NBAバスケットボールスクール・アブダビ大会に日本選手が初参加

昨年4月、日本は世界で18番目の開校国として「NBAバスケットボールスクール ジャパン」をスタートさせた。これは5歳から18歳までを対象に、NBA現役選手や元コーチ、育成スペシャリストと連携しながら、国際バスケットボール事業部が企画・開発したグローバルな育成プログラムを進めていくスクール。日本では「ERUTLUC(エルトラック)」が正式に運営を担い、全国でスクール事業を展開している。
そんな中、10月1〜4日の期間、アラブ首長国連邦・アブダビで「NBAバスケットボールスクール ワールドトーナメント2025」が開催された。オーストラリアやレバノンなど世界各国から234人のスクール生が参加し、国際交流と熱戦が繰り広げられた。
大会期間中は、NBAプレイオフの試合観戦やNBAレジェンドとの対談、モスク見学など、スポーツと文化の両面から世界を体感できる多彩なプログラムが実施された。各国のコーチ陣による指導・育成方針の共有セッションも行われ、バスケットボールを通じた貴重な学びの場となった。

初参加となった日本からは、スクール生の玉置晃義と関口龍平太(ともに高校男子)、氷室琴愛(高校女子)、相楽維佐(中学男子)の計4名が出場。女子選手はオーストラリアチーム、男子選手はヨーロッパチームに加わり、異なる文化・言語の中でチームメイトと協力しながらプレーした。英語でのコミュニケーションに不安を抱えながらも、身振り手振りを交えながら積極的に会話を重ねて信頼関係を築き、短期間でチームの主力として活躍した。
帯同したコーチ陣も「選手たちが英語や文化の壁を越え、心からバスケットを楽しむ姿が印象的だった」と振り返る。選手たちはこの経験を通じて、海外選手とのフィジカルの違いや戦術の幅を体感。異文化交流を通して「海外でプレーする」という夢が明確になったという高校生もいた。
NBAバスケットボールスクール ジャパンは現在、全国に9校を展開中。さらに、まもなく「佼成学園高」「東京成徳大高」で新たなスクール開校が予定されている。技術だけでなく「人としての成長」を重視した指導のもと、より多くの子どもたちが世界を舞台に挑戦できる環境づくりを進めていく。
NBAバスケットボールスクール ジャパン公式サイト
https://japan-nba-basketballschool.com/
文/中村麻衣子 写真提供/NBA Basketball School 事務局