月刊バスケットボール11月号

Bリーグ

2025.10.21

Bライセンス判定発表 B.PREMIER25クラブ継続、三遠は継続審議、B.ONEは25クラブに

B.PREMIERは三遠のみ継続審議に


10月21日、東京都内でB.LEAGUEクラブライセンス判定結果発表会見が行われ、2027-28シーズン B.PREMIERライセンス交付クラブ及び2026-27シーズンB.ONE参入予定クラブ、B.NEXT参入予定クラブが発表された。B.PREMIERでは来季は参入が決定している三遠については、継続協議となり、10月30日に改めて結果を発表することになった。

規定どおり、今回は再来季の「2027-28のB.PREMIER継続資格」と来季の「2026-27のB.ONE/B.NEXT」の判定結果発表の会見となった。B.PREMIERについて新規参入申請はなく、継続資格の可否のみが対象となった。

B.PREMIERの継続認定は、三遠を除く25クラブが交付に至った。三遠についてはホームアリーナ基準の充足妥当性が未確定として継続審議となり、10月30日の臨時理事会で最終判断が下される見込みだ。島田チェアマンは「2024年11月から約1年にわたって複雑な経緯をたどっており、特例的なケースとして扱われている。2025年6月末時点での基準未達、そして新アリーナ開業が当初予定の2028-29シーズンに間に合わない見通しとなった点が主な論点となっている。これらを踏まえ、10月30日の臨時理事会で最終判断が下される予定」と今月末に決断を下すと示した。

また富山と神戸は入場者数が最低基準に届かず、制裁付き継続保有となった。制裁額は富山2,500万円、神戸1,500万円。今後、3期連続未達となった場合は降格処分となる。なお三河は2026年開催予定の第20回アジア大会の影響により、ウィングアリーナ刈谷開催分の入場者数により妥当と判定した。





B.ONEは仮入会制度で25クラブへ


B.ONEはライセンス取得3クラブに加え、B.NEXTライセンスを前提とした「B.ONE仮入会」制度を活用して22の参入クラブを確保した。これは当初、B.PREMIERの上限18を撤廃し、26クラブと増加したことにより、B.ONEのクラブ数が減少する可能性に対応するための暫定措置。島田チェアマンは「地方創生を目指すうえで、B.ONEはキャスティングボードを握ることになる」と期待を寄せた。一方、仮入会には期限と充足基準が設定され、期日までに基準未達の場合はB.NEXTへの降格があり得る。詳細条件は追って公表される予定である。

B.NEXTは3クラブ(しながわ、ヴィアティン三重、山口)で構成し、新規参入希望の湘南は純資産・資金繰りの観点で継続審議となった。クラブ数が想定より少ないため、B.NEXTの試合数は調整方針とされた一方、B.ONEは現行どおり60試合を維持する計画である。B.ONEは25クラブの奇数編成となるが、スケジュールはその前提で最適化を図る。

また、質疑応答の中では、島田チェアマンからカテゴリーの役割定義も改めて語られ、B.PREMIERは日本代表強化を見据えた高強度の競争環境を担い、B.ONEは日本人選手のプレー機会が相対的に多い育成・強化のステップとして位置づく。
リーグ全体の将来像としては、B.NEXTを新規参入の準備段階として機能させつつ、各クラブの成長を促し、最終的には2カテゴリー体制を志向する方針が示された。

