)という特徴を生かした堅守速攻が武器の千葉J U18に対して、大阪 U18はタイムシェアし強度を下げずに対抗。第1クォーター終了時は大阪 U18の20-19、ハーフタイムでは千葉J U18の38-37、第3クォーター終了時で大阪 U18の52-51と僅差の中で試合は進んでいった。第4クォーターを迎えても拮抗した状態を続き、61-61で残り1分を切る。緊迫感が高まる中、先に得点したのは大阪 U18だった。残り46.9秒、#18鳥成一郎がフリースローを得ると貴重な1本を成功。逆転を狙い、直後のオフェンスでボールを託された千葉J U18#7深水虎太郎は、スピンムーブからシュートを放ったもののリングに弾かれてしまった。その後、ファウルゲームを展開したものの、大阪 U18が62-61で劇的勝利を果たした。


劇的勝利で喜びを爆発させた大阪 U18

大阪 U18の鳥和成 HCは「(試合終盤も)選手たちを信頼していました。この大会期間中だけでもチームワークが良くなり、大きく成長していると感じます」と満足げに語ると、息子(#18成一郎)の決勝フリースローについて「父として、『落ち着きなさい』と声をかけました。よく決めてくれましたね」と苦笑しながら振り返った。金星を挙げた大阪 U18が準々決勝で対戦するのは、2年ぶりベスト8のU18 川崎ブレイブサンダースである。県リーグや大学生との練習試合の中で調子を上げたというU18 川崎は「ベストメンバーで今大会に臨めている」(村岡史哉 HC)とあって好ゲームが期待できそうだ。


U18 川崎はベストメンバーで臨んでいる



同じトーナメント右側では滋賀レイクス U18、レバンガ北海道 U18がそれぞれ勝利し、準々決勝での対戦が決まった。実は両チームは昨年の準々決勝でも対戦し、北海道 U18が勝利している。リベンジを期す滋賀 U18の寺下太基 HCは「相手はスカウティングしづらいチームですが、#9西村(優真)選手のトランジションオフェンスは警戒です。どう抑えるかも準備してきました。去年の借りを返せるように頑張ります」と闘志を見せた。一方、北海道 U18の齋藤拓也 HCは「滋賀は#15梶原(悠真)選手をはじめとする3Pシュート対策、オフボールの動きへの対応が鍵になると思います」と警戒した。



北海道 U18と滋賀 U18は昨年準々決勝のリマッチとなる

昨年のリマッチは、右側の山だけではない。トーナメントの左側でも、明日の準々決勝で琉球ゴールデンキングス U18とサンロッカーズ渋谷 U18が昨年に続いて顔を合わせることになったのだ。SR渋谷 U18の秋葉真司 HCは「昨年の負けもありますが、#15甲斐(達弘)ら3年生と私(当時U15のHC)はB.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2023でも敗れているんです」と打ち明けると、「それでも今年のメンバーとは異なります。リベンジという意識ではなく積み上げてきたものを出せるよう、100%集中して戦いたいと思います」と意気込みを語った。一方、琉球 U18のキャプテン#71名城寿唯は「僕らも一昨年のエリートリーグ*では敗れており、(SR渋谷 U18を)強く意識しています。チームバスケが巧みなチームなので、チーム全員でのディフェンスとスペーシングを意識したオフェンスで対抗したいです」と高いモチベーションを見せた。
*=B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023



もう一つのリマッチとなるSR渋谷 U18対琉球 U18



左側でのもう一つの準々決勝では、前年王者である名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18とB.LEAGUE U18随一の高さを誇る横浜ビー・コルセアーズ U18が対戦する。横浜BC U18の白澤卓 HCは「相手も9月の対戦時から成長していますが、ケガ人の復帰に加え、特にアダム(エルマスリ)がさらに成長しているなどこちらもプラスがあります。リバウンド争いが勝負のポイントになると思うので頑張りたいですね」と意欲を見せている。


 
王者・名古屋D U18に対して横浜BC U18はどれだけ競り合えるか

いよいよメインコートでの開催となる大会3日目。どんなドラマが巻き起こるのか、注目である。なお準決勝進出を決めた4チームには、「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」(2月10日~15日開催予定)の出場権が授与される。

【大会2日目/11月23日(日)試合結果】
<3回戦>
横浜BC 85-57 群馬
SR渋谷 84-46 茨城
滋賀 89-53 三河
川崎 89-56 奈良
名古屋D 80-58 仙台
琉球 71-50 宇都宮
北海道 77-68 福岡
大阪 62-61 千葉J

【大会3日目/11月24日(月・祝)試合予定】
<準々決勝>
9:30〜 名古屋D×横浜BC
11:15〜 SR渋谷×琉球
13:00〜 北海道×滋賀
14:45〜 川崎×大阪





大会概要
インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2025
 
主催:公益財団法人日本バスケットボール協会、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
主管:公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
特別協賛:インフロニア・ホールディングス株式会社
協賛:株式会社モルテン、株式会社サードシップ
日程:2025年11月22日(土)~11月26日(水)
会場:日環アリーナ栃木(所在地:〒321-0152栃木県宇都宮市西川田4-1-1)
出場チーム:40チーム
大会形式:トーナメント(ノックアウト方式)
競技規則:「2025 バスケットボール競技規則 (Official Basketball Rules 2024)」
出場権獲得:上位4チームが「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」の出場権を獲得する。




写真/伊藤大允、石塚康隆(月刊バスケットボール)、文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

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