日本人初の“コンバース・シグネチャー”誕生、富樫勇樹「機能が一番。思いを詰め込んだ一足で今季を戦う」

「機能が一番」――富樫が貫いた開発の軸
コンバースが日本人として初となるシグニチャーモデル「CONS UNAVERAGE MID」を発表した。8月28日の発表会に登壇した富樫勇樹(千葉ジェッツ)は「思いをシューズに詰め込んでいただいた。機能性とデザイン、どちらも素晴らしい」と語り、今季はこのモデルを着用して臨むと語った。発売は2025年12月を予定している。
開発にかかったのは約1年。富樫は「名前やデザインを含め、僕の思いとコンバースさんの思いをうまく形にできた」と振り返る一方で、「やっぱりバスケットシューズということで機能性が一番」と強調。昨シーズン、着用していた「CONS VICBOUND」からの要望も踏まえて調整を重ね、「今シーズンこれを履いて良いプレーができれば」と手応えを口にした。
モデル名は富樫のプロジェクト名「UNAVERAGE」を冠した。本人のイニシャルや名前案も挙がったが、富樫は「ちょっと恥ずかしい」と回避。「シグニチャー=NBA選手のもの、というイメージが強かったので」としつつ、完成した一足に「自分のロゴが入る喜びは大きい」と率直な思いを明かした。


担当した同社の岡本空里也氏がシューズを説明。冨樫の要望で、ヒールドロップ(かかと部とつま先の高低差)は抑えめにあるとも教えてくれた
スピードスターを支える設計
コンバース バスケットボールが掲げるコンセプトは“スピードスター”。「ラテラルウォールスタビライザー」(象徴的なブランドロゴを大胆に配したサイドパネル。横方向の激しい動きでもブレを抑える)、中足部〜前足部の「TPUシャンク」(ねじれを抑制し、屈曲時には反発を生んで“次の一歩”を後押し。メッキ調の意匠でスピード感も演出)。ヒールに内蔵した「REACT HC」(独自のハニカム構造衝撃緩衝材が負担を軽減し、快適性を高める)といったテクノロジーを搭載した「CONS UNAVERAGE MID」。そのシュータンには、背番号「2」と富樫のイニシャルであるY、Tを元にデザインされたシグニチャーモデルが配されている。
富樫は「多くの人に履いてもらいたいが、特にガードの選手にとって履きやすさを重視して作っていただいた」と狙いを語る。サイズ展開はまず大人向けからのスタートで、レディースやジュニアへの拡張は「視野に入れている」(コンバース担当者)という。


10月の開幕から“富樫専用”で始動、アパレルも順次展開
富樫は、10月のBリーグ開幕から本モデルを着用(千葉Jの今季初戦は10月4日のFE名古屋戦)。年内は富樫のみが履く“ファーストエディション”として運用される予定だ。また、当日、富樫は未発表のアパレルラインも着用。Tシャツ、パーカー、ジャケット、パンツなど、富樫の好みである「シンプル&クリーン」な世界観を演出したものも、いずれ発表されるようだ。

胸にコンバースのシェブロンロゴ、裾巾部分にタグをイメージした絵柄がついたTシャツを着用
発表会の最後、富樫は今季の目標を問われ、「毎年の目標だが全試合に出場することが一番。ケガなくやっていきたい。チームとしては優勝、個人としても“まだやれる”と証明しなきゃいけないシーズン」と言い切った。UNAVERAGEの名を冠した一足とともに、富樫は再び頂点を目指すことになる。
発売・販路などの詳細は、時期が近づき次第コンバースの公式サイトやSNSで告知予定。発売は2025年12月を予定している。年内は富樫のみが着用するファーストエディションとなる。

CONS UNAVERAGE MID
■コンズ アンアベレージ MID
価格:税込み22,000円
カラー:ブラック/レッド/シルバー
サイズ:25.0~29.0cm、30.0cm、31.0cm
発売:12月発売予定

文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)