B1のクラブ数、試合数は最多、FIBAが「国際バスケ移籍レポート」を発表

FIBAが昨季のデータを整理して発表
FIBA(国際バスケットボール連盟)は11月21日、「国際バスケットボール移籍報告書 2025(International Basketball Migration Report/IBMR 2025)」を公開。2024-25シーズンの国際移籍件数が13,555件に達し、前年度(13,149件)を上回って過去最多を更新するなど国際移籍の流れがいっそう強まっている傾向が示されたほか、日本のBリーグに関する興味深いデータも示されている。
白書はCIES(国際スポーツ研究センター)と共同で発行している年次レポートで、国際移籍の動向をまとめた資料である。2024-25シーズンでは、男子10,361件、女子3,194件のいずれも記録を塗り替えており、国際的な移籍が活発化していることが明らかになった。
その中で最大の選手輸出国は、アメリカで1,994人。ついでスペイン(628人)、フランス(619人)となっている。一方で、NBA選手の26%、WNBA選手の15%がアメリカ以外の国籍であり、世界中から有能な選手たちが米リーグに挑戦している実態も明らかになった。それにつながるのがNCAAでプレーする外国籍選手の増加で、男子選手は888人(前年から7.5%増)、女子選手は951人(前年から14.9%増)とどちらも過去最多の数字となっている。
FIBA事務総長にアンドレアス・ザグリス氏は今回の発表に際して「FIBAは今後も、世界的なバスケットボールの成長促進に資源を投入し続ける。その実現において、選手の動向把握は重要なこと」とコメントしている。
日本は最多チーム数で最多試合数を消化
このレポートでは、アメリカを除く世界16の男子トップリーグを比較したデータが示されており、日本に関する項目も含まれている。
●在籍チーム数(2024-25シーズンの24)は最多。2位:中国20、アルゼンチン20、4位:BNXT(ベルギー&オランダ)19、5位:ブラジル18
●総試合数708は最多。2位:中国460、3位:アルゼンチン380、5位:BNXT342
●平均得点78.0は15位。1位:オーストラリア92.5、2位:中国87、3位:スペイン:85.6、4位:イタリア84.6、5位:トルコ84.4
●平均年齢28.5歳は最も高い。2位:ポーランド27.5、3位:スペイン27.3、4位:スペイン27.3、5位:トルコ26.9。クラブ単位では佐賀(31.2歳)が最も高く、京都(30.6歳)は4位

左から在籍チーム数、総試合数、平均得点のグラフ(IBMR 2025より)
●平均身長191.4cmは16位。1位:スペイン199cm、2位:ABA*198.1cm、3位:トルコ197.9cm、4位:ギリシャ197.8cm、5位:中国197.8cm。クラブ単位では大阪(188.0cm)は最も低く、ついで北海道(188.3cm)、琉球(188.6cm)、川崎(189.1cm)、越谷(189.5cm)とランキング下位5チームを日本のクラブが占めた
*=ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチア、モンテネグロ、セルビア、スロベニアのチームで構成されるプロバスケットボールの独立リーグ
●平均出場選手数(1試合で何人がコートに立ったか)は15.6人で14位。1位:中国21.2人、2位:イスラエル17.9人、3位: VTBユナイテッド**17.9人、4位:アルゼンチン17.9人、5位:スペイン17.5人
**=ロシアなど旧ソ連圏のチームが所属)
IBMR 2025は、あくまでデータを示したもので良し悪しを論じているものではない。このレポートから、日本のBリーグが持つ特徴や世界における立ち位置を客観的に把握できる意義は大きい。2026-27シーズンからBリーグは「B.革新」として再編成され、最上位の「B.LEAGUE PREMIER」と「B.LEAGUE ONE」、「B.LEAGUE NEXT」に再編される。どんな変化が現れるのか、次年度以降のレポートにも注目したい。







