横浜BCトゥオビHCのフィンランドがユーロバスケット4強入り!今夜23時、W杯王者ドイツに挑む

今夜23時、ドイツと対戦
ラトビア・リガで開催中の「ユーロバスケット2025」はいよいよ佳境、準決勝ラウンドまで大会は進んでいる。9月12日、FIBAワールドカップ2023王者のドイツ(FIBAランク3位)と対戦するのが、横浜ビー・コルセアーズのラッシ・トゥオビHCが率いるフィンランド(同20位)である。
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2015年大会でベスト16となったフィンランドは、2年後は11位に。さらに2022年大会では準々決勝進出を果たして7位となると今大会で初めてベスト4にコマを進めた。FIBAがその躍進ぶりについて取り上げ、かつてドイツ代表を銀メダルに導き、長年フィンランド代表も率いたヘンリック・デットマン氏(現フィンランド協会コーチング・ディレクター)の功績が大きいと紹介。そのデットマン氏は大会中、MeridianSportの取材に対して「我々はコーチの教育と育成に多大な努力を注いできた。それが想像以上に早く実を結んだと感じている。若く才能あるコーチが現れたことは幸運だった。資質のある人材を見つけ、自分たちのスポーツに引き込むこと、それが大切だ」と語っている。“若く才能あるコーチ”とは、38歳のトゥオビHCと、NBAグリズリーズのトゥオマス・イーサロHCのことだという。

初のベスト4進出を果たしているフィンランド
準々決勝ジョージアを93-79で下したあと、トゥオビHCは記者会見で開口一番「これがフィンランドで夢見てきたことだ」と語ると、「長年、努力してきたことを誇りに思うべき。(トーナメント1回戦で)セルビアに勝った時も言ったけど、昔、バスケ人気はそれほどではなかったんだ。だからこそ、長年にわたってバスケ文化を築き上げてきた人々を思うと、非常にうれしい。同時に、この12人の選手とスタッフを非常に誇りに思っている。今日の彼らのパフォーマンス、そしてこの素晴らしい成果を楽しむ機会を得た彼らは、勝利に値する」と自国の盛り上がり、選手たちのプレーを称えた。
またコーチングについても「秘訣は、ほとんどのコーチや最高のコーチたちがそう言うように、選手たちに信頼され、彼らを助けたいと思っていることが大事なんだと思う。結果的にメダルやトロフィーを得るかもしれないし、良いシーズンとなるかもしれない。その20年後に選手に会った時に、『あなたは私を助けてくれた、私たちのキャリアのために働いてくれた』と言ってくれるのを見たいんだ。そう思っているからこそ、チームはうまく機能するのだと思う」と言及した。
同じく会見に出席したミーカエル・ヤントゥネンは、「今大会への準備が始まった際、前回大会を上回るという目標をみんなで立てた。前回を知るメンバーも多く、努力し集中できている。だからこそ、この結果は成し遂げられるものと思っていた。このチームの一員であることを誇りに思うし、さらなる歴史を作ることもできる。金曜日の試合は、フィンランドのバスケにとって最も重要な試合となる。我々はまだまだハングリーだし、歴史を作り続けたい」とドイツ戦への抱負を語っている。
FIBAはまたフィンランドのバスケについて「アップテンポさ」「オフェンスリバウンド」「3Pシュート」がキーとなっていると紹介。トゥオビHCは同会見の中で、ボールムーブメントについて言及している。
「それこそがチームの強みなんだ。前半だけで10本の3Pシュートを決められた。それは単にシューティングの調子が良かったからだけでなく、仲間がパスをくれるとわかっているからなんだ。もらったら、次は自分がパスを出す番となる。非常にシンプルなことだけど、信頼を築くには多くの時間が必要だった」

信頼が快進撃の根底にあると語ったトゥオビHC
「信頼」という言葉を使ったトゥオビHC。フィンランドの仲の良さは、試合前に興味深い儀式からも見られる。大声を挙げて平手打ちを互いにするというおもしろいルーティンだ。
ヤントゥネンは、「前回大会でいなかったメンバーは1人だけ。私たちは長い間同じメンバーで戦ってきた。とても仲がよくて代表活動がなくても一緒に遊ぶくらいだし、この場所は友達とプレーするために戻ってくるという感覚なんだ。それこそがフィンランドバスケの文化だと思う。勝てばうれしい。負けたとしても一番親しい人たちと悔しがれる。お互いをサポートしている。それはバスケ以外でも同じ。平手打ちの儀式については、“クレイジーな”キャプテン(サス・サリン)が思いついて始めたんだ。いいアイデアだと思うし、うまくいっているようなので、文句はないよ。どこからそのアイデアが来たのかは知らないけどね(笑)」と親密だからこそのものだと紹介している。
「このメンバーと一戦必勝の試合に臨めることにとても興奮している。(準々決勝も)楽しかったし、金曜日も楽しい試合になるだろう。一歩一歩進んでいこうと思う」とトゥオビHC。運命のドイツ戦は本日23時にティップオフとなる。
