月刊バスケットボール10月号

Bリーグ

2025.09.05

柏木真介、引退から新たな道へ──三河ユース巡回コーチとして歩み始める

休養を経て、新たなスタート


5月に21年間の現役生活へ幕を下ろした柏木真介。ラストシーズンは期限付き移籍として三遠ネオフェニックスのユニフォームをまとったが、古巣シーホース三河に戻ってユース巡回コーチに就任。今度はスタッフウェアを身にまとい、指導者としての新たなキャリアを歩み始めている。

「現役を終えて最初の1か月は、いつも通り休みました。これまではそこからトレーニングを始めてシーズンに備えていたのが、引退したためなくなった。その分、早く始動したという感じです」と語るとおり、7月からは早速ユースの現場に立ち、U15やU18を中心にコーチングやクラブイベントに携わってきた柏木。9月5日に開幕した「インフロニア BリーグU18エリートリーグ2025」ではアシスタントコーチとしてベンチ入り。身振り手振りを交えて選手たちに声をかける姿が印象的だった。ちなみに、初めての練習参加では、柏木コーチを前に選手たちがガチガチに緊張していたという。





ユース巡回コーチという役職について、当初は「現役をやっているときから、引退後は指導者になりたい思いがありました。ただ、正直なところユースという選択肢は頭にありませんでした」と振り返るが、「指導者としての経験値を積む良い機会になるはず」と考えて受け入れたという。
ユースのコーチングについて柏木は「めちゃくちゃ楽しいですよ」と話す。トップの選手はある程度出来上がっている部分があるから、大まかな指示でも通じる。ユース世代は細かく掘り下げて教える必要がある。柏木にとっては、その違いも新鮮なのだ。

現在の三河U18は高校1、2年生が中心とあって経験は浅い。「今のチームは2年生や1年生が主力で、大きな大会の経験が浅いため、今日の試合(琉球U18に53-92で敗戦)は緊張で力を出し切れてなかったけど、それも良い経験です。ポテンシャルの高い選手が多いだけに将来が楽しみです」と柏木。そして「ユースから一人でも二人でもプロに上がってくれたらうれしいですね」と言葉に力を込めた。

ユースのコーチとして歩み始めた柏木だが、いつかは「トップで指導したい」という思いもあると語る。21年にわたる選手としてのキャリアで日本代表や数々の優勝など、いくつものハイライトを味わってきた柏木は、どんなセカンドキャリアを描いていくのか。その挑戦から目が離せない。







写真/吉田宗彦、文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)

PICK UP

RELATED