未決事項は10月30日の臨時理事会後に確定し、三遠と湘南の扱い、並びにB.ONEの大会方式の詳細が改めて発表される見通しである。



【10月21日発表内容】
<2027-28シーズン B.PREMIER参入予定クラブ>
■平均入場者数・売上高・ライセンス交付状況
[クラブ名:2024-25シーズン平均入場者数/2024年度売上高/ホームアリーナ/交付ライセンス]
・レバンガ北海道:平均5,378名/売上15.5億円/北海きたえーる/B.PREMIER
・仙台89ERS:4,358名/14.9億円/ゼビオアリーナ仙台/B.PREMIER
・秋田ノーザンハピネッツ:4,163名/16.5億円/新秋田県立体育館/B.PREMIER
・茨城ロボッツ:4,214名/14.2億円/アダストリアみとアリーナ/B.PREMIER
・宇都宮ブレックス:4,838名/32.0億円/ブレックスアリーナ宇都宮/B.PREMIER
・群馬クレインサンダーズ:5,169名/25.5億円/オープンハウスアリーナ太田/B.PREMIER
・アルティーリ千葉:5,296名/13.7億円/千葉ポートアリーナ/B.PREMIER
・千葉ジェッツ:9,847名/51.7億円/LaLa arena TOKYO-BAY/B.PREMIER
・アルバルク東京:6,819名/36.3億円/TOYOTA ARENA TOKYO/B.PREMIER
・サンロッカーズ渋谷:4,331名/24.5億円/TOYOTA ARENA TOKYO(共用)/B.PREMIER
・川崎ブレイブサンダース:4,395名/23.8億円/新・とどろきアリーナ(仮称)/B.PREMIER
・横浜ビー・コルセアーズ:4,211名/20.2億円/横浜BUNTAI/B.PREMIER
・富山グラウジーズ:3,469名/8.9億円/YKK AP ARENA/B.PREMIER(制裁付き)
・信州ブレイブウォリアーズ:4,078名/14.3億円/ホワイトリング/B.PREMIER
・シーホース三河:3,259名/25.0億円/三河安城交流拠点(仮)/B.PREMIER
・名古屋ダイヤモンドドルフィンズ:5,353名/25.4億円/IGアリーナ/B.PREMIER
・滋賀レイクス:4,345名/12.4億円/滋賀ダイハツアリーナ/B.PREMIER
・京都ハンナリーズ:4,187名/14.8億円/京都アリーナ(仮称)/B.PREMIER
・大阪エヴェッサ:4,561名/18.2億円/おおきにアリーナ舞洲/B.PREMIER
・神戸ストークス:2,937名/12.2億円/GLION ARENA KOBE/B.PREMIER(制裁付き)
・島根スサノオマジック:4,085名/21.3億円/松江市総合体育館/B.PREMIER
・広島ドラゴンフライズ:3,900名/17.5億円/広島グリーンアリーナ/B.PREMIER
・佐賀バルーナーズ:5,111名/17.1億円/SAGAアリーナ/B.PREMIER
・長崎ヴェルカ:5,498名/16.4億円/ハピネスアリーナ/B.PREMIER
・琉球ゴールデンキングス:8,156名/35.7億円/沖縄サントリーアリーナ/B.PREMIER

▶▶▶三遠ネオフェニックス:継続協議/10月30日発表予定 ※B.PREMIER交付とならない場合は2027-28シーズン:B.ONEに降格となる

<制裁付きライセンス交付クラブ(2025年10月判定)>
富山・神戸の2クラブは、いずれも入場者数の最低基準に届かず。ただし、売上高や施設面での基準を満たしているため、罰金を伴う「制裁付き継続保有」として認定。今後も観客動員の改善がB.PREMIER継続の鍵となる(3年連続未達で降格となる)
●富山グラウジーズ
判定:制裁(罰金2,500万円)付きでライセンス継続保有
理由:入場者数基準に未達(平均3,469名/売上8.9億円)
●神戸ストークス
判定:制裁(罰金1,500万円)付きでライセンス継続保有
理由:入場者数基準に未達(平均2,937名/売上12.2億円)
該当規約:2027-28シーズンB.PREMIERライセンス継続資格認定規則 第20条[入場者数基準]
平均入場者数が以下を満たす必要あり:① 4,000名(売上9億円以上の場合) ② 3,000名(売上12億円以上の場合)



【2026-27シーズン B.ONE参入予定19クラブ】
[クラブ名:平均入場者数/売上高/ホームアリーナ/交付ライセンス]
・ファイティングイーグルス名古屋:2,730名(2023-24)/売上高:11.3億円(2023年度)→12.1億円(2024年度)/名古屋市枇杷島スポーツセンター/B.ONE
・熊本ヴォルターズ:2,691名(2023-24)/売上高:7.9億円→9.7億円/熊本県立総合体育館/B.ONE
・鹿児島レブナイズ:2,454名(2023-24)/売上高:5.1億円→6.3億円/西原商会アリーナ(※2026-27シーズンは改修で使用不可予定)/B.ONE

