月刊バスケットボール10月号

3x3

2025.08.26

3x3プレーヤー・木村嗣人がU10&U12の3x3ツアーに懸ける思い「子どもたちに“自由な挑戦”を」

「この3x3ツアーは、ただのスポーツ大会ではありません」

そう語るのは、Bリーグで3クラブを渡り歩き、現在は3人制バスケットボールで活躍する木村嗣人(TGP FORCEPICE)。彼はU10・U12世代を対象とした新たなツアー大会「3x3 eff TOUR 2025」を立ち上げ、現在開催している。

この大会は、2025年4月から来年3月末まで全国各地でROUNDを実施し、各大会の成績に応じて付与されるツアーポイントで年間王者を決める仕組みだ。対象はU10男子・女子、U12男子・女子の4カテゴリー(U9、U15は対象外)。大会はROUND制で、順位ごとにポイントが与えられる。(1位=100Pts、2位=80Pts、3位=70Pts、4位=60Pts、5位=50Pts、6位以下=40Pts)

1年間でポイントを積み重ね、各カテゴリーの上位12チームが2026年3月に開催予定の「CHAMPIONSHIP」への出場権を獲得。CHAMPIONSHIPでは、それぞれのカテゴリーで優勝を争い、優勝チームには豪華な景品が贈られる。

また、ROUNDごとの単発参加も可能で、必ずしも年間を通して出場する必要はない。年間を通してポイント上位を目指すのも、近隣ROUNDだけに絞って狙い撃ちするのも自由。チームの活動スタイルに合わせて挑戦できるのが、3x3 eff TOURの魅力だ。

木村がこのツアーを始めた理由は、「子どもたちにもっと自由に、夢中になれるスポーツ体験を届けたい」という思いから。

3x3は3人制という少人数だからこそ「全員がボールに関わる機会が多く、誰もが“主役”になれるスポーツです」と木村。自身の経験から「プレーの選択肢が多く、状況判断力やチームワークも問われる。子どもたちが、自分で考えて動く喜びを味わえる最高のフィールドだと感じています」と、その可能性を強調する。さらに3x3にはベンチにコーチが入れないルールがあり、選手自身が主体的・積極的にプレーする力が自然と育まれるという。

ではなぜ、木村は小学生のU10・U12という年代にこだわるのか。

「それは、この時期の“スポーツとの出会い方”が、人生を左右するほど大切だからです」

自分が夢中になれるスポーツと出会って、「勝ちたい」「うまくなりたい」「失敗して悔しい」「仲間に支えられた」など、小学生のうちに“心が動く瞬間”をたくさん経験すること。「それが子どもたちの未来をつくると信じています」と木村は言い、「だからこのツアーも、技術の上手い下手ではなく、“挑戦する心”や“仲間と関わる力”に重きを置いています」と話す。

誰かの声かけに勇気をもらったり、自分のプレーで仲間が笑顔になったり――。その一瞬一瞬が、子どもたちのかけがえのない成長につながっているのだ。

実際、出場チームの保護者からは「うちの子が自分から積極的に話しかけるようになりました」「負けたけど楽しかった!と初めて言いました」など、多くの声が寄せられている。

「この3x3ツアーは、ただのスポーツ大会ではありません。僭越ながら、“夢中になれる時間”と“心を育てる場”を、子どもたちにプレゼントする場所だと思っています。3x3が初めてでも大歓迎。ここには、チャレンジする子どもたちを温かく迎え入れる仲間と空気があります」と、木村は大会の魅力を語る。

エントリーはチーム単位。興味のある方は、下記の専用サイトから申し込んでみよう。

▶ エントリーはこちら
https://b-books.jp/game/search.php?ym=&level=17&pref=

▶ エントリースケジュール
1.エントリー開始 :各ROUNDの約1ヶ月〜2ヶ月前
2.エントリー締め切り:応募参加チーム数が満員になり次第〆切
3.組合せ発表 :各ROUNDの約5日〜7日前
4.大会当日:(同日完結)
5.ポイント反映 :大会終了後公式サイトへ掲載

▶ ラウンドスケジュール
・6ラウンド:2025年8月31日
・7ラウンド:2025年9月13日
※随時B-BOOKSのHPに記載

木村嗣人プロフィール

木村嗣人(きむら・つぐと)
神奈川県横浜市出身/1995年4月5日生まれ
東海大付相模高→新潟経営大
経歴:大学在学中、先輩や仲間の存在に背中を押され、茨城ロボッツと契約しプロの舞台へ。しかし、契約直後に大ケガを負い、長期のリハビリ生活を余儀なくされる。一度はバスケットから離れることも考えたが、周囲の支えに励まされて復帰を決意。東京サンレーヴス、アースフレンズ東京Zでプレーした後、新たな挑戦の場として3人制バスケに転向。大ケガと挫折を乗り越えた今も、夢と目標、そして恩返しの思いを胸に、3X3のコートで躍動を続けている。



文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

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