月刊バスケットボール10月号

NBA・海外

2025.09.01

「カリーの前のカリー」ラウーフが来日!トークショー&クリニック開催

元NBA選手、マクムード・アブドゥル=ラウーフ氏が来日する。9月12〜15日の4日間にわたって開催される「Legend in JAPAN 2025『RAUF』」は、NBAの伝説的シューターから直接スキルやマインドセットを学べる貴重な機会だ。

身長185cmながら、210cm以上のビッグマンたちがNBAを席巻していた時代に、プルアップスリーを武器に戦ったラウーフ。まるで30年後のNBAからタイムスリップしてきたような革新的なプレースタイルで、現在のNBAの礎を築いた。「カリーの前のカリー」ともいわれ、ステフィン・カリー本人も「ラウーフは僕らのプレースタイルのパイオニアだった」と語る。

貧困の中で育ち、自分の父親が誰かすら知らない環境から、母親を助けるために10歳で「世界一のバスケット選手になる」と決意。公園で一人練習を続け、高校では州のスター選手に。さらにルイジアナ州立大時代、1年生で記録した平均30.2得点は、現在も破られていないNCAAの得点レコードとして残っている。1990年、NBAドラフト全体3位指名でデンバー・ナゲッツに入団し、1993年にはシーズンで最も成長した選手に贈られるMIPを受賞。1996年には1試合51得点をマークするなど、その名を世界に轟かせた。

しかし、宗教的信念を理由に、絶頂期にNBAキャリアを失うことになる。世界中を敵に回しても信念を貫き通し、強く生き続けられたのはどのようなライフスキルを持っていたからなのか。その生き様は、現代の若者たちにも大きな勇気を与えるだろう。

今回の来日イベントは、日本代表のテクニカルスタッフなどを務める冨山晋司氏をはじめ、長年にわたりラウーフの生き様に憧れてきた人々の熱が伝播して実現したもの。NBA史に名を刻む伝説のシューターから直接学べる、またとない機会であり、バスケットボールの技術向上はもちろん、人生を強く生き抜くためのヒントを得られるイベントとなりそうだ。

スケジュール

トークショー
9月12日(金)19:00〜21:00
会場:Sports Innovation Arena(渋谷)
〒150-0044 東京都渋谷区円山町3-6 Eスペースタワー2F

NBA歴代屈指のシューターはいかにして生まれたのか。貧困と難病という厳しい環境を乗り越え、NBAドラフト3位まで押し上げた努力の仕方や練習方法について語る。信念を貫くことで失ったNBAキャリア、それでも強く生き続けられるライフスキルとは。SNS時代を生きる現代人がラウーフから学べることを探る。

ラウーフは2010-11シーズンに京都ハンナリーズでプレーし、日本のバスケットボール発展に貢献した。今回の来日は「今の日本のバスケや、迷いながら生きる多くの若者たちに勇気と考える力を届ける」というプロジェクトの一環だ。出演者には青野和人氏(元京都ハンナリーズHC、現信州ブレイブウォリアーズ本部長)も参加。ラウーフの現役最後の2年間を間近で見届けた青野氏ならではの貴重な証言も聞ける。

バスケットボールクリニック
9月13日(土)巣鴨中学校高等学校
セッション①:13:00〜15:30
セッション②:16:30〜19:00

9月14日(日)巣鴨中学校高等学校
セッション①:10:00〜12:30
セッション②:14:00〜16:30

9月15日(月・祝)開成中学校高等学校
セッション①:10:00〜12:30
セッション②:14:00〜16:30

対象は小学4年生から高校3年生、各40名先着順(対象学年外は要相談)。萩原雄一氏や冨山氏、青野氏、元日本代表の木林稚栄氏、大宮宏正氏、日下光氏らがサポートコーチとして参加し、ラウーフの技術と哲学を余すことなく伝える。

イベントの詳細、申込みは以下のサイトから。

イベント詳細サイト
https://rauf-jp-tour.com

イベント申し込みサイト
https://fulfilex.hacomono.jp/reserve/schedule/4/13?date_from=2025-09-09

文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

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