月刊バスケットボール10月号

Bリーグ

2025.09.09

琉球HCを父に持つ桶谷都人が見据える未来|仲間と戦うため米留学から帰国

もう一度この仲間と戦いたいと留学から帰国


勝ち抜いたBリーグU18の強豪12チームによる総当たり戦「インフロニアBエリートリーグ2025」は、12チームが一堂に会して3日間のセントラル開催が終了。以降6ヵ月間をかけてリーグ戦を消化し、チャンピオンを決めることになる。

このセントラル開催で2勝1敗というスタートを切った琉球ゴールデンキングスU18(前回大会ウエスト2位だった)には、5月にチームに“戻ってきた” #12桶谷都人(172cm、PG・SG)がいた。3試合でのアベレージは6.3得点、2.0リバウンド、0.7アシストと決して良いものではない。それでも平均23分12秒と出場時間を得ているのは、数字に表れない部分での貢献があるから。本人は「3Pシュートと相手の分析力。そこが長所だと思っています。3年生という立場上、1、2年生はもちろん同級生にも、色々と言うことも意識しています」と自身の特徴を説明。3戦目、仙台89ERS U18に勝利したあとには「個人的には、中学1、2年生の頃に仙台U15に所属していて、丹野(路和)選手をはじめ一緒にやったことがあった選手も何人かいたので、対戦がすごく楽しみでした」と笑顔を見せた。仙台から琉球への移籍、その名字から察する人も多いはず。彼の父はトップチームのヘッドコーチを務める桶谷大氏である。


元チームメイト仙台#77丹野にドライブを仕掛ける桶谷都人



「試合後や練習を見てもらってバスケの話をします。そこは自分のレベルアップにつながっていると思います。父が(U18の)練習を見に来ることは、他の選手にとっても良い刺激になっていますし、自分としてもミスできないという意識で練習に臨んでいます」と都人。そんな彼は高校1年生だった2023年夏に米モントレーベイアカデミー高に留学を果たす。

「アメリカに行った目的は、プロ選手を目指して様々な経験を積むためです。同級生に勝つには、違う環境で成長する必要があると考えています。アメリカでは選手の身長やフィジカルの大きさに驚きました。それでもスキル面では日本人の方が高いとも感じました。アメリカの中で上に行くためには身体能力にプラス能力や経験値が必要なので、身長伸ばす工夫や体格作りに取り組んでいました」と当時を振り返っている。

そして今年の5月末に帰国を果たすと琉球U18へと復帰した。「2年間、アメリカに滞在し、今年5月末に帰国しました。帰国を決めたのは、琉球U18の仲間たちともう一度プレーしたかったためです。U18では半年くらいでしたが、中学2年生の時に父が仙台から琉球と移籍するタイミングで私もU15に入って、一緒にやっていたメンバーも多いんです」。


ディフェンスの状況を見てフローターを放つ



渡米の際、「将来アメリカの大学への進学とその先の目標を達成するため、アメリカで英語や文化を学びます。将来、NBA選手や日本を代表できるようなプレーヤーになって沖縄アリーナでプレーしたいです」とコメントを出していた都人。前述のとおり、その思いは変わっていない。「日本の大学への進学という可能性もありますし、プレーヤーファーストで行けるところまで行きたいと考えています。ただ、まずはこのU18で優勝できるように頑張りたいです」。

「インフロニアBエリートリーグ2025」での戦いはもちろん、並行して「U18日清食品ブロックリーグ(グループH)」があり、11月下旬には大舞台「インフロニアBリーグU18チャンピオンシップ2025」がある。さらに上位4チームに入れば海外チームも出場する「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2026」への出場権を得られる。都人と仲間たちはどこまで勝ち進むか。トップチームの戦い同様にU18もチェックしていきたい。


入場シーン、仲間に迎えられる





写真/吉田宗彦、文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

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