<参入カテゴリ:B.ONE(仮入会) ※B.NEXTライセンス交付クラブ>
現時点では施設・入場者数・売上の一部基準を満たしていないが、発展性が評価されたクラブが対象
[クラブ名:平均入場者数(2024-25)/売上高(2024年度)/ホームアリーナ]
・青森ワッツ(1,744名/売上3.7億円/カクヒログループスーパーアリーナ)
・岩手ビッグブルズ(2,284名/売上4.6億円/盛岡タカヤアリーナ)
・山形ワイヴァンズ(1,725名/4.8億円/山形県総合運動公園)
・福島ファイヤーボンズ(2,019名/8.8億円/宝来屋ボンズアリーナ)
・越谷アルファーズ(3,839名/15.8億円/越谷市立総合体育館)
・さいたまブロンコス(1,669名/3.1億円/浦和駒場体育館)
・東京ユナイテッドバスケットボールクラブ(2,029名/4.4億円/有明アリーナ)
・アースフレンズ東京Z(1,638名/3.3億円/大田区総合体育館)
・立川ダイス(2,218名/4.8億円/アリーナ立川立飛)
・東京八王子ビートレインズ(1,710名/2.7億円/エスフォルタアリーナ八王子)
・横浜エクセレンス(1,879名/4.9億円/横浜武道館)
・新潟アルビレックスBB(2,444名/8.0億円/アオーレ長岡)
・金沢武士団(1,623名/2.6億円/いしかわ総合スポーツセンター)
・福井ブローウィンズ(2, 603名/13.4億円/セーレンドリームアリーナ)
・岐阜スゥープス(1,795名/3.1億円/OKBぎふ清流アリーナ)
・ベルテックス静岡(2,570名/10.4億円/静岡市アリーナ)
・バンビシャス奈良(1,741名/4.2億円/ロートアリーナ奈良)
・トライフープ岡山(1,628名/4.3億円/シゲトーアリーナ岡山)
・徳島ガンバロウズ(1,558名/4.4億円/とくぎんトモニアリーナ)
・香川ファイブアローズ(1,657名/5.7億円/あなぶきアリーナ香川)
・愛媛オレンジバイキングス(1,615名/4.3億円/松山市総合コミュニティセンター)
・ライジングゼファー福岡(2,205名/11.1億円/照葉積水ハウスアリーナ)

【2026-27シーズン B.LEAGUE NEXT参入予定クラブ】
※B.NEXTクラブのうち、B.ONE基準を満たしたクラブは将来的に昇格が可能。ただし、入場者数や施設面が未達の場合は昇格見送りとなる場合もある。
[クラブ名:売上高(2024年度)/ホームアリーナ/交付ライセンス]
・しながわシティバスケットボールクラブ:1.8億円(2024年度)/品川区立総合体育館(特例適用)/B.NEXT
・ヴィアティン三重:1.0億円(2024年度)/AGF鈴鹿体育館(特例適用)/B.NEXT
・山口パッツファイブ:1.3億円(2024年度)/俵田翁記念館/B.NEXT
※B.NEXTクラブライセンス交付規則第19条第2項に基づく「特例計画」を適用

・湘南ユナイテッドBC▶ B.LEAGUE NEXT交付について継続協議/10月30日発表予定

※ライセンス審査基準(2025年10月時点)
●B.PREMIER
継続申請・2027-28シーズン:平均入場者数:4,000名(売上9億円以上)または3,000名(売上12億円以上)、売上高:9億円/12億円以上、アリーナ:B.PREMIER基準+付帯施設
新規申請・2026-27シーズン:平均入場者数:4,000名(連続2期:2023-24/2024-25)、売上高:12億円以上(連続2期)、アリーナ:2028-29シーズンまでにB.PREMIER基準アリーナ竣工見込み

●B.ONE(新規申請・2026-27シーズン):
平均入場者数:2,400名(2023-24)、売上高:8億円以上、アリーナ:B.ONE基準+6年後竣工見込み

●B.NEXT
継続申請・2026-27シーズン:売上高:2億円以上(連続2期)、アリーナ:施設計画が具体化していること
新規申請・2026-27シーズン:平均入場者数:1,500名(2023-24または2024-25)、売上高:2.5億円以上、アリーナ:B.ONE基準+6年後竣工見込み






文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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