サンロッカーズ渋谷ユース・森茂達雄コーチ逝去──45年の指導と遺した財産

保善高からSR渋谷U18創設へ、半世紀にわたる歩み
サンロッカーズ渋谷は9月11日、ユースチームのアソシエイトコーチを務めていた森茂達雄氏が、9月9日に逝去したと発表した。享年67。かねてより病気療養中であったが、ご家族に見守られる中での逝去だったとリリースの中でクラブは綴っている。
森茂氏の指導歴は45年に及ぶ。1980年に巣鴨学園中等部でスタートし、1987年から2021年まで保善高を指揮。東京都少年国体チームのヘッドコーチやJBAトップエンデバーのサポートコーチなども歴任し、東京都内有数の強豪校を築き上げた。その後、2021年にクラブからの打診を受けてSR渋谷U18初代ヘッドコーチに就任。わずか6名でのスタートから基盤づくりに取り組み、リクルートや高校バスケットボール界との関係構築、若手コーチ育成まで幅広い分野で尽力した。クラブU18は創設から4年連続でU18 ELITE LEAGUEに出場(今年で5年連続5回目)を果たし、U18日清食品ブロックリーグやおきなわカップにも参戦するなど、BリーグU18創成期を牽引し、大森康瑛(現・SR渋谷トップチーム)をはじめ、山﨑成隆(駒澤大3年)、井伊拓海(筑波大1年)らの成長をサポート。体調不良を抱えながら2025年2月に行われた「インフロニア Bリーグ U18 インターナショナルカップ 2025」を最後にヘッドコーチを勇退。その後も後進育成やU15・U12世代の指導に取り組んでいた。
逝去される直前となる8月22日から24日にかけて行われた「インフロニア B.LEAGUE U16 CHALLENGE CUP 2025 Aug.」にも姿を見せていた。その大会でSR渋谷U16がユース史上初*となる優勝を飾ったことは、結果的に森茂氏への手向けともなった。
*=U15、U18のB.LEAGUE CHAMPIONSHIP、B.LEAGUE CHALLENGE CUP、B.LEAGUE INTERNATIONAL CUPで初のタイトル
45年にわたり、バスケットボール指導の最前線で戦い続けながら、高校とBリーグU18の両方の世界を見てきた森茂コーチ。その豊かな経験と知見は教え子たちへと受け継がれ、日本バスケット界の財産として息づいていくことになる。

今年3月でヘッドコーチを勇退、その後もその後も後進育成やU15・U12世代の指導に取り組んでいた(写真は「インフロニア Bリーグ U18 インターナショナルカップ 2025」)
