2年生シューターが目指すは日米のスーパースター/京都精華学園 #12 谷彩南

負けた翌日から走り込み、磨いてきた激しいディフェンス
豊田合成記念体育館 ENTRIO(愛知県稲沢市)で開催される「U18日清食品トップリーグ2025」第4週、9月20日の第2試合で京都精華学園(京都府)と日本航空北海道(北海道)が対戦しました。両校はインターハイ準々決勝で激突。そのときは日本航空北海道に大逆転勝利を許しただけに、京都精華学園としてはリベンジを果たしたい一戦となりました。立ち上がりは好ディフェンスを互いに見せる展開となってスコアが動きませんでしたが、徐々に京都精華学園がペースを握っていきます。リバウンドで優位に立ち、ボールマンにプレッシャーをかけてミスも引き出すと速い展開から#10吉田ひかり選手(2年/161cm)、#12谷彩南選手(2年/172cm)らが得点。じりじりとリードを広げて8点差で第1クォーターを終えました。第2クォーターに入っても#4坂口美果選手(3年/176cm)、#18オディア カウェル リッツ選手(1年/195cm)がリバウンドを確実に奪取。いいリズムでオフェンスに移ると15点差までリードを広げます。クォーター中盤以降、日本航空北海道の#0ファトゥマタ カマラ選手(3年/186cm)、#6庵原有紗選手(3年/180cm)に続けて決められ、4点差まで迫られたシーンもありましたが、32-23でハーフタイムを迎えました。
迎えた第3クォーター、京都精華学園が再び好ディフェンスから作ったチャンスをものにしていきます。#15ンガルラ ムクナ リヤ選手(2年/188cm) がゴール下でシュートを沈めると、吉田選手もペイントアタックから得点。開始6分で14-3というランを作りました。その後も谷選手の3ポイントシュートなどでリードを広げ、21点差を作って第4クォーターを迎えました。最終クォーターこそ19-27と日本航空北海道に点差を縮められましたが、最後まで足を動かし続けた京都精華学園が72-59でリベンジを果たし、負けなしの大会3連勝をマークしました。

京都精華学園の山本綱義コーチは、「(日本航空北海道に敗れ)夏は本当に悔しい思いをしました。強化のために負けた翌日から走り込みを始め、それがパワーアップ、スピードアップにつながりました。『精華からは簡単に点取れないというディフェンスを頑張ろう』と言ってきていて、それが発揮できたことが勝利につながったと思います」と試合を振り返ります。
そのディフェンス面で大きかったのは、インターハイでの対戦で22点を奪われた相手エース、庵原選手を10点に抑えたことです。終始マークに付いていた#6石渡セリーナ選手(3年/178cm)について、山本コーチは「この数ヵ月、ディフェンスで頑張ることを意識してきて、今日の試合では庵原選手を止めることが彼女の役目でした。よく守り抜いたと思います」と評価します。
また、オフェンスで存在感を放ったのが谷選手です。3ポイントシュート4本成功を含む16得点を挙げ、17得点のリヤ選手と並びチームをけん引しました。最初の2戦では自分のリズムで打てていなかったという谷選手は、「この1週間、全力で改善しようと頑張ったのですが、今日の試合では良いリズムで打てました。山本コーチから『ディフェンスを徹底することでオフェンスは付いてくるもの』と言っていただいて、全員で徹底できたからこそ良いボールをもらえたんだと思います」と好調の要因を説明しました。
3ポイントシュートを武器とする谷選手にとって、模範とする選手は2人います。「海外ではケイトリン・クラーク選手(WNBA・インディアナ・フィーバー)。どんな体勢からでも打つところを参考にしています。日本では林咲希選手(Wリーグ・富士通レッドウェーブ)を参考していて、落ち着いてフォロースルーまでしっかり取って、決めきる姿に注目しています」と語ります。
山本コーチは「今日の試合では、しっかりディフェンスを頑張っていました。それでも、チャンスを生かしきれていない部分があります。そこは課題ですね」とさらに成長できる余地があると語ります。日米のトップシューターを手本にする谷選手の進化は、京都精華学園を一段と強くする力となるはずです。

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写真/丸山慎一 文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)