新強化委員長に伊藤拓摩氏が就任「日本を世界水準に」、JBAが強化体制を刷新

伊藤新強化委員長「全カテゴリーを世界水準へ」
日本バスケットボール協会は10月17日に都内で会見を開き、これまで技術委員会を強化委員会と名称を改めること、また日本代表チーム強化体制の一部変更を発表。また、新しく強化委員長に就任した伊藤拓摩氏(長崎ヴェルカ代表取締役社長兼GM)が、着任のあいさつと今後の強化活動について説明を行った。
日本代表の強化体制については、男子代表を伊藤氏が担当し、女子代表を萩原美樹⼦(東京羽田HC)強化副委員長が担当、3x3男女代表も別の副委員長(未定)が担当することとなり、かつて東野智弥(現名古屋D代表取締役社長 兼 GM)技術委員長が全カテゴリーを統括してきた形から変更する。それぞれのカテゴリーの中で、強化(副)委員長、部会長、代表ダイレクター(旧チームリーダー)、ヘッドコーチの役割をより明確化した。
新強化委員長の伊藤氏は1982年生まれ、三重県出身。中学校卒業後、バスケットボールの本場アメリカへ留学、バージニア・コモンウェルス⼤卒業後帰国し、トヨタ⾃動⾞アルバルク(現アルバルク東京)のアシスタントコーチに就任した。その後2016-17アルバルク東京ヘッドコーチ、2017-20アルバルク東京テクニカルアドバイザーを務め、2018-2020シーズンからはアメリカにコーチ留学し、Gリーグ・テキサスレジェンズ・アシスタントコーチを経験した。アメリカでの高校時代にそのレベルに驚き、「いつか日本もこのレベルにしたいと思った」という伊藤氏は、その高校時代よりマネージャーを務めるなど、コーチングの勉強をスタートした。以来、現在の長崎ヴェルカ代表取締役社長兼GMに至るまでの自身のキャリアの選択は「日本のバスケットボールを強くすることにどう貢献できるか」だったと語る。

全カテゴリーの強化を担う伊藤拓摩新強化委員長
それだけに、今回の強化委員長就任に当たっては「このような重要な役割をお任せいただき、身の引き締まる思いでいっぱいです」と大役への意気込みと重みを口にした。その上で「短期的な目標は3人制、5人制、男女、すべてのカテゴリーの2028年ロサンゼルスオリンピック出場」と掲げ、長期的には「日本を世界水準に上げていくこと」とした。強化というと日本代表強化のイメージが強いが、強化委員会の範疇はユース育成、エリートコーチ養成、スポーツパフォーマンスなど多岐にわたる。
「その全てを世界水準に」というのが伊藤強化委員長の目指すところだ。伊藤氏は現職との兼務になるが、同じくBリーグチェアマンとJBA会長を兼務する島田慎二氏の影響が大きかったことを明かし、共に日本のバスケットボール界を引っ張っていく決意を示した。
■伊藤拓摩強化委員長 プロフィール
氏名:伊藤 拓摩 (いとう・たくま)
生年月日:1982年 6 月30日 (43歳) ※年齢は2025年10月17日現在
出身地:三重県鈴鹿市
最終学歴:バージニア・コモンウェルス大学卒業 (アメリカ)
就任日:2025年 9 月27日
その他: B.LEAGUE 長崎ヴェルカ 代表取締役社長兼 GM

文/飯田康二(月刊バスケットボール)